弁護女子。~越谷の女性弁護士の日々~

越谷市の弁護士(離婚・親権・面会交流・養育費・財産分与・不貞問題等を主に扱っております)の生井澤葵の日々を綴ります。

不貞の主張に対しての反論を、カンタンな言葉で説明すると・・・。

2017-08-16 | 【不貞問題について】
「あなた、私の配偶者と不貞をしましたね」

このように請求を受けた場合に、

当然ながら、こちら側の言い分を言うことになります。

今日は、請求を受けた側の立場で、

典型的な反論について、少し書いてみたいと思います。



「ええ???既婚者だったの???」

既婚者と知っていたら、恋愛関係にはならなかったのに・・・という気持ちですよね。

昨今、異性との出会い方は様々です。

ネット経由や街コンなど、正確なプロフィールが分かりづらい出会いも存在します。

一方で、友人の紹介や、近所の顔見知り・・・となりますと、

「既婚者と分かっていたよね?」と言い返される可能性がありそうです。



「いや!!!そもそもHなことをしていないです!!!」

何もなければ濡れ衣です。

濡れ衣の種類もいくつかあって、

本当の不貞相手は他にいるのに、

自分と勘違いをされたというケースもあり得ます(人違い)。

体を触ったとしても、医療行為や治療行為の場合もあり得ます(行為違い)。

あとは、妄想・小説ですということもあります(次元違い)。


ただし、苦しい言い訳に見えてしまうこともあるのでご注意を。

マンションの玄関で抱き合っていたでしょ!という写真を出されて、

「これは、・・・ダンスを踊っていただけです!」という反論が、

あまりしっくりこないよね・・・という例を挙げておきます。


「そもそも、仮面夫婦だって聞いていました!!!」

これは、法律家が破綻の抗弁というものです。

夫婦関係が既に壊れていたのであれば、

その後で不貞関係があっても、何も壊していないでしょう?という理屈です。

ただし、

実際に様々な裁判に携わってきた弁護士からしますと、

夫婦関係が壊れていた・・・と認められること、そのものがかなり難しいです。

また、

夫婦関係が本当は壊れていなかったとしても、

夫婦関係が壊れていたと信じてやむなかったよね!・・・と認められることも、なかなか難しいです。


妻がいるのに不貞をした夫(夫がいるのに不貞をした妻)が、

不貞相手に、「うちはもう仮面夫婦で、後は離婚届けを出すだけだから!」と、

なんとも言えない状況説明をすることは、珍しくないと思います。

(交際したいという情熱から、色々言ってしまう心理もあるかもしれません)

ただ、不貞相手としては(不貞相手と言われないようにするためには)、

きちんとリスクを察知・チェックすることが、裁判上は期待されている印象です。

鵜呑みにしてしまうのは、リスクがあります。



弁護士としては、

「不貞をしたんでしょ」という先入観を持つのではなく、

「どのような反論があるのか」

「どうして不貞と言われる事態になったのか」など、

取り落とすことがないよう、

丹念にうかがわなくてはなりません




こばと法律事務所
弁護士  生井澤 葵(なまいざわ あおい)

【プロフィール】
弁護士 ・ 中央大学法科大学院実務講師 ・ JADP認定夫婦カウンセラー
【夫婦の問題】・【男女の問題】を得意分野にしており、
その分野の問題を多く取り扱っています(その他、借金の問題等も取り扱っております)。

これまで150名以上の方からの、夫婦の問題や、男女の問題のご相談をいただいております。
分かりやすい言葉で、丁寧に説明することが得意で、弁護士に相談することのハードルを下げるために情報を発信しています。       
法律相談・講演依頼等、お仕事のご依頼は、こばと法律事務所にご連絡ください。




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