以下、足立守名古屋大学博物館長(当時)による「あとがき」(「名古屋大学野外観察園の生物」所収)より引用。
『…名古屋大学東山キャンパスは約70万㎡の面積をもち、八事層・唐山層と呼ばれる粘土層や礫層の上にアベマキや松を中心とする植生が特徴的な東山丘陵の一角を占めています。キャンパス内には八事層の粘土を松の薪で焼いて須恵器を製造した窯跡のほか、大学に寄付された建物、記念碑、記念樹などが点在しています。これらをキャンパスの自然史あるいは大学の歴史的要素と位置づけ、実験圃場や地下鉄名古屋大学駅近くに建設予定の博物館新館と有機的にリンクさせ、さらにキャンパス東部の雑木林の中に歩行者専用の“思索の道”なども設置して、東山キャンパス全体を一つの魅力ある空間(キャンパス・ミュージアム=campus museumと仮称)として整備できないかと考えています。こうした構想が実現すれば、実験圃場はキャンパス・ミュージアムの中核施設の一つになり、魅力的で個性あるキャンパスに一歩近づくことができると思います。』(同書 p.79)
『博物館では平成15年度から博物館専任教官による学芸員資格取得に必要な「博物館実習」を開講します。この「博物館実習」の一環として、また博物館の地域連携事業として行う地元の中学生や高校生向けの野外観察会などに、圃場を有効活用する計画が立てられています。こうした野外実習や観察会を企画するのは、自然離れや“モノ”離れの著しい若者への「自然や“モノ”を見て考えることができる教育」が急務と考えるからです。昨今はヴァーチャルばやりですが、本物にまさるヴァーチャルはごくまれです。若者の理科離れや自然離れが進んでいる時代だからこそ、人間の五感をフルに発揮させて、本物(“モノ”)から何かを感じとり感性を磨くという次世代教育がとくに大事になります。これまでの大学では欠けていた「自然や“モノ”を見て考える教育」を野外で行う場所の一つが実験圃場になると思います。…』(同書 pp.79-80)
注: 現在では、「実験圃場」は、名古屋大学博物館野外観察園として運営管理され、この4月から一般公開されているそうです。
『…名古屋大学東山キャンパスは約70万㎡の面積をもち、八事層・唐山層と呼ばれる粘土層や礫層の上にアベマキや松を中心とする植生が特徴的な東山丘陵の一角を占めています。キャンパス内には八事層の粘土を松の薪で焼いて須恵器を製造した窯跡のほか、大学に寄付された建物、記念碑、記念樹などが点在しています。これらをキャンパスの自然史あるいは大学の歴史的要素と位置づけ、実験圃場や地下鉄名古屋大学駅近くに建設予定の博物館新館と有機的にリンクさせ、さらにキャンパス東部の雑木林の中に歩行者専用の“思索の道”なども設置して、東山キャンパス全体を一つの魅力ある空間(キャンパス・ミュージアム=campus museumと仮称)として整備できないかと考えています。こうした構想が実現すれば、実験圃場はキャンパス・ミュージアムの中核施設の一つになり、魅力的で個性あるキャンパスに一歩近づくことができると思います。』(同書 p.79)
『博物館では平成15年度から博物館専任教官による学芸員資格取得に必要な「博物館実習」を開講します。この「博物館実習」の一環として、また博物館の地域連携事業として行う地元の中学生や高校生向けの野外観察会などに、圃場を有効活用する計画が立てられています。こうした野外実習や観察会を企画するのは、自然離れや“モノ”離れの著しい若者への「自然や“モノ”を見て考えることができる教育」が急務と考えるからです。昨今はヴァーチャルばやりですが、本物にまさるヴァーチャルはごくまれです。若者の理科離れや自然離れが進んでいる時代だからこそ、人間の五感をフルに発揮させて、本物(“モノ”)から何かを感じとり感性を磨くという次世代教育がとくに大事になります。これまでの大学では欠けていた「自然や“モノ”を見て考える教育」を野外で行う場所の一つが実験圃場になると思います。…』(同書 pp.79-80)
注: 現在では、「実験圃場」は、名古屋大学博物館野外観察園として運営管理され、この4月から一般公開されているそうです。