fantasia*diapsida

とりとめのないメモの山

inception:

2010-07-29 00:00:00 | film・bilder++

『インセプション』"Inception" (2010年, 米, クリストファー・ノーラン:監督)  を観に行きました。

あの『ダークナイト』という一大傑作を撮りやがったノーラン先生、またやってくれましたよ!
いや、またやってくれたっつーか、『ダークナイト』があんなに評価されヒットしたんで、
お上も現金なものでノーラン君には甘くなっちゃて、
普通だとインディーズか単館系でやってそうなノーラン君の個人趣味ネタを豪勢に大作映画として作っちゃったぜ☆って感じ(笑)。

そしてこのオッサンの趣味とかセンスは俺好みだなぁ~。
なんだかウィリアム・ギブスンかフィリップ・K・ディックみたいな話だった。
要するに人の夢の中に入り込んでイメージを植え付けたり盗んだりするピカレスク・ロマンなんだが、
夢の中に夢があり、その中にまた夢があり…と夢が入れ子構造になっていて且つ全てで時間の流れるスピードが一致しないというのが面白い。
現実での5minが夢の第一階層で1hour、第二階層では20hr...のように、意識の深部へと潜り込むにつれ潜在意識が顕在化し、
時間が限りなく引き伸ばされる。
んでその無茶な時間軸を全部同時並行でやっちゃう
。しかも単純に"誰か個人の夢に潜る"というよりは、より正確には1人のターゲットを定めて、その人間の夢を全員で共有するといった構造なので、
第一階層と第二階層とでは同じ人間の夢で有る必然性はない。
元々こういうのあんまり好きじゃない人の中には、全然付いていけない人もいるだろうなー。
もう馬鹿です、これ作った人たち(笑)。
だって脚本読んだディカプリオ君とか渡辺謙サマが「なんだこりゃ分かんねぇ」って言ってたんだし。
ともかく、詳しい内容には触れない方がいいのかな。

あと、みんな書いているけれど、ところどころ日本語訳が気になった。
limboは"虚無"じゃないだろ。概念は説明しづらいけれど。
あと"アイディアを盗む/植え付ける"というが、英語の"idea"とニホンゴ片仮名の"アイディア"はニュアンスが大分違うから、
(前者はプラトン哲学の"イデア"に発した言葉で、後者は"閃き/思いつき"のような意味が強い)ここも少し混乱する。
とにかく台詞の1つ、映像の隅にまで一瞬も気を抜けない作品なので、この辺が曖昧になってしまうと残念だなぁ…。

ともかく、渡辺謙さんカッコいいってことで☆ああいう風に年をとりたいなぁ。
ディカプリオもいい役者になったし。
バットマンシリーズでスケアクロウなんてセコい役やってた(笑)キリアン・マーフィも大活躍だし。
『JUNO』のエレン・ペイジが演じていた設計士の名前がアリアドネ(Ariadne, Ἀριάδνη)なのは夢の迷宮に対してベタなネーミングだが、
ストーリーが難解なので、役回りが分かりやすくていいよね。
ちなみに、劇中で合図に何度も使われていた、エディット・ピアフの「水に流して」。
実はこの曲が結構ミソらしいという噂が・・・
ひとつには、劇中何度も緊迫した場面で使用されるテーマが、実はこの曲を超スローにして使用したものだという話も?
だとしたらやるな、ハンス・ジマー。

ラスト、あの終わり方はどうなんだろう。
「やっぱりそういう感じで来たか!」とニヤけていたんだが、貴方はアレ、どっちだと思います?


ああ面白かった。久しぶりにもう一回観に行きたくなる作品です。

'Inception' Trailer 2 HD


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