戦後まもなく来日した大物音楽家 オイストラッフとハイフェッツ

Jascha Heifetz plays Brahms Hungarian Dance #7

・・・ハイフェッツが弾くブラームス「ハンガリア舞曲」第７番

Mendelssohn Auf den Fl�・geln des Gesanges David Oistrakh, violin 歌の翼に オイストラフ

・・・オイストラッフが弾くメンデルスゾーン「歌の翼に」


☆　ハイフェッツは関東大震災の２か月後、見渡すばかり廃墟の中でチャリティーコンサートを開き、多額の義援金を東京都に贈った。
　　そして聴衆との心の交流も書いた。
終戦後、１９５４年、来日する。


　　一方、ロシアに残ったオイストラッフだが、「鉄のカーテン」の向こうから大騒ぎの中を来日。ハイフェッツの来日の翌年だった。
　　ホールは宝塚の少女歌劇、これも今のホールでなく、戦争で焼け残ったもの。
　　オイストラッフはストラディバリをソ連から与えられていた「人民芸術家」であり「レーニン賞受賞者」であった。
　　作家井上靖はそのころの大騒ぎを短編小説「黒い蝶」に書いている。今は絶版と思うが・・・。
　　その小説に出てくる・・・実際には来日までの日本の大騒ぎの様子を書いていて、演奏そのものは書いていない。
　　小説ではオイストラッフでなくソロビヨフという名前のヴァイオリニストになっているが、それがオイストラッフというのもバレバレ。

　　オイストラッフは戦争中、前線で演奏会を開いていたまぎれもなく愛国者であった。
　　空襲警報の中を彼の美しいヴァイオリンの音は、人々を安堵させた。

　　しかしその後、オイストラッフは「粛清」の横行に怯える日々であった。
　　家のドアを叩く音をおそれるようになる。
　　また演奏家でありながらモスクワ音楽院で指導をするようにいわれ、食事も座って食べたことがないほど多忙になる。
　　まじめなオイストラッフは過労で倒れる・・・。

　　ハイフェッツ、オイストラッフ、またその後のスターンも、ロシアではないか。
　　オイストラッフはとどまった。ピアニストのリヒテルも、チェロのロストロポーヴィチも・・・。
　　この３人は実生活は悲惨なものであった。KGBは必ず演奏会にピタッとついてきていた。

オイストラッフのヴァイオリン、リヒテルのピアノで最高のブラームス「ヴァイオリン・ソナタ３番」終楽章をどうぞ。
これはすごい演奏です。聴衆も感動の大拍手です。
この曲はハイフェッツが学生に指導していた曲ですね。
最も素晴らしいヴァイオリン・ソナタの名曲です。
使用しているヴァイオリンはストラディバリです。
David Oistrakh Richter Brahms 3rd, IV