太った中年

日本男児たるもの

小沢さんは田沼意次

2010-01-26 | weblog

Tricycle

 

小沢問題に戻ろう。

さて奥さん、以下、高野孟さんとホリエモンによる検察批判の記事。

 

"鼠一匹"も出ない? 小沢事情聴取ーー追い詰められているのは検察である

東京地検特捜部が目指しているのは、政治家=小沢一郎の抹殺すなわち議員辞職であり、それは無理だった場合でも、せめて幹事長辞職に追い詰めてその影響力を決定的に削ぐことである。

すでに逮捕されている3人の元秘書に対する容疑は、政治資金報告書の「不記載」(規正法第25条1項2号)や「虚偽記入」(同3号)など、平たく言えば「帳簿のつけ間違い」で、本来は、問題があれば修正すれば済む程度の経理係レベルの形式犯にすぎない。こんなことで3人を起訴すること自体、「言いがかり」に近い不当起訴であり、ましてや帳簿記載方法のいちいちを知るはずもない小沢本人に累が及ぶことではない。

もちろん、問題の土地を購入すること自体は小沢の指示・了解に基づくものであり、またそのための資金調達にも彼が携わっているのだから、仮に帳簿に何をどう記載したり記載しなかったりすることには直接関わっていなかったとしても、「不記載」や「虚偽記入」の「共犯」として小沢を起訴することは可能である。しかしこれもまだ形式犯の範疇であり、それで与党の大幹事長を失脚させようというのはいかにも無理な話である。

そこで検察としては、これが単なる「帳簿のつけ間違い」でなく、ゼネコンの裏献金を用いて土地を購入し、またそのような資金の出所を偽装するためにわざと銀行融資を立てるなど、小沢自身が指揮して行った極めて悪質な意図に基づく「帳簿操作」だったというお伽噺を作り上げる必要に迫られた。そのために、無理は承知で3人の元秘書を逮捕し、また小沢本人にも任意聴取を求めて、何とかしてこのデッチ上げの材料を掻き集めようと計ったのである。

これは無茶苦茶で、この大騒動の結果"鼠一匹"も出て来ずに検察が大恥をかくことになる公算が大きい。

・水谷からの5000万円?

検察がデッチ上げたいお伽噺の中核は、この購入資金に「水谷建設からの5000万円の裏献金が混じっている」ということだが、これがまず実証不能だろう。

第1に、水谷側の供述の信用性に大いに疑問がある。郷原信郎が指摘しているように、水谷側が検察の言いなりになって注文通りの供述をしている可能性がある。

第2に、一般論として、この手の公共事業で政商的な地方の中堅ゼネコンが大手スーパーゼネコン(この場合鹿島建設)の下に入って下請け仕事を請け負おうとする場合に、「ウチは前々から○○先生(この場合小沢)とは昵懇で、しかるべき手は打っておきましたから」とか「この地元はヤクザ(この場合岩手県の田舎ヤクザ)がうるさくて私のほうで始末しておきましたから」とか言って、その"実績"を手土産に下請けに入り込み、しかもそのための闇経費分を下請け工事代金に上乗せしてスーパーゼネコンから支給して貰っていたりする。ところが、てなことを言って中堅ゼネコンがスーパーゼネコンから裏工作資金の支給を受けても、実際には政治家やヤクザに金を払っていなかったり、もっと少ない金額を払っただけだったりして、全部または一部をネコババしているケースもある。

水谷あたりだとせいぜい年商100億円程度で、それで表献金として自民党政治家を中心に10億円も配っていては利益など吹っ飛んでしまう。そこで裏献金分のネコババが実質的な利益になったりするのである。そこを突かれると、裏支給を受けているスーパーゼネコンへの申し開きとしても、税務当局への言い逃れとしても、「いや、確かにあの政治家の秘書に金を渡しました」と言い張ることにならざるを得ない。従って、本当に水谷が石川にその5000万円を渡したかどうかは分かず、「受け取っていない」と言っている石川が正しいのかもしれない。

第3に、これも一般論として、政治家秘書の側でも、しょせんはそういう闇の金であるから、帳簿に記入しないで済ませたり、自分でポケットに入れてしまったりする場合がある。石川が水谷から受け取ったにもかかわらず、自分でネコババしてしまったから「受け取っていない」と言い張っている可能性も絶無ではない。

とすると、検察が思い描くお伽噺が成り立つには、(1)水谷から石川に本当に5000万円が渡っていた、(2)その金を石川はどこにも流し込まずにそのまま封も切らずに取っておいた、(3)土地購入資金を調達することになった時に、石川が「ここに水谷からの5000万円があるので、残りを小沢先生のほうで何とかお願いします」と言い、小沢が「おおそうか。では後は私のほうで何とかしよう」と答えたとかいうやりとりがあったことを、石川・小沢双方が認めた――という事実が確定できない限り難しい。仮に事実がそうであったとしても、それを裏付ける供述が2人から出揃う可能性はゼロである。

・マネー・ロンダリング?

もう1つのポイントは、小沢がゼネコンからの汚い金で土地購入をしようとして、それを誤魔化すために、しなくてもいい銀行融資をしたのかどうかということである。

検察が根本的に分かっていないのは、ごく普通の中小企業の月末の資金繰りというのはこんなものであるという世間常識である。

まず第1に、良いか悪いかは別として、小沢は1つの「党内党」を作り上げている。彼個人が所有する私兵集団として20名ほどの秘書を丸抱えして、彼らを合宿状態で住まわせて、いつでもどこへでも派遣可能な選挙プロフェッショナルとして鍛え上げてきた。本来から言えば、そのようなオルグ機能は民主党本部が党として持つべきであるが、そうはなっていない現実では、小沢が私的に代位してきた。それこそが選挙上手=小沢のいわゆる"実力"の源泉である。

第2に、その小沢私兵集団の経営形態は、「小沢商会」とも言うべき個人商店である。事業主としての小沢個人が君臨して、中心的な企業としての「陸山会」があって、他にもいくつか休眠状態のものも含め子会社があり、それらの間で資金を融通し合ったりするのは当たり前だし、会社本体が資金が苦しい時に事業主が自分や夫人名義の預金を崩して一時立て替えしたり会社に貸し付けをしたりしてその場を凌いだりするのも大いにあり得ることである。立て替えや、短期に相殺される個人の貸し付けを、帳簿にどう付けるかは微妙なところで、税務当局との間で「見解の相違」が生ずる場合もあったりする。

第3に、定期預金を積んでそれを担保として銀行融資を受けるというのはごく普通にあることで、それがマネーロンダリングを目的とした不正操作ではないかと疑うのは世間常識とかけ離れている。不動産購入のためにまとまった代金を支払わなければならない時に、それを手持ち資金で賄ってしまうと手元現金が枯渇して月末の支払いに窮するという場合に銀行借り入れを起こすのは不自然ではない。本件の場合は恐らく、銀行借り入れで土地を購入しようとしたが、その手続きより以前に不動産屋に支払わなければならない事情が生じたため、至急に別途資金を掻き集めて支払いを済ませた上、後に銀行融資分と差し替えることにしたが、それと月末の支払いが重なって余計にバタバタした、というようなことではないのだろうか。

こうして、私の見るところ、水谷建設の5000万円を絡めることで単なる形式犯でない悪質性を立証しようとする検察の思惑は、成り立たない可能性の方が大きい。追い詰められているのは検察のほうである。

 

リーダー不在の時代

語らないことにも意味がある・小沢氏の聴取の後にくるもの

あえて小沢氏を攻撃する側の自民党議員のブログにリンクしてみた。

まるで検察の意を汲んだかのように「市民団体」が告発するというのも何とも良い手はずだが、黙秘権があることを検察が小沢氏に告げたということで被疑者という扱いになるのもそのとおりである。

ただ、重要なのはあくまでも政治資金規正法違反での取調べであり、そもそも石川議員が記載ミスがあったことは認めているので、わざわざ身柄を取ってまでプレッシャーをかけるのは、その先に何か別件があり、それを探し出すための逮捕だったわけで、本来の目的とはかけ離れている。憲法違反の恐れがある別件逮捕である可能性が高いわけだ。

なんとか、政治資金規正法違反で小沢氏の関与を少しだけでもあぶり出し、在宅起訴でもいいから小沢氏をやるという意思の表れかもしれない。しかし、知らないことを知っているように話せといわれてもそれは無理がある。石川議員になにか別の個人的にやましいところでもあれば、それをネタに小沢氏の関与を無理やり供述調書に取るなんてことをやることは出来るだろうが、それも今はハードルが高いだろう。

しかし、私が問題だなと思っているうちの一つは、そもそも小沢氏が蓄財しているとしてそれは何のためなのか?ということだ。昨日のニコニコ動画で自民・民主両議員と田原総一郎氏に伺ったところ、それは政治資金のためだということだ。つまり彼が集めた金が民主党議員のモチ代になっているのだと。つまり、彼は個人的に蓄財をしたいというよりは政治活動を円滑に進めるために蓄財をしていることは間違いないそうだのだ。

鳩山首相はたまたま両親が資産家だったからいわゆる井戸塀政治家のように自分の財産を政治活動につかっているが、それほどまでの裏づけのない小沢氏は献金に頼るしかないだろう。それほどまでに情熱を傾ける政治家は日本にとって重要だと思うのだが、そうではないんだろうか?

政治資金規正法は年々厳しくなり、いわゆる昔ながらの贈収賄は成り立たなくなってきているだろう。企業団体献金はこの際全面禁止にするなり、一旦国庫に納めるようにして議員数で配分している政党助成金の原資にすればいいではないか。少しでも紐付きになってしまうと企業側の利得を求める姿勢が前面にでてしまいがちだ。

もしこんなことで小沢氏が政治の表舞台から去ると、次は誰がリーダーシップを取るのだ?そもそもうやむやになっていた大久保元秘書の問題で首相になるはずだった小沢氏が引き、鳩山氏が首相になった。それを二重権力体制などと揶揄する向きがあるが、その原因を作ったのは検察だろう。本来ならば力のあるリーダーシップが取れるものがトップに就くべきだ。

リーダー不在のままあと4年近く民主党政権は漂流してしまうのではないか、それは日本にとって大きな損失だろう。100%聖人君子のようなリーダーが存在するわけがない。細かいミスがあったとしても、その実力で世の中をよくしてくれるんだったら、いいんじゃないかと思うんだよね。

なんか、小沢氏を見てると、失脚した田沼意次とかを思い出すんですよね。

青雲の梯 老中と狂歌師

まず、高野さんの単なる帳簿のつけ間違いに過ぎない形式犯を検察が無理筋を重ねて立件しようとする批判は順当かつ正攻法。検察の大失態で決着するのではないかな。後は、検察リークでマスコミを使ってどれだけ民主党政権がダメージを受けるかが問題だろう。続いて、ホリエモンの検察批判はちょっと意外だった。小泉・竹中派のホリエモンは小泉さんのように民主党批判をすると思いきや冷静に事件を分析して小沢さんを擁護している。まあ、ホリエモン自身も検察と徹底抗戦しているからなぁ、そう考えると当然のことか。

>なんか、小沢氏を見てると、失脚した田沼意次とかを思い出すんですよね。

ホリエモンが小沢さんを田沼意次に擬えて評価しているところが面白い。前にも言ったけど世の中に清廉潔癖な聖人君子なんていないワケよ。特に人の欲望が渦巻く政界ではね。人の欲望を理解しえない政治家は排除する構造になっていて叩けば誰でも埃は出てくるし、それは検察だって同じこと。裁判中のホリエモンはそこまで言ってないけどね。政治家、検察それぞれに清廉潔癖、正義の聖人君子像を求めること自体が誤りで古今東西、人は誰しもミスを犯すもの。それに対して適切な判断ができる度量を持ちうるかが問われているのだ。

 

石川容疑者「本当のこと言う」、逮捕直前父に(読売新聞) - goo ニュース

石川容疑者の父勲さん(70)が24日、北海道足寄町の自宅で報道陣の取材に応じ、逮捕直前の様子を明かした。

逮捕前日の今月14日午後10時過ぎ、石川容疑者から電話があり、「虚偽記載で2004年にまずいことをした」と打ち明けられた。この時は、「(検察に)本当のことを言うしかない」と話していたという。

一方、勲さんは今月2日、帰省中の石川容疑者に、水谷建設から金を受け取ったのかと尋ねたところ、石川容疑者は「もらってない」と血相を変えて否定したという。勲さんは「事実が明らかになり、職務に復帰できることを願っている」と語った。

石川さんの親父への取材記事らしいから珍しいニュースだ。

これからウソを言う人間が「ウソを言います」と言うだろうか、とナゾ掛けしてみる。


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