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アメリカを動かすキリスト教とは何か 47 アメリカの福音派とは 03 福音派の歴史  03 メソジトという信仰覚醒運動はアメリカで開花する

2021-04-10 04:00:00 | キリスト教国の歴史と現在 韓国
ジョン・ウェスレーによって興されたキリスト教の信仰覚醒運動の中核をなす運動を

メソジズム (Methodism) に生きた人々といわれ、メソジストと呼びます。

この特徴は、日課を区切った規則正しい生活方法(メソッド)を推奨します。

メソジストという名称は「メソッド」を重んじることから「几帳面屋」(メソジスト)と

あだ名されたことに始まったものです。

規則正しい生活が実践できているかどうか、互いに報告し合う少人数の組会、

また、信仰のレベル別のバンド・ミーティングを重視しましたので、

軍隊や学校と相性がよく、ミッションスクールや病院の建設、貧民救済などの社会福祉にも熱心でした。

当時は教育の機会に恵まれない子どもに一般教育を与える日曜学校
(教会学校としてキリスト教教育を施すように時代とともに変化)

や、当時の流行歌に歌詞をつけ、口語による平易な讃美歌を普及させたのもメソジスト教徒が中心でした。

この運動は、上流階級よりも中下層階級あるいは軍人への普及していきます。

メソジスト運動の原動力となったのは、

「確証の教理」で、この「信仰の確証」はメソジスト運動を特徴です。

当時の形骸化したイングランド国教会からすれば、

メソジストのこの「聖霊の証し」の強調は狂信主義とも思えたので、

彼らはメソジスト運動を、他の理由とあわせて執拗に妨害しました。

メソジスト運動がアメリカ大陸に拡大し、

当時大英帝国の植民地であったアメリカ合衆国が独立するに及んで、

ウェスレーは、新大陸のメソジストたちをメソジスト監督教会として組織し、

イングランド国教会から独立していきます。

この頃、ウェスレーは、キング監督の著書を通して、

聖書では監督と長老が同等の立場であることを自覚するに至って、長老の立場でありながら、

アメリカの信徒伝道者に按手礼を授け、聖礼典を執行する権限を認めるに至ったのです。

このようにして摂理的に、アメリカのメソジスト監督教会は、組織的にも神学的にも、

イングランド国教会から独立し、

アメリカ最大のプロテスタント教会となり、現代福音派の源流となります。

この流れから。軍隊組織を採用した救世軍や

「聖潔」(きよめ)を強調するホーリネス運動、聖霊の働きを強調するペンテコステ派なども

このウェスレアン・メソジスト運動の流れなのです。

この運動は、これまでも書きましたようにジョン・ウェスレーをはじめとする

ごく少数のイングランド国教会の司祭たちによって指導され、聖職者がほとんど参加していなかったため、

信徒の説教者を用いたことから、これを認めない国教会と対立し、激しく迫害されます。

神学的には国教会と同じくローマ神学を継いでいますが、

上記の信徒による自立的な宗教活動を教義的に支えるため、

プロテスタント諸派の中でも独自の聖霊論をもっています。

イギリスにおけるメソジスト運動は、

主に中下層階級の市民や軍人を対象とした大衆運動として展開されながらも、

ウェスレーという強烈な個性の存在によって、禁酒禁煙や几帳面な生活様式を要求するなど、

爆発的な信徒数に結びつくにはほど遠い、厳格なピューリタン的な要素を含んだ運動でした。

メソジスト運動は、本国英国ではさほどの勢力にはなりませんでしたが、

アイルランド、アメリカ、ドイツなどに早くから布教し、メソジスト教団は、

現在アメリカでは信徒数が2番目に多いプロテスタント教団です。

一番は、「バプテスト教会である。

信条としてはルター派に近く、悔い改めによる救済を強調し、

カルヴァンの説いた予定説的な考え方はとりません。

ヨーロッパ大陸におけるプロテスタントの二大潮流は、ルター派と改革派教会はですが、

イングランドと米国ではメソジスト派と長老派にほぼ重なっています。
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