まつり
祈りは、基本的に1人で行うものだけれど、
祭りは、基本的に、地域の仲間や家族など、みんなで行うもの。
「まつり」には、
①待つ―神々の訪れを待つ
②奉る―供え物を奉る
③服ろう―大いなる存在と意思に従う
④真釣り―真の大いなる平衡・バランス・調和
の4つの意味があります。
祭りとは、神々と自然と人々との交歓によって、
大いなる循環と調和を導く民衆の知恵と生活技術。
魂の力をもって、平和と平安と幸福を招き入れるワザヲギ。
祭りは、何モノかの訪れを待つところから始まる。
それは、深く深く「耳をそばだてる」こと。
神々や自然や先祖の声に耳を傾け、
その場に到来するモノを待ち受ける。
そしてそこに到来した大いなるモノに、
心からの感謝の供え物を奉る。
大いなる存在の「声」に従い、讃え、
調和と美と喜びをもたらすこと、
それが、「まつり」。
それは、天地人の交響曲を奏でようとする協働演奏のいとなみ。
耳を澄ませてみよう。
かつて、先祖たちが行ってきた祭りの交響が、
大地の底から美しい調べとなって聴こえてくるよ。
(
鎌田東二、2005「神様たちと暮らす本」PHP研究所、〔6.まつり〕:pp.13-4.)