本日は、池田秀一さんが始めて本を書かれた「シャアへの鎮魂歌」です。
この本は、池田さんの「子役時代」から、「海外ドラマ吹替」、「シャアとの出会い」、「ガンダム仲間」のこと、「Zガンダム」、「亡くなった方たち」、そして最近の「新たな若い世代」や、演技を通しての「モノを作る」ことについて語られています。
「路傍の石」や「次郎物語」などの子役時代の話から始まり、生放送のドラマの話や石原裕次郎さんとの思い出話もなかなか面白かったです。あの石原裕次郎と「秀先生」と「裕先生」の間柄だったとはこの本で初めて知りました。「ルーツ」という海外ドラマについても少し触れられています。私は未見なのですが、この作品は当時流行っていたと記憶しています。「クンタ・キンテ!」と言いながら走り回っている子供時代の方も居たという話を聞いたことがあります。あと、「ダイターン3」でのアニメアテレコ初体験。池田さんは「疲労感と倦怠感を味わった」とありますが、最近見ましたがそれほど違和感は無かったのではと。未見の方はゼヒ見ていただいて池田さんの驚きを一緒に味わってみるのもいかがでしょう。
そして、「シャア」との出会い。なんとなく伝え聞いてはいたものの、活字となって丁寧に書かれている文章を読むとまた違った趣もあり、池田さんのシャアに出会ったときの新鮮な気持ち、それからの共に長い道のりを歩む戦友について熱く語られています。シャアが始めてテレビ画面に出てくるシーンで足元からカメラが顔に向けて寄っていくシーンがカッコ良いと感じたと書かれていますが、私も大好きなシーンです。ここでは、セリフを記載して当時の感覚を思い出して演技の説明など、細かいところの解釈を交えて語られていますが、なかなか興味深いですし、最近DVD-BOXも買ってしまったので(汗)、また見ながら読み比べながら鑑賞したいと思っています。
そういえば、永井一郎さんとのドレンとの会話が好きだったことを思い出しました。二人の絶妙な関係と会話のセンスが当時の頃から大人の会話がカッコイイなあと思っていましたし、池田さんも「アニメキャラを演じるのに不慣れな自分に、経験豊富な永井さんがいて有難いことだった」と書かれています。
また、「モノを作るということ」という章で、これからの若い人たちへの声優という仕事のアドバイスを少しされています。「モノづくり」という言葉が57歳という年齢を感じさせてくれていますが、やはりこの世代のこだわりと、後世に伝えたいという気持ちが感じられて良い作品を作りたいという気持ちがひしひしと感じました。私もたまに漫画や小説の原作を読んでから声優のセリフを聞くと、息継ぎやイントネーション、語尾など個々の解釈が違うことを感じることがあるので、同じセリフでも言い方によって随分意味が変わってくるなあと思ったこともあるので、興味深く読ませていただきました。
まだまだ書き足りませんが、優しく丁寧に語られる文体で池田さんの誠実な人柄が感じられて暖かい気持ちになりました。興味のある方はゼヒ読んでみてはいかがでしょうか。ああ・・。サイン会行っておけば良かったと激しく後悔デス。
ちなみに、インタビュー記事は
こちら。