




今年最後(たぶん)の公開となるイタリア映画のご紹介です。
公開前に書くか、公開してから書くかを悩みましたが、ブログで紹介することで、早めに情報を知っていただけるきっかけになるかと思ったので、アップすることにしました。
■映画:シチリア!シチリア!(原題/BAARI`A)
■監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
■音楽:エンニオ・モリコーネ
■出演:フランチェスコ・シャンナ/マルガレット・マデ/アンヘラ・モリーナ/リナ・サストリ/サルヴォ・フィカッラ/モニカ・ベルッチ他
■製作年:2009年/2時間31分
映画『シチリア!シチリア!』公式ホームページ
12月18日(土曜日)より以下の劇場で公開
【東京都】
角川シネマ新宿/シネスイッチ銀座/シネマシティ/CINEMA・TWO
【神奈川県】
チネチッタ
【愛知県】
センチュリーシネマ
【大阪府】
梅田ガーデンシネマ

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【あらすじ】パンフレットより抜粋
※ たぶんネタバレにはならないと思いますが、
内容を知りたくない方は、上記記載の
公開情報だけご覧下さい
1930年代、シチリアの田舎町で羊飼いの息子として生まれたペッピーノは、活気に溢れた少年時代を送っていた。家が貧しいために、まだ小学生のうちから牧場や農園へ出稼ぎに行かされたこともあったが、家族の絆は強く、兄弟達とともに逞しく育つ。
やがて時代は戦争へと突入、様々な体制の下で、大人たちが右往左往する様子を見ながら成長したペッピーノは、政治の世界に足を踏み入れることで、自らの正義を貫くことを決意する。また同時に、運命的な出会いともいえる一人の女性と激しい恋に落ち、困難を乗り越えながらも愛する人と新たな人生の一歩を踏み出す。
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さて、観終わった瞬間に最初に感じた感想は、
「ふぇっ?????、またまた『イタリア映画=難解』ってイメージがついちゃうぅぅぅぅぅぅ~」
って感じでした。
実際すごく難しい映画でした。
この映画は、まさにシチリア出身のトルナトーレ監督の自伝的な映画で、出身地のバゲリーア(原題のBaariaはバゲリーアが訛ったもの)を舞台に、自らもCGIL(イタリア労働総同盟)の党員であった彼が、共産党から政治の世界へと傾倒していく主人公と重ね合わせていく様子が伺われます。
しかしながら、今でも、私がこの映画から受け取ったメッセージは監督が本当に伝えたかったことなのかそれとも私の思い込みなのかも判断がつきませんし、メターフォラ(隠喩)として取り上げられている、割れた卵や黒い蛇と言ったモチーフが何を伝えたかったのか未だによく解りません。
映画の最後まで、主人公に感情移入できなかったことも、冗長だと感じた要因の一つかもしれません。
もう一つは、シーンとシーンのつなぎがほとんど暗転で、ぶつ切りって感じなんです。
例えば、子供が走る、とにかく走る。その走る先には何があるのか・・・と観客の期待を煽っておいて、全然違うシーンになる。
戦争が始まり、自由に歌を歌ったりダンスをすることも出来ないほど、町は戦時下の緊張に晒され、ペッピーノとともに牛乳を売りに来ていた男が、軍人を小馬鹿にしたことでどこかに連れ去られるシーンがあったかと思うと、次は全く違うシーンになり、あの男は一体どうなったのかとか・・・
一つは私の知識不足も多く影響しています。
正直私は、社会主義と共産主義の明確な区別さえわかりませんし、また例えば、映画の中である食料品店がファシストたちから嫌がらせを受け、店を荒らされるシーンがあるんですが、あとで映画のパンフレットを読むと、それは、バゲリーア出身の詩人、イニャツィオ・ブッティッタが実際に体験した話を元に描かれているのだとのこと。
イタリア人がこの映画を観た場合、そういう、一つ一つのエピソードや、バックに流れる音楽、壁に張られたポスターなどによっていつの時代のどんな出来事なのかがわかるんだと思ういます。
つまり、私達が昭和をテーマにした映画やドラマを観たとき、そうそう、昔はこんなファッションが流行ってたのよとか、こんな車がカッコよかったとか、そういう風に思うのと同じで、その時代を直接知らない人であったとしても、イタリア人ならば郷愁として感じることがあると思うのですが、逆にそういう知識を持たない、私を含めた一般的な日本人が見た場合、社会的な出来事をが単なる断片的な挿話にしか感じられず、それが映画の随所に現れるので、どれが本筋なのかと混乱するのでしょう。
とにかく3代に渡る家族の歴史(約80年間を)映画にしているわけですから、仕方ないにせよ、一つ一つのシーンが消化不良でその意味を追いかけようとすると、どんどんわけが解らなくなってしまうんです。
だから、観終わった瞬間は、結局何が言いたかったのか? 主人公は何がしたかったのか?そういうこととが頭の中で整理できず、
なんじゃこりゃーーーー。
って思ってしまったざます。

でもね、実はこの映画を見てからもう一ヶ月以上にはなるんですけれど、フラッシュバックみたいに様々なシーンが思い出されるんですよ。
なんだろう、深層心理に働きかける映画っていうんでしょうか。
メーデーの集会に、共産党員たちが胸に黒いボタンを一つだけつけて無言で行進するシーンや、シロッコが吹きすさぶ灼熱の夏の昼下がり、家具を全部動かして、子供達と冷たい床に横たわるシーン、米軍の落下傘部隊が残したパラシュートの布を使って、子供達が揃いの真っ白の服を仕立ててもらうシーンなど、まるで一枚の美しい絵画のよう蘇ってくるのです。
映画の感想については、観た直後と、またしばらくたってからの印象が変わってくるものですよね。
観た直後は、頭で理解しようとする余り、情報の多さに悲鳴を上げてしまいましたが、上質な料理を食べた後にはいつまでもその味の記憶が蘇るように、幾度と無く、浮かび上がる美しいシーンの数々は、一つの記憶となり、心に静かに降り注ぎます。
とにかく、観てよかったと思える作品ですので、是非皆様にオススメしたいと思います。
あっ、でもね最後に苦言を一言・・・
キャストの中に、モニカ・ベルッチって書いてあるんですが、これがもーーーーーほんと、なんだろ、友情出演っていうのかーーー、それともお色気サービスショットかってな役。
モニカさん、あなたはトルナトーレの愛人ですか?
って思いましたよ。きっとトルナトーレにとっての、ディーバ(女神)って言うか、理想の女なんだろうけれど、よくまぁこんな役柄のこんな撮影に応じましたね。って感じです。
まっそれもオタノシミの一つですので、是非どんな役で登場するのか探してみてくださいね~。
12月18日土曜日より梅田ガーデンシネマで公開です。
ニューシネマなどを見たさいには、鼻でフンっと笑って
泣くどころか、シラけて見ていた人ですので。。。。
私はモニカの寝転んでも、横に流れない、あの立派なオッパイが
羨ましくてなりません
この映画は、「観に行こう観に行こう」としつこい夫をダマくらかして(!)結局観に行かなかった映画です。ついついこういうテーマは敬遠しがちな私です~。
イタリアって、キリスト教と相反する共産主義ってものが副テーマとして底辺に流れる映画が多く感じます。そのお陰で、取り敢えずな~んとなくですが、いろいろ見えてきましたけど(あ、私なりにです)。
嫌いではないですが、ココロして掛からなければ!と気負いがちになるので、中々こういう映画は気軽に観に行こうという気になれないのがホントのところでございます^^;
絶対さかな様のダンナ様には超オススメな映画。
って言うかイタリア人じゃないと解らない映画じゃないかと。
たとえば私は、ナンニ・モレッティでは『息子の部屋』が一番好きなんですが(って言うか他はあんまり好きじゃない)でもイタリア人の間では、『息子の部屋』はわりと不評で『赤いシュート』とか『親愛なる日記』のほうがメッセージがちゃんと伝わってくるっていう意見を良く聞きます。
フェリーニに関しても同様ですねぇ~。
その意味では、このトルナトーレの作品はフェリーニに近い感じがします。
映画通のための映画って感じです。
是非ご覧になったらまた感想をお聞かせ下さいね。
モニカ・ベルッチのおっぱいに関しては同感です。
でも今回映画初出演のマルガレット・マデのスタイルもすごいですよーーー。
>この映画は、「観に行こう観に行こう」とし
>つこい夫をダマくらかして(!)結局観に行
>かなかった映画です。
ぷーさまなら絶対ダンナ様とともにご覧になっている映画だと思ってました。
>イタリアって、キリスト教と相反する共産主
>義ってものが副テーマとして底辺に流れる映
>画が多く感じます。そのお陰で、取り敢えず
>な~んとなくですが、いろいろ見えてきまし
>たけど(あ、私なりにです)。
やっぱり数を見なきゃダメですねぇーーー。
って言うかイタリア映画って何回か繰り返し見なくちゃ解らない話が多くないですか?
ハリウッド映画みたいに、
チャンチャンバラバラ勝ちました。
愛する人を救ってよかったねーーー。
チューーー
みたいなのって殆どないし、まっそのほうが私の好みだけれど、下手にストーリーを追ってみちゃうと、
『へっ?何それ?』
みたいなことになっちゃいます。
この映画もまた公開してから劇場に観にいくつもりです。
コメントをありがとうございました。
「ニュー・シネマ・パラダイス」と比べると
なんじゃこりゃ~!の部分が確かにあるかも^_^;
戦後(古いですね)のネオ・リアリスモの部分も
あったりして、懐かしさと新しさが混じった映画でした。
追伸 すいません。トラックバックのやり方がわか らないのです
早々のご訪問ありがとうございました。
とのさまのような映画通の方には本当に見ごたえのある映画だったと思います。
私も別に退屈だったとかそういうわけではないのですが、最初の子供のシーンで躓いたと言うか、あれは誰?とか、下手に意味を考えすぎちゃって・・・。
次見るときは、たぶん登場人物が頭の中で整理できていますし、もっとシチリアの景色とか、子供たちの表情とか、そういうものを楽しみながら見たいと思います。
ワタシも、社会主義と共産主義の違い、
あまり分からないまま観ていました。
でも、最後の家族のシーンは結局伝えたかった
のは、コレか。と思いながら観ました。笑
それにしても長い映画でした。ラストの数分なかなか良かったんですが中盤はよく分からなくて正直だれてしまいました。
>でも、最後の家族のシーンは結局伝えたかっ
>たのは、コレか。と思いながら観ました。笑
イタリアの家族愛の強さっていうのはもう『当たり前』って言うか『お約束』っていうか、それが南となれば余計なので、もしそれだけだとしたら余りにもフツーな気がして・・・
トルナトーレが暴漢に襲われて、怪我をしてから作った作品だってことですから、一瞬ぼけたのかも思いましたよ。(笑)
なんか単なる、子供の頃の思い出話って感じでしたね。
ブログへのコメントありがとうございます。
もし今後HNをお使いの場合は事前にメールでお知らせいただければ覚えますよ~
>えーっモニカ・ベルッチが出ていたんです
>か?(って今ごろ何を言ってるんだ!)さっ
>ぱり気付きませんでした・・自分の注意力の
>無さに悄然。
いやいや、絶対気がつきませんって・・・
私もパンフレットを見て、あれかぁーーーーーって叫んだくらいですから。
小学生が学校の向かいの工事中のビルの窓で『励んでいるカップル』を見つけ、先生も一緒になって無言で見るシーン覚えてます?
あの時、レンガ職人と乳繰り合ってたのがモニカ・ベルッチです。
正直ポルノ女優がやる役でしょ。
なんで彼女があの役を引き受けたのかどうしても謎です。
>それにしても長い映画でした。ラストの数分
>なかなか良かったんですが中盤はよく分から
>なくて正直だれてしまいました。
ですねぇ~。
長い映画って言うのは他にもいくらでもありますが、なんだろ、どの話もなんか中途半端な感じでしたね。
だいたいあの主人公の男がどうやって生活費をン捻出しているのかさえあんまりよく解らなかったですよね。
出稼ぎ職人みたいでしたけれど、党員であるということと、労働することとの兼ね合いがわかりませんでした。
なんか今までの映画の寄せ集めみたいな感じもしないでもないですねぇ~。