太った中年

日本男児たるもの

イルカと鳩に噛みついた

2010-03-11 | weblog

 

ドキュメンタリー賞 『ザ・コーヴ』 イルカ漁批判に地元反発

和歌山県太地町のイルカ漁を題材にした米映画「ザ・コーヴ」が長編ドキュメンタリー賞を受賞したことに、地元の太地町では反発の声があがる一方、イメージダウンを心配する声も聞かれた。

「ザ・コーヴ」は米国の環境保護活動家の撮影チームが太地町へ潜入した映像を中心にした、イルカ漁を告発する映画。漁師や警察の制止をかわして立ち入り禁止の浜へ強引に入り込んで撮影した。イルカが殺される場面もあり、漁師を「ジャパニーズ・マフィア」として描いている。

公開された欧米で「イルカ漁は残酷だ」との声があがり、同町と姉妹都市提携しているオーストラリア・ブルーム町議会は内外からの抗議に耐えかね、提携の一時中止を議決。その後、「異文化を認めるべきだ」との住民運動が起き、議会で提携を復活させたいきさつがある。

三軒一高町長と同町漁協の水谷洋一代表理事組合長は、「科学的根拠に基づかない虚偽の事項を事実であるかのように表現しており、遺憾。食文化については地域における長年の伝統や実情を理解した上で相互に尊重する精神が重要」というコメントを発表した。

また、捕鯨の町としての歴史を紹介するテレビ番組上映会を先月開いた町公民館の宇佐川彰男館長は「ザ・コーヴ」も見た上で「アカデミー賞も地に落ちた」と憤る。「われわれは、海の恵みに感謝し、毎年慰霊祭も行っている。文化が違うのかね」と首をかしげた。

・顔ぼかして公開

「ザ・コーヴ」は国内では五~六月に公開が予定されている。地元からの抗議を受けて配給元の「アンプラグド」(東京都)は、「肖像権の侵害にならないよう地元の一般住民の顔にはぼかしを入れる」と話す。

また、作品が「イルカの肉が水銀に汚染されている」「イルカ肉を鯨肉として販売している」と主張している点については、映画の最後で「水銀値の調査結果にはばらつきがある」「町は反論している」との字幕を挿入するという。

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まずは顔にボカシは屈米根性だぞ、と一喝する。

では奥さん、以下、池田センセもアカデミー賞"The Cove"に噛みついた。

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エコロジーという自民族中心主義

和歌山県のイルカ漁を撮影した映画"The Cove"がアカデミー賞を受賞した。私はその映画を見ていないが、受賞の言葉で「日本人はイルカを食うべきではない」などと語っているのを見ると、その政治的意図は明らかだ。この種の過激派は、グリーンピースやシーシェパードなどよくあるが、アカデミー賞を受けたとなると、その影響は無視できない。

イルカを年2万頭殺すことが残虐なら、年3500万頭の牛を殺すアメリカ人は何なのか。デリダもいうように、高等動物と下等動物の区別には意味がなく、人間と動物の境界も恣意的なものだ。たとえば新生児を殺したら殺人だが、妊娠3ヶ月で中絶するのは犯罪にはならない。逆に、かつては老人を「姥捨て山」に遺棄することは犯罪ではなかった。殺してはならないものの境界を決めるのはそれぞれの時代や地域の文化であり、絶対的な基準はない。

ところがキリスト教文化圏は、すべての人類に普遍的な倫理があると信じる特異な地域だ。さらに人間が神の姿に似せてつくられたという特権意識をもち、すべての動物は人間のために殺されるのが当然だと考える人間中心主義が強い。「イルカは賢いから殺すな」という主張の根底には、黒人などの「劣った民族」は殺しても奴隷にしてもよいという自民族中心主義がある。

これが昂じると、「地球を守れ」という倒錯したキャンペーンになる。冷静に考えればわかるように、人間が自然の中心として地球を守るという思想は、天動説にも等しい。地球上の生物の圧倒的多数はバクテリアであり、人類が死滅しても地球上の生態系にはほとんど影響しない。太古のままの地球を守ることが環境保護だとすれば、そんな自然はすでにほとんど存在しないし、それを守ること自体には何の意味もない。環境保護は、あくまでも人間の問題なのである。

ホルクハイマー=アドルノも指摘するように、自然を支配の対象と考える啓蒙的な合理主義が自然破壊をもたらしたが、それによって近代社会は歴史上、類のない豊かさを実現した。啓蒙が反自然的だという批判は正しいが、それを否定するなら、自然を搾取する産業社会を捨て、すべての動物の肉を食うのをやめ、化石燃料をやめて山の中で隠遁生活をするしかない。

いいかえれば、無数の生命を虐殺し、自然を破壊することは近代人の原罪であり、この罪から無縁な人間はいないのだ。それを認識しないで、CO2の削減が「文明の転換」だなどという経済学者は、西洋文明への無知をさらしている。欧米人が彼らの自民族中心主義を信じるのは自由だが、そういう偽善を無批判に輸入して「地球のいのちを守れ」と施政方針演説で語る首相は、日本の恥である。

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上杉くんとのライブトーク後、カツマーに噛みついて以来の久しぶりの噛みつき亀。

今回は勢い余ってイルカばかりか鳩ポッポまで噛みついた。相変わらず畏るべき食欲だ。

 

>「イルカは賢いから殺すな」という主張の根底には、黒人などの「劣った民族」は殺しても奴隷にしてもよいという自民族中心主義がある。

欧米エコロジー思想の根底にレイシズムがあるってことなら批判するためにわざわざデリダやアドルノを持ち出すまでもない。有色人種差別意識が変形して環境保護が生まれたのなら、人種差別の歴史を超簡単にまとめた太った中年の過去エントリー「アイバンラーメン」を再読すれば充分だ、奥さん。以下、抜粋。

 

・肥沃なアフリカで最初の人類黒人が誕生

・暫くしてアルビノ現象により白人が登場

・黒人は白人を差別して痩せた北部へ追いやる

・その太古の経験が白人による黒人差別の伏線となる

・白人はその後、エジプト帝国で奴隷として差別される

・差別を逃れ逃亡した白人奴隷はユダヤ教をつくる

・ユダヤ教の中で差別された一派がキリスト教をつくる

・ローマ帝国はキリスト教を差別する

・ところがキリスト教は革命を起こしローマ帝国を乗っ取る

・キリスト教のローマ帝国はヨーロッパを植民地化する

・こうしてヨーロッパ民族は西洋史初の被差別階級になる

・まだまだ差別は続く

・キリスト教はカトリックが主流になる

・カトリックはプロテスタントを差別する

・プロテスタントの中のピューリタンは差別に耐えかねて新大陸へ逃亡

・以上のような差別連鎖のどん詰まりで人類に最も恨みを抱く米国人が誕生

 

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人類に最も恨みを抱く米国人は自由と正義の名のもとに新大陸で先住民インディアンを殺しまくった。現在、年3500万頭の牛を殺す米国人であるが、インディアンを殲滅するにあたり、まず一種の経済制裁として彼らの生活の糧であるバッファローを殺害したのだ。経済制裁をして弱体化させてから他国へ戦争を仕掛けるセオリーはこのときから始まった。イラクもわが日本もそうだった。で、冒頭「ザ・コーヴ」のタイトルフォトなんてキリストと使徒「イルカ」そのものだろ。頭のイカレタ米国人につける薬はない。

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こうした米国=人類の現象は死ぬまで続くワケでね、なんかいい知恵があったらコメントください。