水の門

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歌集『カインの祈り』

澤本佳歩歌集『カインの祈り』
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アドヴェント2012(3)愛…『魔法の夜』

2012年12月16日 04時38分12秒 | クリスマスに寄せて
 アドヴェント(待降節)も三週目になりました。教会では、3本目のアドヴェント・クランツ(ろうそく)に火が点されます。3本目のろうそくに込められている意味は、「愛」です。

 ★ 愛「神の愛がわたしたちの心に注がれているからです。」(ローマの信徒への手紙5章5節)
          *     *     *
 今日ご紹介する本は、ドミニク・マルシャン原作、アルブレヒト・リスラー絵による『魔法の夜』です。
 冷たい雪の降るクリスマスの夜、家の無い老人がとぼとぼと当てもなく歩いていました。その後ろから、白い小さな犬がついて行きました。老人は犬とパンを分け合い、古い小屋に駆け込みました。夜が更けて、急に犬が「僕は実は魔法使いなのです」と老人に語りかけました。「僕のような哀れなものに優しくしてくれたお礼に、あなたの願いを叶えてあげましょう」。老人は答えました。「わしは昔から犬の友達が欲しかったんだ」。魔法使いは長いこと黙っていましたが、やがて金色の星のついた首輪を外しました。魔法を捨てて、自分がこの老人の友達になるために…。

 ヨハネによる福音書に次のような聖句があります。「これらのことを話したのは、わたしの喜びがあなたがたの内にあり、あなたがたの喜びが満たされるためである。わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これがわたしの掟である。友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。」(ヨハネによる福音書15章11節~13節)魔法使いは、魔法の首輪を外して ただの犬となって、老人について行くことに決めました。これ以上の愛があったでしょうか。
 イエスは十字架につけられる前の晩、食事の席でペトロにこう言われました。「シモン、シモン、サタンはあなたがたを、小麦のようにふるいにかけることを神に願って聞き入れられた。しかし、わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい」(ルカによる福音書22章31~32節)。イエスはこれから受けるご自分の苦しみと死を前もってご存知でした。そのイエス様が、自分を裏切ることになる弟子の信仰のためにただ祈っただけでなく、彼が他の弟子たちを力づけるようになると、全幅の信頼の言葉をかけたのでした。
 イエス様は、確かに私達の罪のために死んで下さいました。しかし、それは「誇ろうとしてわが身を死に引き渡そうと」されたのではなく、ただ愛のゆえでした(コリントの信徒への手紙一13章3節)。

 今日ご紹介するクリスマス・アルバムは、デイヴィッド. T. ウォーカーの『Wear My Love』です。抑制の取れた渋いジャズで心から温まってください。
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