太った中年

日本男児たるもの

Don't Give Up

2008-12-31 | weblog

Peter Gabriel & Kate Bush -Don't Give Up

誇り高きこの地にたくましく育った僕たち  常にみんなに必要とされてきた
勝つために戦えと教え込まれた僕が  よもやしくじろうとは思わなかった

もう闘うべき闘いも残ってないらしい  僕はあらゆる夢を失った
顔をかえ名前をかえたところで  誰も負け犬には見向きもしない

Don't Give Up あなたには友達がいる  あきらめないで
Don't Give Up まだ負けと決まったわけじゃない あきらめないで
Don't Give Up あなたなら 困難を乗り越えられるはず

そういう連中はたくさん見てきたが まさか自分がそうなるとは思わなかった
僕たちだけは大丈夫と信じて疑わなかった 運命とは皮肉なものだ

生まれ育った湖畔の家へと  夜の闇をついて車を飛ばした
やがて夜が明け僕は大地を見た 木々は根こそぎ焼き払われていた

Don't Give Up あなたにはまだ私たちがいる
Don't Give Up 高望みすることはない
Don't Give Up 生きていくのは容易いなことじゃない
Don't Give Up 安心して暮らせる場所が必ず何処かにあるから

ここを抜け出さなくてはもう耐えられない あの橋の上に立って足元を見つめよう
たとえ何が起ころうと何が終わろうと あの河は流れ続ける  あの河は流れ続ける

別の街へいってそこで落ち着こうとした でも職にあぶれた男はやまほどいる

誰にも望まれないたくさんの男達

Don't Give Up あなたにはまだ私たちがいる
Don't Give Up あなたはひとりじゃない
Don't Give Up 何も恥じることはない

Don't Give Up あなたにはまだ私たちがいる
Don't Give Up ここであきらめてはだめ
Don't Give Up 生きていくのは容易いなことじゃない
Don't Give Up 安心して暮らせる場所が必ず何処かにあるから

(Don't Give Up - Peter Gabriel 1986  訳詞 bibbly様)

先月末、税務署の人が事務所に来てから世の中不況、不況とボヤキ続けてきた。もう不貞腐れても仕方がない。今年の最後くらいは心温まるメッセージで終わろう、そう思ってピーター・ゲイブリエルの名曲、Don't Give Upをエントリーした。

カントリーゴスペルをベースにした二十数年も前の楽曲ながら全く色褪せない。ケイト・ブッシュと掛合うピーターのソウルフルなボーカル、トニー・レヴィンの神秘的なベースライン、リチャード・ティーのサビで被せるピアノアレンジ、すべてが完璧に素晴らしい。

大恐慌時代の米国である著名な報道写真家が中西部を撮影した写真集に収められていた一枚の女性のポートレートを見たことがこの楽曲のモチーフになった。英国の音楽雑誌NMEでピーターのインタビュー記事とそのポートレートを見たけれど、やるせなさそうな女性の表情を今でも鮮明に覚えている。

80年代初頭の英国はサッチャー政権による新自由主義政策のため貧富の格差が増大し、若者の失業が社会問題になっていた。近年の日本と同じ政治、社会情勢だ。職を失くして当所もなく街中で佇む若者の表情がポートレートの女性と重なって歌詞が生まれたとピーターは語っていた。

さて、先般、天皇誕生日で陛下が述べられた大御心を恐惶謹言させて今年を終わろう。

「世界的な金融危機に端を発して、現在多くの国々が深刻な経済危機に直面しており、我が国においても、経済の悪化に伴い多くの国民が困難な状況に置かれていることを案じています。」

「働きたい人々が働く機会を持ち得ないという事態に心が痛みます。これまで様々な苦難を克服してきた国民の英知を結集し、また、互いに絆を大切にして助け合うことにより、皆で、この度の困難を乗り越えることを切に願っています。」