fantasia*diapsida

とりとめのないメモの山

wissenschaft:

2007-06-06 00:00:00 | biologie*

     科学的事実とは何か。
  我々の周囲には昔から今もなお、摩訶不思議な現象や、一見当然の事象と見えながらその実ヒトの頭では説明の付かないものが数多くある。過去より我々人類は、そうした理解不能な現象について、なんとか説明を付けんとしてきた。自然への畏怖や神秘性と強く相まって当初からそれらの多くは、宗教や魑魅魍魎などの信仰となって表れた。これはこれでたいへん魅力的で愛情すらも覚えるのではあるが、しかし「理解不能な現象」が人知を超えた「理解不能な原因」によって生じるとの考えは、それだけで我々人間の理論的思考を停止させてしまっているとの見方も出来る。古来よりギリシャにせよ中国にせよ、不可解現象に対するアプローチはもう一つあり、これは例えば、あらゆるものは元素(東洋で木、火、土、金、水、西洋で火、水、空気、土)より成るとするように、「理解不能な現象」をなんとかして「理解可能な原因」に置き換えようとする動きであった。現象の原因が理解可能ならば、当然「現象」は人の手による実験において明確に証明することが出来るはずである。この証明のプロセスとその結果が現代で言うところの「科学」と言えよう。そして証明より得られた成果を「科学的成果」と言い、それが常識として定着することによって「科学的事実」となる。<o:p></o:p>

  科学の発展は科学的成果の積み重ねの歴史だ。今現在、また今後行われる如何なる科学的思考も、全て先人たちが築き上げてきた科学的事実あってのものであるのは間違いない。アインシュタインがいかに物理に秀で、エジソンがどんなアイディアマンであっても、彼らが石器時代に生まれては相対性理論や白熱電球をいきなり作り出すのは不可能だろう。しかし科学的事実には間違いも付き物である。例えば前述の元素の概念もそうであるし、コペルニクスやガリレオ=ガリレイが天動説を否定した話も有名だ。物質の燃焼に酸素が係わっていると判明するまでは、往々にして燃焼する物体からフロギストン(燃素)が出ているとされていたし、それ以前は熱は目に見えない液体であった。このように過去、そして現在も多くの科学的成果、科学的事実が次々と否定されている。むしろ後々の世になっても否定されない科学的事実などごく僅かだと考えるべきだろう。科学の発展は科学的事実の否定の歴史とも取れるのである。とすれば、現在証明によって正しいとされている科学的事実も次々と覆っていって当然と考えるべきだ。明日には相対性理論がSFの産物になっているかもしれないし、非鳥類型恐竜類の生存が確認されるかもしれない。冥王星が惑星の座に返り咲く可能性もあれば、ショウジョウバエに新しい属が設けられることだって有り得るだろう。シュレディンガーの猫という話がある。50%の確率で毒ガスが発せられる箱の中に猫を入れたとき、箱の中の猫は理論上は50%生存50%死亡と捉えられるが、実際は100%生存、ないし100%死亡かのどちらかでしかないことを元々我々は知っている、といった具合のたとえ話だ。これについては様々な解釈が可能だが、どれほど巧くヒトの頭で理論付けても、我々がヒトの視野である以上絶対に明らかにならない真実もある、と読むことも出来よう。では果たして科学的探究、証明は意味のないものなのだろうか。<o:p></o:p>

  科学的成果や事実がどれほど否定されたところで、これらが無意味なものであることは決してない。あらゆる科学的思考は全て疑問より生じるからである。知れ渡った科学的事実が多くなればこそまた新たな疑問が湧いてくるもの、科学の発展は科学的成果の積み重ねの歴史なのである。だからと言え、科学的成果や事実は決して真実と反する「思い込み」ではない。研究者をはじめとして科学に携わる者が求めるのは常に真実であり、真実への探求心で物事を考えるからであるからだ。科学的成果と真実との距離は、遠近の変化を繰り返しながら、ひょっとすると永久に真実と重ならなくとも確実に核心に近づいていっているはずである。つまり、科学の世界においては如何なる探求も決して無駄にはならないとも言える。<o:p></o:p>

   「科学的成果」も、それによる「科学的事実」も、傍目には一時の自己満足のようにも映るかもしれないが、実際にはそれはヒトの一生の中で容易に用意される解答ではなく、恐らくは人類の歴史の中で延々と継がれる壮大な探求の一部なのだ。過去よりアリストテレスやニュートン、ダーウィンら数え切れないほどの偉人が語ってきた物語を、今我々が受け継いでいると考えることも出来るだろう。



         …なんかこのブログの趣旨ワケ分からなくなってきたな…

<ονλη ονε>


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