fantasia*diapsida

とりとめのないメモの山

crash of the titans:

2010-04-28 00:00:00 | film・bilder++

『タイタンの戦い』"Crash of the Titans" (2010年, 米, ルイ・レテリエ:監督)  を観に行きました。

え~、もちろん知らぬ人はいないであろうかのレイ・ハリーハウゼン(Ray Harryhausen)の最後の作品、
『タイタンの戦い』"Crash of the Titans"(1981年, 米, デズモンド・デイヴィス:監督) のリメイク的位置にある作品ですが…

う~~~ん、正直イマイチ!

オリジナルと逐一比較するのは良い趣味とは思えないが、
3Dまで使っていながら、私が中学の時にたまたまTVで観たオリジナルの驚きと感動がこれっぽっちもないのはどういうわけだ?
メデューサ(昔の表記だとメドゥサ)が登場したとき、その造形美といい細かい動きのこだわり方といい、
一撃でハリーハウゼンに惚れたものだがなぁ。

以前古本屋で入手した、昔のパンフ。
  

今作のパンフ。
  

基本、内容はペルセウスの話です。
でも「アンドロメダとかカシオペイアってさ、アルゴスじゃなくってエチオピアの王家じゃん」とか、
「なんでゴルゴーンの血しぶきが飛んでいないのにペガサスがいるんだ?」みたいな、
野暮い話は取り敢えず置いておきませう。

一つは恐らく造型の問題かなぁと思うのだけれど…
というのも、CMなどでお馴染みなように、今回の『タイタン』にもオリジナル同様のクリーチャーが登場するが、
メデューサにせよ、カリボスにせよ、クラーケン{毎回思うが、Krakenって古ノルドでしょ?
つまりスカンディナヴィアなど北欧の伝承。近年の映画とかだとギリシア神話にカリブ海に至る所に現れるが…
半分クトゥルフっぽいのもいたりするし(笑)。ちなみに正当なギリシャ神話では、
ペルセウスが倒したのは、ポセイドンが遣わした海の怪獣。くじら座(Cetus)の逸話だ}にせよ、
なんか全然別の映画に出てきてもよさそうな姿なんだよね。
簡単に言うと、"ソフビにしても売れなさそう"な感じ。
グライアイは好きだけど。
あと、一応ブーボーがカメオ出演ですか(笑)。

まー脚本とか構成も然りですね。
もう30min伸ばしてもよかったから、
最初にもっと生活臭のあるシーンを挿入するとか…旅立つまでの描き方に丁寧さが欲しかった。
出てくるキャラクターがどれが誰か人格も分からぬまま出発されてもねぇ…。
風景描写が平板で、悪い意味で(ペターっとした)写真的なのも辟易した。
そういうの、『ライラの冒険』を思い出したよ。

それから、登場人物の行動に必然性が感じられない。
大きな目標を成すために個々人にとって"まず何が必要で、何をすべきか"がハッキリしないシーンが多い。
要は、ストーリーの表面だけなぞりました感がものすごく強い。

そんなわけで、これは元が好きなだけにちょっと残念だなぁ。

敢えて良いところを挙げると、
オリジナルでは驚くほどアッサリ片付いたクライマックスのクラーケン退治を、ちゃんと盛り上げたということか。

Clash of the Titans Trailer Full HD
 


Clash of the Titans Trailer (1981)
 


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