恋染紅葉

映画のこと、本のこと、日々の些細なことを綴ります。

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セレステ∞ジェシー(2012年アメリカ)

2013-06-21 | 映画(あ~さ行のタイトル)
学生時代から付き合い、そのまま結婚したセレステとジェシーは、誰もがうらやむ理想的なカップルだった。仕事をバリバリこなすセレステは、ちゃんとした仕事のないジェシーとは今のままではだめだと別居することにする。とはいってもお隣同士だし、そこらの夫婦より息が合う相性ピッタリの二人。永遠の親友と豪語する二人だが、あるとき、二人の間に溝ができ、ジェシーには別の彼女ができる。そうなって初めて、セレステはジェシーの存在の大きさに気がつくが……。


居心地のいい相手なのになぜ別れてしまうのか。
ちょっとした選択の過ちで、セレステは大きな後悔をしてしまう。
それを乗り越えるまでに、今まで見せてこなかった無様な自分を見せるセレステ。

セレステは、ジェシーに対して母性を持ちすぎて、いつも自分が正しい位置にいて、その位置まで彼も持ってこさせようとしていた。
でもそれは違った。
彼女から見れば正しくないことだとしても、相手には相手なりの理由があってのことだと、それを認めていなかった。
例えばそればカフェやコンビニでの列でもそう。

やがて、いろんな失敗でいろんなことを学び、やっと新しい明日に向かっていけるようになったセレステ。

人生なんて後悔ばかりだけど、後戻りできないならそこからがんばるしかない。
・・ということを気づけばいいか。


それにしても、居心地のいい相手のはずなのになぜそれだけじゃだめなんだろうね。


余談だけど、このセレステ役の女優さん、クインシー・ジョーンズの娘さんだそうですが、私の友達によく似ています。教えてやろうかしら。








「あん」ドリアン助川(ポプラ社)

2013-06-19 | 本(た~は行の作家)


前科者の千太朗が雇われ店長をしている「どら春」、どら焼きの小さな店だ。
すでに人生を諦めている千太朗は、毎日借金を返すためだけにどら焼きを作り続けている。
そんな「どら春」に一人のおばあさんが働きたいとやってくる。
最初は断る千太朗でしたが、彼女が作った「あん」の美味しさに、雇うことにします。
それからどや焼きの味が変わり、店も繁盛しはじめます。
ところが、彼女のまつわるある噂が耳に入り・・・。


最初は、無気力な千太朗が、このおばあさんによって生まれ変わる・・・という温かいヒューマンドラマかなと思いながら読んでいました。
ところが、このおばあさんが患っていた病気がハンセン病であったことから、病気によって過去にどれだけの差別があり、現在も知識のなさから少なからず偏見があるということが、まるでドキュメンタリーを見るように学ばされます。
昔、映画「砂の器」で初めてそんな「差別」のあった病気なんだと知りました。

彼女は、少女のときに発病し、それからすぐに隔離された施設に入れられ、一生をそこで過ごさければならない運命となりました。
やっと法改正され、外の世界に出ていけるようになって、それでやってきた「どら春」

「人が生まれてきたのは、世のため人のために役立つため」
今までいろんな小説で、これと似たような言葉をひろってきました。
でも、人はそれだけじゃなく、この世界は、私たちが観るため、聞くためにある。月や、花や、木や、それらは私たちが観て初めて輝く。だから、自分がなりたいものになれずとも、この世に生まれてきた意味はある・・・。
そんなふうな文章に出会い、私まで目からウロコがおちたような気持ちになりました。

大きなきっかけはなくとも、足元の小さな気づきで、人は少しずつ変われるんだと。

静かな風のそよぐ音とか、ハラハラ散る桜の花びらを感じられ、読後、心が穏やかになるお話でした。

「箱入り息子の恋」市井昌秀・今野早苗(ポプラ文庫)

2013-06-05 | 本(あ~さ行の作家)
市役所に勤める天雫健太郎・35歳独身。両親と同居。趣味ゲーム。ペットはカエル。
息子のために代理見合いに参加した両親は、その場では不甲斐ない結果のまま帰宅するが、後日、ある女性との見合い話をゲットする。その女性・菜穂子さんはとても可憐で清楚なお嬢さんだった。
やがて、健太郎は菜穂子さんと恋におちるが、二人の行く手には様々な障害が待ち受けていた・・・。


映画館での予告でこの作品を知りました。
原作があると知って読んでみました。
とてもピュアでおもしろおかしく、ちょっと箸休めに読みたいお話です。
恋に勇気が出て、心がやさしくなる、温かい作品だと思います。

「いちばん長い夜に」乃南アサ(新潮社)

2013-06-05 | 本(た~は行の作家)
NHKドラマ「いつか陽のあたる場所で」の原作。
本書は、前科持ちの女性二人を描く連作短篇シリーズの完結篇。

ドラマにはなかった出来事(東日本大震災)を盛り込んでます。
前の2作は未読なのですが、ドラマに登場してくる人たちのプロフィールとは随分変わっているように思えます。
でも、ドラマはドラマでとてもよかったです。

ただ、このシリーズを最初から読んでいたらなと後悔しました。
完結篇だけでしたが、作者の実体験をもとに書かれた「あの長い夜のこと」は本当にリアルでしたし、その後の主人公たちの心の動きなども深く残りました。
機会があれば1作目、2作目と読みたいです。



くちづけ(2013年日本)

2013-06-05 | 映画(あ~さ行のタイトル)
知的障害のため、心は7歳児のままの女性マコは、元人気漫画家の父親いっぽんに連れられ、知的障害者の自立支援グループホーム「ひまわり荘」にやってくる。無邪気で陽気な住人たちに囲まれ、のびのびと日々を送るマコは、そこで出会った男性うーやんにも心を開いていく。ようやく見つけた理想の場所で娘が幸せになれば、いっぽんも漫画家として復帰できるかと思われたが、やがてひまわり荘の一同に厳しい運命がふりかかる。

劇作家で俳優の宅間孝行が主催し、2012年をもって解散した劇団「東京セレソンデラックス」の名作舞台を、堤幸彦監督、マコちゃん役に貫地谷しほり、いっぽんに竹中直人で映画化。


笑いあり、涙あり、そしてきれいごとではなく実際にもしも自分が親の立場だったらと考えさせられる作品でした。
健常者とそうでない側の間に、頭では自分はそんな考えはないと思っていても、どうしても多少の溝を作ってしまうのが人間だと思います。
どうやって接していいのか困るとか。
でも、色メガネで見ないで普通にコミュニケーションを取る努力をすることは大切なことです。
ただ、ひとりひとりが心を改めていったとしても、社会の制度そのものが変わっていかないと、誰もが平等で暮らしやすい世の中にはなりません。
その制度を確立するためには、結局のところ人の手と心です。
介護だって同じで、残された人の生活が保障される社会となるよう、全ての人が意識を変えていかないといけませんね。