ぽよ熊さんのテレビ観戦記

活字好きはどうぞ!「昭和後期」(新命名)にTVと蜜月期を送った元女の子(笑)で、かつてのバブル世代が死語満載で送ります

相棒V 第4話 せんみつ

2006年11月03日 | 相棒V
せんみつ、って聞くとつい、せんだみつおや、あんみつを連想して、お腹がすいてしまうあたし(せんだみつおの方じゃなくて!)。
しかし、今回の相棒は、うーん・・・実のところ、つまらなかった。
相棒ファンじゃなきゃ、見るの途中でやめるぞ、っていうか、たぶん見ないぞ、って思った。
脚本は確か、戸田山雅司とかいう人・・・?
うーん・・・戸田山を出せー!(暴れるあたし)。

残念ですが、前回が星5つのうち、4.5かそれ以上だとしたら、今回はあたしにとっては、星2つ。
水谷豊さんのいつもの熱演(今回は怪演と言うべきか)がなければ、星1つのところ。

あたしは、知能犯的な嘘つきの話がわりと好き。
といって、あたし自身に謎解きができるわけでもなんでもないが、そんなあたしですら、今回は先が読めた。
「せんみつ」(千に三つぐらいしか真実を言わない)と呼ばれる男なら、その嘘がばれた時、「これからはもう、せんぜろ(千のうち真実はゼロ)でいくぞ」と言うのは、ちょっとミエてた。
「じゃあ、今言ったそれも嘘ですね」と、それを受けて右京さんが言うのも、お約束のオチだ。
嘘つき噺の初歩的なレトリックだもの。
それとも、こういうベタなのわかってて、わざとやったの?

「せんみつ」が嘘つきの天才だというなら、いかに彼が鮮やかな嘘をつくか、もっと見せてくれなきゃつまらない。
その場で機転を利かして、思いつきの嘘をつくのが上手というなら、あれしきの例じゃ物足りない。
でも、いろんな例を出すには、一時間枠のドラマでは、時間が足らないんでしょう。
だとしたら、最初から、こうした設定はテレビに向かなかったんじゃないかな。

嘘っていうのは、基本的に言葉遊び、レトリックだもの。
活字でやるのが、ほんとは一番生きると思う。
テレビだと複雑なものはなかなか表せない。視聴者がついていけないから。
字面で確認できる活字と違って、テレビは全部耳で聞き取らせなければならないハンディがある。
しかも一回きりの勝負。

でも・・・だからといって、今回みたいに単純すぎる話にされたら、「あらら」って思っちゃう。
視聴者はみんな、テレビでしかミステリーを見たことがないってわけじゃないから。
ミステリー本で入り組んだ論理を楽しんだりすることもあるし。
だから、レトリックを使った話なのに、本とあまり落差のあるものを見せられると鼻白んじゃう。

なんか、「せんみつ」って設定を持ってきて、宝石強奪事件とこそ泥の話をつなげて、味つけしようとしたんだろうけど、このフリンジの部分、むしろなかった方がよかったんじゃないかな。それか、もっと別のアレンジにするか。
ワインの樽ごとに個人オーナーを募り、五年後に開封するという制度を利用して、そこに宝石を隠すという話はなかなか面白いんだから。

つまり、結局この平田満演じる「せんみつ」男が、大した嘘つきじゃないんなら、「せんみつ」だなんて大げさなタイトルをつけて、どんなひどい嘘つきなんだろう、って期待させないでほしかった。
でないと、看板に偽りあり、ってことにならないか。
そうすると、嘘つきの「せんみつ」は実は、今回の「相棒」ってことになっちゃう。
そういうオチなの?
まさか。

嘘つきの天才は、無駄な行動をしない、っていう前提もよくわからなかった。
だって・・・そうだろうか?
無駄な行動をしないなら、点と点を線を結べばいいだけで、簡単。
つまり、行動は真っ正直ということ(あら、亀ちゃんみたい)。
嘘つきのふりしてても、単に抜けてるだけで、天才とはほど遠いような気がする。

それに全部計算してる、っていうなら、平田満は、なぜ強奪犯人の仲間殺しを目撃したのに気づかれてしまうようなドジを踏むのか。
しかも、わざわざ都合よく免許証を落として、奴らに拾われたりして。
そして、右京さんたちのトリックに簡単にひっかかって、なぜ、わざと置き忘れた携帯を使って電話してしまうのか。

嘘はつくけどせっかち、とか間が抜けた男、とかそういう性格設定にするなら、それもわかるけど。
ほんとはさびれた故郷に温泉を掘るため、盗みをしてるんだ、っていう「実はいい人」っぽいエピソードを持ってきてたけど、それもなんか全体としっくり来なかった。
というのは、結局、この平田満演じた男の人間像が、あたしにはよく見えてこなかったからだ。
「せんみつ」とか、宝石強奪とか、ワイン樽売りとか、別荘侵入とか、温泉掘りの話だとか、いろいろ持ってきたのはいいけど、どうもご都合的にしかつながってなくて、ちぐはぐな感が抜けなかった。

とはいっても、やはり特筆すべきは水谷豊の演技だった。
平田満を尋問する時の、右京さんのあの人相の悪さ。
容疑者の肩に顔を寄せ、至近距離に近づくことで、画面上に生まれる圧迫感。
そうした物理的な嫌悪感を、さらに心理的な嫌悪感にすげかえていく。
容疑者にとって、刑事とはどういう存在か――刑事のいやらしさと鋭さがよく伝わってくる。

ほんとに水谷豊は、どう見せるか知ってる。
テレビの中の短い時間、少ないカットで、刑事というのが、本当はどういう人種であるか、ありありと表現したって感じ。

ホームドラマ的刑事ばかり見ているとわからなくなってしまうけど、刑事とは実は、犯罪者と同類。合い通じるものがあるはず、とあたしは思っている。
犯罪者の心の中を読み、犯罪者の行動を推測する。
つまり、刑事として優秀であればあるほど、犯罪者のように考える能力が高いという人たちなのだ。
そうでなければ、本来、犯罪捜査などできないはず。
違いは、犯罪者は法のあっち側にいて、刑事はこっち側にいるということだけ。

水沢豊は今回そんな、「骨の髄まで刑事である」右京さんの一面を見事に表現していたと思う。
本質的に言えば、右京さんは稀代の悪党・犯罪者にもなれる人なのだから。
そういう人が、法のこっち側にいるということはありがたい限り。
でも、実はほんとうに得体の知れない人物なのだ。
だから、内村刑事部長が彼を毛嫌いし、目の敵にするのは、至極当然のことのようにあたしには思える。

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2 コメント

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こんにちは (傷だらけの天使)
2006-11-03 17:06:39
またおじゃましました(笑)
う~ん今回は(いつも?)いろいろ評価別れるますね。

ただやっぱり自分も一番の見せ場は取り調べ室でのやりとりかなと思います。
あのセリフはそれほど重要ではなくて、
水谷豊と平田満の顔の表情だとかの
芝居の部分が大きい作品だったかなという感想です。

温泉の話は自分もよけいかな~と思うのですが、
三浦さんにこのドラマでなんか意味づけするためには
必要だったんですかね。

けっこう毎回見ている人には隠れ三浦ファンがいるみたいですし(笑)
三浦さんの絡みを良かったという人も多いですから。

この辺はやはり単発ではなくシリーズとしての面白さを狙ってでしょうね。
いつかはスピンドルができるくらいに、いろいろなキャラが多いですからね。

良くても悪くてもまたこれで来週が楽しみになるのが相棒です。
傷だらけの天使さんへ (beginners)
2006-11-05 00:49:21
どうも、いらっしゃいませ!
そうですね、みなさん、見方はいろいろみたいですね。
でも、みんながみんな、意見が一致!なんてことがあったら、逆に気持ち悪いし。
まあ今回わたしの場合、とにかくもっとウソをつき倒してほしかった、ということで・・・(笑)。

作り物ってみんなウソな訳なんですけど、出来るだけうまいウソをついてほしいんですー。
(作り物のウソが、好きなんです)。

三浦刑事が突然、右京さんに頼みごとをするのも(唐突すぎますがな・・・って、わたしはついツッコミたくなるんですが)、おっしゃる通り、シリーズを通じてのファン・サービスということもあるんでしょうね。

わたし的には、三浦刑事も、「実はいい人」じゃなく、もっと「イジワル」であってほしいんですがね。
(イジワルな人も好きなんです。あっ、現実じゃなくて、フィクションの世界の登場人物のみですが)。

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