バイブルランドin福井

安田由久が驚くべき聖書の世界をご案内します

相次ぐ南ユダ王国指導者への失望

2021-06-14 04:00:00 | 時代を切り開いた預言者たち イザヤ書
イザヤ書
◆平和の王
11:1 エッサイの株からひとつの芽が萌えいで/その根からひとつの若枝が育ち

11:2 その上に主の霊がとどまる。知恵と識別の霊/思慮と勇気の霊/主を知り、畏れ敬う霊。

11:3 彼は主を畏れ敬う霊に満たされる。目に見えるところによって裁きを行わず/耳にするところによって弁護することはない。

11:4 弱い人のために正当な裁きを行い/この地の貧しい人を公平に弁護する。

その口の鞭をもって地を打ち/唇の勢いをもって逆らう者を死に至らせる。

11:5 正義をその腰の帯とし/真実をその身に帯びる。

11:6 狼は小羊と共に宿り/豹は子山羊と共に伏す。子牛は若獅子と共に育ち/小さい子供がそれらを導く。

11:7 牛も熊も共に草をはみ/その子らは共に伏し/獅子も牛もひとしく干し草を食らう。

11:8 乳飲み子は毒蛇の穴に戯れ/幼子は蝮の巣に手を入れる。

11:9 わたしの聖なる山においては/何ものも害を加えず、滅ぼすこともない。

水が海を覆っているように/大地は主を知る知識で満たされる。

11:10 その日が来れば/エッサイの根は/すべての民の旗印として立てられ/

国々はそれを求めて集う。そのとどまるところは栄光に輝く。


1節から5節まではイザヤ本人の預言であり、

6節からは弟子たちの筆になるものというのが聖書学者の見解です。

なぜなら9節はイザヤ65章25と深く関わりますし、

とくにハバクク2:14からの引用だという説があるからです。

また9節は第3イザヤである56:7,57:13,65:11,66:20などに見いだされる

「聖なる山」という表現があるからです。

シオンの山から歴史的な大転換を望む預言者イザヤとどの弟子たちの信仰と啓示があるのです。

ですからこの箇所は黙示文学ともいわれています。

1~5節の主題は明らかにシリア・エフライム戦争でアハズ王への失望がありました。

それは9章で学んできましたが、11章ではヒゼヒヤ王です。

イザヤはこのヒゼキヤにも大きな失望を持ちました。

もちろんヒゼキヤ王は優れた指導者だったのですが、

イザヤの預言に従わなかったのです。

何といってもイザヤはダビデ契約を尊重し、まことに神を畏れる王の支配、

神の霊の支配を望んでいました。

それだけにヒゼキヤに大きく失望したのです。

しかし、ヒゼキヤは、アハズ王の時代に盛んであった偶像崇拝の払拭に務め、

土着神の神殿を取り除き、国の宗教の純粋性を回復させました。

そのため、歴代のユダ王国、イスラエル王国の王の中でも、

敬虔な王として讃えられる数少ない王の一人と言われているのです。

旧約聖書歴代誌下には「神の言葉に従順で、神の御目に適う事柄を行った」と記されています。

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