太った中年

日本男児たるもの

米中の本音

2009-11-20 | weblog

さて奥さん、以下、英フィナンシャル・タイムズによるオバマ訪中のコラム

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オバマが胡に語るべきだった厳しい真実

米国のバラク・オバマ大統領は17日、中国の胡錦濤国家主席と会談した。議題は世界経済から気候変動、核兵器の拡散防止など盛りだくさんだった。長期的には気候変動と核不拡散が最も重要な問題だが、最も切迫しているのは最初に挙げた世界経済の問題だ。

もし世界経済を健全な回復に導くことができなければ、協力的な関係を構築したいという望みは、はかない夢に終わってしまうだろう。しかし、世界経済の回復は決して確実ではない。むしろ、健全な回復を困難にする事態さえ一部には見受けられる。特に問題なのは、中国が人民元のレートをドルとともに下落させる方針でいることだ。

従って、今回の訪中はオバマ大統領にとって、中国に厳しい真実を告げるチャンスだった。筆者は、大統領がホワイトハウスのスタッフから念入りな説明を受けた後に、以下のような話をしていてくれたらよいのだが、と思っている。

中国の懸念も理解できるが・・・

「これは日本での演説で話したことですが、『米国は中国を封じ込めることなど望んでいないし、米国が中国と関係を深めても、それでほかの国との2国間同盟が弱体化することにはならない。それどころか、強くて裕福な中国の台頭は、この地域の国々の共同体にとって強さの源になる』と私は考えています」

「当面は、貴国と我が国が国際舞台における主たるプレーヤーになるでしょう。従って我々は、困難に直面したら協調し、折り合いをつけながらこれに立ち向かっていかねばなりません。ですが残念ながら、貴国の為替政策を巡っては、そのような取り組みができていません」

「貴国の高官は、我が国の財政・金融政策に対してもっともな懸念を示しています。例えば中国銀行業監督管理委員会の劉明康委員長は先日、ドル安と低金利のコンビが『大がかりなキャリートレード』を促し、『世界の資産価格に大変な影響』を及ぼしていると発言しました。同様な調子で我が国の巨額の財政赤字に不満を表明したり、貴国による我が国の長期国債への投資の安全性を懸念したりする高官も少なくありません」

「そうした懸念を抱いているのは、私も同じです。ですが主席、我が国があのような財政・金融政策を取ったことには、はっきりした理由があります。我々は1年前には、底なしの深い穴をのぞき込んでいたんです。今でさえ、我が国の景気回復は弱々しく、失業率を容認できるレベルに引き下げるには至っていません」

「そうしたリスクに直面した連邦準備理事会(FRB)とホワイトハウスは、需要を下支えする施策を講じました。どちらかと言えば、我々の景気刺激策では規模が小さすぎるとの警告の方が正解だったくらいです」

「我が国が不況に見舞われた理由は簡単です。前政権下で始まった金融危機が、我が国の民間消費の急減と民間貯蓄の急増の引き金を引いたのです。経済顧問などから聞いた説明ですが、我が国の民間部門の所得と支出の差は、2007年第4四半期にはGDP(国内総生産)の2.1%に相当する赤字でしたが、2009年第2四半期には6.2%相当の黒字に転換していました。つまり、合計でGDPの8.3%に相当する倹約が行われたわけです」

「財政の悪化は、この民間の所得と支出の収支が変動したことの裏返しに過ぎません。FRBも、これほど消費が落ち込めば金融を緩和せざるを得ません」

中国の貯蓄を守るために米国を恐慌に陥れるつもりはない

「私は米国の大統領です。中国の貯蓄の価値を守るために米国経済を恐慌に陥れるつもりはありません。そもそも我が国では誰も、貴国にこれほど大規模な為替介入を要請していませんし、今年9月までに計2兆2750億ドルという途方もない額の外貨準備を、それもその大半を我が国の通貨で蓄えるよう求めてもいません」

「また、貴国が我が国に推奨しているとおぼしき政策は、想定されているような結果をもたらさないでしょう。考えてみてください。FRBがドル相場を押し上げるために量的緩和をやめて利上げに踏み切り、その一方で我々が財政を大幅に引き締めれば、我が国の経済は不況に逆戻りしてしまいます。財政が再び悪化することは確実です」

「国際通貨基金(IMF)のドミニク・ストロスカーン専務理事は先日、ここ北京で次のように指摘しました。『要するに、中国が内需を拡大すると同時に米国が貯蓄を増やせば、世界の需要のバランス回復に寄与するだろうし、世界経済の健全化も確実なものになるだろう』と」

「貴国は内需を刺激し、それによって世界経済に必要な調整を促すことで、計り知れないほど大きな役目を果たしてこられたものと私は認識しています。IMFも、貴国の経常黒字が今年は大幅に縮小すると見込んでいるようです」

人民元のドルペッグは「近隣窮乏化政策」

「ですが残念なことに、それは一時的なものに終わってしまう可能性が十分あります。第1に、貴国の景気刺激策は大規模な与信の拡大に依存しており、持続可能でない恐れがあります。第2に、貴国の貿易黒字の縮小は、経済危機がもたらした貿易の落ち込みによる部分が大です。第3に、これが最も重要ですが、貴国は下落基調にあるドルに人民元をペッグすることで、自国通貨の切り下げに乗り出しています」

「世界の需要が今ほど弱い時期にあっては、そのようなやり方は一種の『近隣窮乏化政策』です。貴国は、私が発動した保護主義的な対応に苦言を呈していますが、貴国の『為替レート保護主義』に比べれば、そのインパクトなど微々たるものです。貴国の政策は、不均衡是正のコストを貴国の貿易相手国に背負わせるものです」

「ストロスカーン専務理事も言っていました。『通貨の切り上げは、必要な改革のパッケージの一部だ。人民元やほかのアジア諸国通貨の為替レート上昇を容認すれば、家計の購買力の増強や労働分配率の向上に寄与するだろう。投資対象の変更を促す適切な誘因にもなる』と」

「主席はきっと、こんな講釈など無意味だと決められたのでしょう。ですが、ご理解いただいていないのかもしれませんが、民主主義国家というものは、かなりの早さで穏便な態度を翻し、握りこぶしに切り替えることがあります。仮に向こう1年か2年で貴国の経常黒字がますます拡大し、かつ我が国の赤字がますます拡大していたら、我が国はもう見て見ぬふりなどできないでしょう」

「冷静なアナリストたちがそのような予測をしているとなれば、なおさらです。これはゴールドマン・サックスの試算ですが、現在の傾向が続くと、世界のGDPに対する貴国の経常赤字の比率はさらに上昇し、2020年には『2007年におけるドイツと日本、中東諸国の黒字の合計』のGDP比をも上回っている可能性があるそうです」

いざとなれば考えがある

「しかし、我々にはそんな時間はありません。我が国の景気が低迷し続けて失業率も高止まりし、貿易赤字がさらに拡大してしまうと、特に貴国に対する赤字が増えてしまうと、『何とかしろ』という圧力が抑えきれないほど強くなるでしょう。それこそ私は、リチャード・ニクソン元大統領が1971年に取ったような策を検討しなければならなくなってしまいます」

「ニクソンはこの時、ドイツと日本に為替レートの切り上げを飲ませるために、10%の輸入課徴金を導入すると脅しをかけました。非常に残念ですが、私も同じことをせざるを得ないかもしれません。その場合私は、為替レートの必要な調整を避ける貴国の方針はもう耐え難いと言うことになるでしょう。米国には、そのような重商主義から身を守る権利があります。そんなことをすれば貿易のシステムがひどい打撃を被ってしまうでしょうが、自らを守らないという選択肢は容認できません」

・・・さて、オバマ大統領は首脳会談で、このようなことを言っただろうか。恐らく、その答えはノーだろう。しかし、そうすべきだったと筆者は考える。我々はもう、中国の為替政策について十分に時間をかけて議論してきた。あとは行動あるのみだ。

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今回のオバマ訪中では欧米が中国に対して懸念する人権問題と為替操作を棚上げして首脳会談に臨んだ。プレゼンスが衰退した米国の態度に英フィナンシャル・タイムズのライターは英国人らしい嫌味タップリのコラムだ。英国伝統の不味いメシを食って育つと性格のネジ曲がった人間になるのだろう、ヤダヤダ。

んで、上記コラムが米国の本音とすれば以下のニュースが中国の本音。

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温首相、「G2論」に反対 過大な責任警戒か

オバマ米大統領と中国の温家宝首相は18日、北京市内で会談した。温首相は「われわれは米中二強(G2)論には賛成しない」と述べ、中国に大国としての責任を果たすよう暗に求めた米側の姿勢をけん制した。

オバマ大統領は17日の胡錦濤国家主席との会見で、「中国が国際舞台でさらに大きな役割を発揮することを歓迎する」と述べていた。中国側は、気候変動や核拡散など地球規模の課題に対し、中国が過大な責任を負わされることを警戒したとみられる。

中国外務省によると、温首相は「中米両国は世界に重要な影響を与える国。その中米関係が新たな段階に入ることを希望している」と述べる一方、国際秩序の2強構図を意味する「G2」論を否定した。

その理由として、温首相は「中国は人口が多い発展途上国で、現代化にはまだ長い道のりがある。さらに、独立自主的な和平外交政策を取っており、世界の政策は各国が共同で決めるべきで、米中2国で決めるものではない」と強調した。

会談では北朝鮮情勢についても意見交換、先月訪朝し金正日(キムジョンイル)総書記と会談した温首相が、大統領に訪朝結果を説明したとみられる。核問題をめぐる6カ国協議の早期再開に向け、米中の連携強化を確認したもようだ。

会談後、オバマ大統領は北京市郊外で「万里の長城」を見学。18日夜、最後の訪問国、韓国に到着した。

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金に困っている米国は中国に人民元レートを切り上げ、貿易赤字を是正して金儲けしたいと要求する。片や経済発展した中国は環境問題で責を負いたくない、核拡散では対テロ戦争の責を負いたくない、今まで通り金儲けさせろってこと。恥も外聞もない米国、中国による下品な金欲主義のG2体制なのだ。

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ああ、そうだった奥さん恥も外聞もない米国人っていえばドアーズのジムモリスン。LA大映画学科でフランシス・コッポラと同級生。アル中、ヤク中、ライブのティムポ出し元祖。移動機内でスッチーに暴言を吐きティムポ出してタイーホされたこともあったな。ニーチェを多用したディスクールにて”お下品の最高米国人”ですがな。

The Doors - Touch Me

 

それから性格のネジ曲がった英国人の代表っていやーポリスのスティング。間違いないと断言する。

The police - Every breath you take

 

最後はオバマ評。ソウルのソの字もない黒人だ。大統領就任演説でアレサ・フランクリンが歌ったけどヨーヨーマのパフォーマンスの方が圧倒的に素晴らしかった。ソウルの女王アレサ・フランクリンよ。

Aretha Franklin - I Say A Little Prayer


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