ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

閻魔大王のいる

2016-10-03 21:58:15 | 日記

                   閻魔大王のいる



              「起きろ、息子よ
               ここでねてはいけない!!」
              黒いビニル袋に向かって泣き叫ぶ姿




              軽快なピアノの音は楽しげで
              字幕がなければ
              その言葉が深刻な重い言葉であることは分からない



             
             世界に暴風が吹き荒れている
             他人事であるかのような場所では
             ひたひたと
             その暴風が近づき
             水浸しの
             このようになるなんて思わなかった
             事態が
             目の前



             ごーごーと
             叩きつける
             雨音を
             何も思わず
             聴いていられるのは
             怖さがわからないからか



             ロープで首を絞めているのは
             ミステリードラマではなく
             制服の手で
             行われている
             現実なのに




              「夢は今日を生きることなんだ
               家族とともに」



               
               地獄
               閻魔大王は
               地球の上にいたのか
                 



             

          

憤懣

2016-10-03 16:11:41 | 日記

                   憤懣



             空なるかな
             

             台風の前の茜の空に
             赤とんぼが飛んでいく




             空なるかな



             不安の朝に
             茫々の空
             なぜ
             


             空に
             灰色の雲沸き上がり
             あたりを覆いつくし
             睨んでいる



             巻き込んで
             海も空も
             沸騰


            
             何食わぬ顔をして
             「でございます」のテレビ
             何も伝えず
             何も言わない
             と
             疑惑の頭で
             痛みが 
             


             喉の奥で
             黴菌がぶら下がり
             ふふふっと
             笑いやがった
             

             抵抗する堰
             吐き出す黴菌



             ざまーみやがれ