帰ってきた常時リソース不足

センセイ(べ・一文字)の日々是アキバ系ヲタ生活 あーかいぶ

悲しみの向こうへと 辿り着けるなら

2009-06-15 23:59:00 | 本と雑誌
先日査収したカオスアニメ大全(Amazon)をば。
 
表紙の娘に名はありません、多分
 
センセイは基本「映像モノを活字で解説」「現在のように動画がすぐ入手できない時代から、面白い語り口のフィルターを通して語られる歪みまくった物語」と言うものを読むのが結構好きで、「B級映画大全」の類なんぞは好物だったりします。そう言うある意味自虐的な、製作者の思惑とは別のベクトルで作品を楽しむスタンスの一冊丸々のアニメ本がようやく出たか、というのが店頭で見ての第一声。
最も本冊は目安として「2000年以後の深夜帯アニメを中心」としているらしく、センセイの大好物である80年代を特撮アニメ界隈で席巻したトラウマ脚本化コンビ、上原正三辻真先について触れられていないのは至極残念ではありますが、近年の作品について語っている様は逆に面白いのでじっくりと読んでしまいました。
表紙に並んでいる作品タイトルから予想できるように冨野御大河森監督についてはかなり語られていますが、白眉なのは「萌えの歴史を裏側から見たダークな年表の担い手」として萌えの二匹目のド(ryポストモダンクリエイターとして六月十三の名を上げている事。特に窪田正義名義で活動していた際の「センチ」について言及しているのは半可通では出来ない。若干のリスペクトとたっぷりの毒舌のバランスがなかなか読んでいて痛快でした。この時代を通過した人間にしか判らないだろうけど
また、トラウマ作品として「serial experiments lain」を上げ、脚本担当の小中千昭について触れているのはいい着眼点です。ただ「lain」9話で語られた「MJ-12」について触れるなら小中千昭が他に関わった作品、「ウルトラマンティガ」でグレイ型宇宙人を出したとか、TV版Hellsingでセト神を出したとか言うファンをひっくり返したトラウマも語って欲しかった。

続巻が出るんだったら、是非とも「風が吹くとき」をば。コレを反戦アニメとして小学校の上映会で見なけりゃいけないって正にトラウマだろう。
 
 
で。
もういっちょフラゲなモノを。
 
表紙が小学生でもいいんだよ!
 
ガガガ文庫の入賞作というその日彼は死なずにすむか? (Amazon)をば。

何は無くとも植田亮描く金髪少女は無敵!

あらすじ時点で「リプレイ」ものであるのがわかった上での絵師買いですが、作品の根幹を成すギミックも難しすぎずで想像以上にすんなり読めました。17歳の主人公が7年前の小学四年生時代に戻り表紙に描かれている金髪美少女と触れ合うと言うどんなドリームと言う内容ですが、キービジュアルを張っているソフィアが魅力的でねぇ。とりあえず植田亮描く金髪少女は無敵!
新人らしく粗があり、特にキャラ描写に分量を割いているにしては纏め切れていない感がバシバシと。特に惜しいのは三白眼と言う世にも珍しい属性を持った姉ヒロイン弥宵。依存気味になるって結構「読みたいっ!」と思わせるシチュなのに短めになっているのが残念。
 
まぁ、本編がダイジェスト風になっている分その合間合間の色々なイベント類は短編として雑誌のほうで発表ですね判ります。と瞬間的に思ったセンセイですが「あ。小学館からはラノベ関係誌出ていないんだった」と思い出し、こう言う短編が出ると言う発想そのものが既に年齢取ったラノベ読みだなぁ、と言うことに気がついて軽く愕然としてしまいました。
(本日はオチはありません)


コメントを投稿