平等院鳳凰堂に職人の落書き 瓦下の板、そのまま後世へ
約60年ぶりの大規模修理が終わった世界遺産・平等院(京都府宇治市)の鳳凰(ほうおう)堂。修理中、瓦の下の板から前回の昭和修理にたずさわった職人らの落書きが見つかった。瓦のふきかえ作業や鳳凰堂の変わらぬ姿がしたためられていた。後世に職人の気持ちも伝えようと、板は瓦の下に再び戻された。
落書きがあったのは、瓦の下に敷かれる「土居葺(どいぶ)き」と呼ばれる板5枚。
「かげの力のしっくいを ねってつかれて 今日も明日も」
「何としよう みだの瓦を運んでも 足のだるさにかわりない」
など修理の大変さをしのばせるものや、
「百々年の嵐にたえて鳳凰乃 すがたうつして宇治乃川面よ」
と、千年近い時を超えた鳳凰堂の姿を歌ったものがあった。