鬼神の秘密

'05~'06オセロ世界チャンピオン 為則英司のブログです。

WOC2005予選編(第7R終盤)

2006-06-21 21:49:08 | WOC2005
30手目でリー選手はB3に打ちました。黒の私は31手目で満を持してH5の余裕手を放出し、大優勢を確信しました。32で白A6でもC8でも、33はH6に打つつもりでした。

F5D6C3D3C4F4F6G5E6D7E3E7G3C5B6F3G4E2F2H3C6C2C7B5D2C1D1F1E1B3
/ A B C D E F G H
1++○●●○++
2++○●○●++
3+◇○○○○●○
4++○●○○○+
5+○○○○○○+
6+●○●○○++
7++●○○+++
8++++++++
次、黒番(31手目)

ここで、リー選手は最後の粘りを見せます。32手目でH4に当てて、33で黒にH2と右辺を取らせた後、34でG2にX打ちの勝負手を放ちます。35手目は第一感でもA3でした。私の構想は、H1の隅を取って白にG1に割り込ませた後、B2にX打ちして2筋の石を根こそぎ黒石に変えて確定石を稼ぎたいと考えました。そのためには、2筋の白石をそのままにした状態で、ブラックラインを切る必要がありました。

/ A B C D E F G H
1++○●●○++
2++○○○○◇●
3+○○○○○○●
4++○●○○○●
5+○○○○○○●
6+●○●○○++
7++●○○+++
8++++++++
次、黒番(35手目)

35手目A3の後、36B4 37A6 38C8 39A4 40A5の進行で下記の局面を迎えました。黒が最も簡明に勝ちきる手順を見つけてください。

/ A B C D E F G H
1++○●●○++
2++○○○○○●
3●●○●●●●●
4●○●●○○○●
5◇○○○○○○●
6●○○●○○++
7++○○○+++
8++○+++++
次、黒番(41手目)

私が選んだ手順は当初の構想通りです。41手目でH1の隅を取り、42G1の後、43でB2にX打ちして2筋を根元(G2)から黒石に変えました。そして、44手目A1 45B1 46A2の後、47手目でB7にX打ちすることで、ブラックラインが黒の通しになるので勝負が決まりました。

黒勝勢
/ A B C D E F G H
1○●●●●○○●
2○●●●●●●●
3○●○●●●○●
4○●○○●○○●
5○●○●○○○●
6●●●●○○++
7+◆○○○+++
8++○+++++
次、白番(48手目)

試合の結果は47-17で黒の私が大勝しました。難敵リーに快勝した私は、予選1日目を7戦全勝で終えることが出来ました。しかも、既にベン・シーリー、宮岡七段、リー等の強敵に当たっていましたので、気分的には随分楽でした。

しかし、予選1日目の夜と2日目の早朝は、対戦が予想されるマティアス・ベルグ、タクジ等の研究に明け暮れたのでした。