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安田由久が驚くべき聖書の世界をご案内します

アメリカを動かすキリスト教とは何か 49 アメリカの福音派とは 05 ダーウィンの進化論をめぐって  

2021-04-12 04:00:00 | キリスト教国の歴史と現在 韓国
欧米でホーリネス教団が誕生した頃、ダーウィンの進化論が登場します。

チャールズ・ロバート・ダーウィン(1809年2月12日 - 1882年4月19日)は、

イギリスの自然科学者で、卓越した地質学者・生物学者で、種の形成理論を構築し進化生物学を発表しました。

全ての生物種が共通の祖先から長い時間をかけて、

彼が自然選択と呼んだプロセスを通して進化したことを明らかにしたのです。

この発表で旧約聖書の創造論とは真っ向から対立することになりますが、

キリスト教会に与えた影響は計り知れません。

そしてアメリカでは1925年に進化論を学校教育の場で教えることを制限する法律、

いわゆる反進化論法に対する一連の裁判が起こされます。

アメリカにおける反進化論運動は、

アメリカは伝統的に聖書を重視するプロテスタントのファンダメンタリスト信者が多く、

聖書の字句を一字一句正しいものとして扱う聖書無誤説をとる福音主義(保守派)が中心となって

アメリカにおけるキリスト教原理主義の潮流を形成しています。

このファンダメンタリストが進化論を問題視するようになったのは、

20世紀初頭にアメリカではじまった公立学校教育が始まりで

児童を集めて全員に同じカリキュラムを教える公立学校において、

生物の時間に進化論を扱うようになったため、起こった裁判です。

日本では戦後、すんなり進化論を鵜呑みに信じていますが、あくまで進化論は仮設なのですが、

ファンダメンタリストが多数を占めるアメリカでは大きな問題となったのです。

まず聖書無誤説では、『創世記』の天地創造に書かれていることも歴史的事実として扱われ
(そのため近代聖書批評学の見解を否定しています)。

すべての生き物は神が創造し、海の魚、空の鳥、家畜、地の全ての獣・這うものを人間に治めさせ、

人間の祖アダムとイヴはヤハウェによって創造されたものなのです。
(この考え方を創造論といい、これを正しいと主張する人を創造論者という)

したがって、自然界の進化の結果として人が誕生したという結論を導く進化論は、

これらの人々にとって言語道断の代物であったのです。

それまでは進化論の存在自体をないものとしていたファンダメンタリストは、

自分たちの子供が進化論を教えられることに反対し、

学校教育の場で進化論を教えることを以後様々な手段で阻止していくようになったのです。

もちろん進化論を擁護するキリスト教会もアメリカにはありますので、

根源的な対立は今も続いています。

そしていうまでもなくアメリカの現代福音派は、

ファンダメンタリストであり、「エヴァンジェリカルズ」(福音派の人々)といい、

進化論を支持するひとたちを「リベラルズ」
(リベラルな人々といい、自由主義な聖書解釈、進歩的な解釈をする人々)

といいます。

私はこの後者の牙城であった無教会と日本キリスト教団に所属していた23年間、

ファンダメンタリストの著作を読むのは一切、禁止されていました。

読むのは内村鑑三とその弟子たちだけに限定されていましたので、

福音派の著作は一冊も書棚にありませんでした。

しかし、今度は聖霊派が入る福音派のファンダメンタリストの教会の牧師になると

無教会の本を読む者は皆無でした。

両者は真逆なのです。

聖書の教えをそのまま信じるか、神が世界を創造されたことは肯定しても

何億年もかけて生物は進化してきたとなりますと聖書の解釈も大きく異なってしまいます。

当然、礼拝の方法や讃美歌もまったく相反するものとなっています。

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