2019年6月7日 弁理士試験 代々木塾 商24条の4 解説
(商標権の移転に係る混同防止表示請求)第二十四条の四
商標権が移転された結果、同一の商品若しくは役務について使用をする類似の登録商標又は類似の商品若しくは役務について使用をする同一若しくは類似の登録商標に係る商標権が異なつた商標権者に属することとなつた場合において、その一の登録商標に係る商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の指定商品又は指定役務についての登録商標の使用により他の登録商標に係る商標権者又は専用使用権者の業務上の利益(当該他の登録商標の使用をしている指定商品又は指定役務に係るものに限る。)が害されるおそれのあるときは、当該他の登録商標に係る商標権者又は専用使用権者は、当該一の登録商標に係る商標権者、専用使用権者又は通常使用権者に対し、当該使用について、その者の業務に係る商品又は役務と自己の業務に係る商品又は役務との混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを請求することができる。
〔解説〕
(1)商標権の移転の態様としては、甲が自己の商標権(指定商品a、b(aとbは類似)、登録商標イ)のうち指定商品aに係る商標権のみを乙に移転した場合と、甲が自己の商標権A(指定商品a、登録商標イ)と自己の商標権B(指定商品b(aとbは類似)、登録商標イ)のうち、商標権Aのみを乙に移転した場合がある。
(2)一方の商標権者、専用使用権者、通常使用権者が指定商品又は指定役務について登録商標の使用をした場合(25条)に適用される。
(3)他方の商標権者又は専用使用権者の業務上の利益が害されるおそれがあるときに適用される。
(4)業務上の利益は、他方の商標権者等が登録商標を指定商品又は指定役務に使用している範囲に限定される(かっこ書)。
(5)業務上の利益が害されるおそれがあるときとは、業務上の利益が害される具体的危険性があれば足りる。例えば、売上げの減少、得意先の喪失、業務上の信用や名声の毀損、登録商標の出所や品質、質の表示機能の毀損等についての具体的危険性があれば足りる。
(6)請求人には、通常使用権者は含まれない。独占排他的に使用できる者に限定されているからである。
(7)混同を防ぐのに適当な表示とは、一般需要者が取引上の通常の注意力をもって区別し得る程度のものであればよい。例えば、自己が業務を行っている地域の地名等を付して需要者の注意を促し得るもの等が挙げられる。
(商標権の移転に係る混同防止表示請求)第二十四条の四
商標権が移転された結果、同一の商品若しくは役務について使用をする類似の登録商標又は類似の商品若しくは役務について使用をする同一若しくは類似の登録商標に係る商標権が異なつた商標権者に属することとなつた場合において、その一の登録商標に係る商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の指定商品又は指定役務についての登録商標の使用により他の登録商標に係る商標権者又は専用使用権者の業務上の利益(当該他の登録商標の使用をしている指定商品又は指定役務に係るものに限る。)が害されるおそれのあるときは、当該他の登録商標に係る商標権者又は専用使用権者は、当該一の登録商標に係る商標権者、専用使用権者又は通常使用権者に対し、当該使用について、その者の業務に係る商品又は役務と自己の業務に係る商品又は役務との混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを請求することができる。
〔解説〕
(1)商標権の移転の態様としては、甲が自己の商標権(指定商品a、b(aとbは類似)、登録商標イ)のうち指定商品aに係る商標権のみを乙に移転した場合と、甲が自己の商標権A(指定商品a、登録商標イ)と自己の商標権B(指定商品b(aとbは類似)、登録商標イ)のうち、商標権Aのみを乙に移転した場合がある。
(2)一方の商標権者、専用使用権者、通常使用権者が指定商品又は指定役務について登録商標の使用をした場合(25条)に適用される。
(3)他方の商標権者又は専用使用権者の業務上の利益が害されるおそれがあるときに適用される。
(4)業務上の利益は、他方の商標権者等が登録商標を指定商品又は指定役務に使用している範囲に限定される(かっこ書)。
(5)業務上の利益が害されるおそれがあるときとは、業務上の利益が害される具体的危険性があれば足りる。例えば、売上げの減少、得意先の喪失、業務上の信用や名声の毀損、登録商標の出所や品質、質の表示機能の毀損等についての具体的危険性があれば足りる。
(6)請求人には、通常使用権者は含まれない。独占排他的に使用できる者に限定されているからである。
(7)混同を防ぐのに適当な表示とは、一般需要者が取引上の通常の注意力をもって区別し得る程度のものであればよい。例えば、自己が業務を行っている地域の地名等を付して需要者の注意を促し得るもの等が挙げられる。