恋染紅葉

映画のこと、本のこと、日々の些細なことを綴ります。

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「翔ぶ少女」原田マハ

2014-03-25 | 本(た~は行の作家)
阪神淡路大震災のその朝、3人の兄妹は両親を失った。
子どもたちを助け、養子として彼らを引き取ったのが、ゼロ先生と呼ばれる心療内科医だった。
過酷な現実を背負いながらも健気に前を向いて育っていく子どもたちと、ゼロ先生とのお話。

東日本大震災からの完全復興もままならない今、あえて神戸を舞台に震災からその後を描いてます。

冒頭から、震災の恐怖の生々しさや、吐き出し場のない悲しみ、辛さ、苦しさなどで、何度も涙ぐみそうになります。
そんな中で、いつも強く笑っていようと努める少女の姿には勇気を貰える。
タイトルにもある「翔ぶ」は、物理的な捕らえ方でなく、気持ちとして見たなら納得がいく。
一番大切な人を思うとき、「翔んでいきたい」気持ちに溢れるのだ。

「君のいた日々」藤野千夜

2014-03-22 | 本(た~は行の作家)
あれ? 
この前に読んだ「鏡の花」と同じような設定ではないか。


50歳を迎える夫婦のお話。
妻に先立たれた夫は、在りし日の妻のことを思い出しては泣き暮らす。
高校生の一人息子に「ウザイ」と言われながらも、妻はまだ側にいるような気持ちは変わらない。

・・・と、
章が変わって、
今度は突然夫を亡くした妻の話になる。

夫、妻の側から、
それぞれ最愛の人を亡くしてからどう日常を生きていくかが描かれている。

どちらかというと、妻が残ったほうが気丈なようだ。


実際、高齢で、(何も出来ない)夫のほうが残った場合、
三年もたない例が多いとか・・・

「鏡の花」道尾秀介

2014-03-21 | 本(ま~わ行の作家)
もしも今の人生で「~たら」という選択肢が生まれたら・・・

そんなパラレルワールド的な発想の物語。

1章から読んでいき、この物語の設定状況が分かった所で次に行くと・・・

あれ?

脳内にインプットされた設定とは違っていることに気づく。

どれが本当の物語でどれが「~たら」の世界なのか?

そして、「どの場合」が一番ベストなのか?


最後の章ではなんとなく繋がっていて、これが皆のベストなのか・・・?


とにかく、面白かったです。

「ペテロの葬列」宮部みゆき

2014-03-16 | 本(ま~わ行の作家)
杉村三郎シリーズ、第3弾! 拳銃を持った老人によるバス ジャックという事件に巻き込まれた杉村は、いつしか巨大な悪の渦の中に!

ドラマ化されたときも見ていたので、登場人物は皆そのイメージで読みました。

ただ、今回のは最後は少し辛いというか、厳しい展開でした。
こうなってしまうのはとても寂しい。

超長編で読了するのに1週間かかりましたが、その中で書き留めた箇所は:

・・・
それを私は我慢して諦めているのだと思ってきた。実は我慢でも諦めでもなく、私はただ楽な方を選んだだけだった。そのくせ、自分の我慢と諦念に、なにがしかの対価があってもいいじゃないかと、無意識に思ってきたのだ。
それが、甘えの正体だ。


今の心にちょっとグサッと突きつけられたかな。

「首折り男のための協奏曲」伊坂幸太郎

2014-03-16 | 本(あ~さ行の作家)
「首折り男」を中心に様々な人物が登場し物語を紡ぐ。

話があっち行ったりこっち来たりでフクザツな連作短編集ですが、
テンポのよさで読みきってしまう小気味よさは、
何気ない言葉の中に、ふむふむと肯ける箇所あり、
さすが伊坂さんだなと思います。