恋染紅葉

映画のこと、本のこと、日々の些細なことを綴ります。

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「だから荒野」桐野夏生

2013-12-24 | 本(あ~さ行の作家)
自分の誕生日に家出した専業主婦の冒険物語。

夫と息子二人の家族、うちと同じだと思いながら読み始めました。
しかし、ここの家族はなんと憎たらしい(笑)
もう少し思いやりってものをもてないのか、
こんな夫捨ててやれと。
息子というものは、どんなに憎まれ口たたこうが特別枠。
母親にとって息子は夫とは同列にはなりません。
家出した主人公にエールを送りながら読み進めていきましたが、
途中、彼女の詰めの甘さに「あ~あ」
でも、性格なのか鈍感なのか、意外にたくましく新しい環境に順応していきます。
そして最後に辿り着く本当の家族。
けっして、すべて丸々OKではありませんが、
誕生日の夜のことを思えば、少しはいい方向に変われたかな・・・です。
一部、不完全燃焼な人間関係もありましたが、まあ順当に読み終えました。

トガニ

2013-12-13 | 映画(た~は行のタイトル)
ずっと観たかった「トガニ」、
WOWOWで録画しておいたものをやっと観ることが出来ました。

苦い映画でした。
なんとも言えないモヤモヤ感が残りました。
大人ってあんなにずるいのか。
最後に亡くなった男の子の祖母の選択はしょうがないといえばしょうがないが、
その選択をせざるを得ない環境のままであるのは
男の子の親がだめなのか、社会がだめなのか。
映画では何も変わらない実態が描かれましたが、
この映画の公開によって問題の学園は閉鎖、法律も変わったとか。
民意が動かないと社会を変えることは出来ないのね。

「手の中の天秤」桂望実

2013-12-03 | 本(あ~さ行の作家)
裁判で執行猶予がついた判決が出たときに、被害者や遺族が望めば、加害者の反省具合をチェックし、刑務所に入れるかどうかを決定できる制度「執行猶予被害者・遺族預かり制度」が出来た。かつて、その制度の担当係官をし、今は大学の講師として教壇に立つ井川が学生たちに当時の経験談を語る。

こういう制度があったらどうだろう?
加害者のその後の様子を知ったところで、失ったものは帰ってこないし、それで気が晴れるのだろうか?
本文中で何度も出てくるように、「人それぞれ」が本当のところだろう。
何があっても、前に進むしかない。それが時間というもの。

井川が語る事例は重いものがあるが、若き日の井川と先輩チャランとの関係はほっこり温かいものがある。とくにラストは微笑ましい。
新卒で入った職場での人間関係が晩年まで続くって、幸せな出会いだったんだなあと。