音訳ボランティア養成講座の受講途中の身ではあるのだが、現役音訳者の
集まる勉強会に参加しませんかと誘ってくれる人がいた。
行きます、ぜひ行きたい! と参加した。
特別講師を招いての、かなり具体的な勉強会だった。あらかじめ本を読む人
を何人か決めておき、その読み方を教材にして講師がアドバイスするという
進行。
この日のポイントは「声の高低」だった。音訳の肝は、内容(情報)を聞き手
にしっかり伝えることだから、聞き手がその内容をつかまえやすいように読む
ことが何より大切というところからスタート。
大事なところや、しっかり伝えたい単語は声のピッチを
高くして読む。特に、耳になじまないことばは短く高く。
長い文は、意味の塊ごとに一瞬の間を入れながら読む。
ひたすら文字を追わない。
どの読み手も、私の耳にはきちんとしっかり読めていると思えたが、先生は
容赦なくダメ出しをしていく。そうして読み直した音訳は、別物のように
分かり易く聞けるようになっていくから、さらに驚く。
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しばしば先生が言及されたのは「自分の感情や感性を押しつけてはいけない」
ということだった。読み手は、つい自分の感情で読む。たとえば、
そのころ日本は長い長い戦争をしていました。
読み手が無意識にでも「長い長い」の部分にウンザリ感を出してしまったと
したら、それは読み手の感情を押しつけていることになるのですよ、という
先生の言葉には、会場から「はぁ~」というため息がこぼれた。
先生はこうもおっしゃる。
「読み手の感性を押しつけてくる読みはいやがられます。
特に小説は、聞き手が自分の感性で読みたいのです。
本好きの人ほど、そういうものですし、電子音声の方が
まだいいと言った人もいるくらいですから」
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すごい勉強会だった。きつかったけど、ストンと腑に落ちる学習をしたと思う。








