泪と共に生きていく

>呼吸し続けるって想いの外大変だ。

伍@今日

2004-10-16 18:47:18 | 考えたりしたこと

引きずられながら
今日も暗がりを歩いていました

今日あった事を思い出して
いろいろ忘れてなくしたなぁなんて
のんきにも考えていました

自分では真剣に考えてる訳じゃないと思っていました
でも
考えると突然不安になって

暗くて足元が見えないので
手探りで
忘れたものを見つけようとしました
不安と焦りがだんだんと
心臓に鉛をつけていきました

ふと
探すのを止めて前を向きました
全部すりガラスを通して見ているようでした
自分の泪のせいでした

こぼすまいこぼすまい
探そうとしていたものが濡れてしまうよ

必死で眼を見開きました
少しでも良く見えると思ってやったつもりでした
実は
泪を流さぬようにと思っていたのでした




ナガシテモカマワナイ


どこかから聞こえた気がしました
初めは気のせいだと思いました

アナタノサガシモノハヌレナイヨウニシテアゲル

そうしたらもう一度聞こえてきました

誰かいるの?

下だけじゃなく
もうあたりが全部真っ暗でした
次は声を手探りで探します


自分の目の前に
その人はいました

それが分かった途端
私は眼を閉じて良いと理解しました

手が震えます
頬を液体が通ります

恐る恐る眼を開けました
あたりは眩しい程に明るくて
探していたものは意外にも近くにありました

重大な事に気付いて
今まで探しものに向けられていた視線を
目の前に向けました



おとすまいおとすまい
目の前の人の心に鉛をつけぬように
なくすまいなくすまい
今度あたりが真っ暗になっても



絶対に終わりと始まりがある事
それが私の探したもので
まだ知っているだけで
見つけてはいないけれど
見つけようと思えば
見つける事が終わりなのだから

また視界がすりガラスみたいになっても
もう大丈夫だと

考えていたら何時の間にか
家の玄関の前に立っていました。