教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

ザクのパイプを考える

2009-05-31 00:02:29 | オタネタ全般
ガンダムに登場するあまりにも有名なモビルスーツ・ザク。

ザクにはパイプが張りめぐらされている。
このパイプはいったい何物だろうか?
ちょいとこれを考えてみたい。

ガンダムの世界では、モビルスーツの動力は核融合炉となっている。
たとえば原発と同じようなものだと考えると、核融合で水を沸騰させて、蒸気圧でタービンの羽を回して、直結した発電機で電気のエネルギーに変えるというしくみだという推測が立つ。

仮にモビルスーツの関節の駆動がモーターだったとしよう。
もちろんモーターは電気で動く。
この場合について、エネルギーの流れをはじめから見てみよう。

質量→圧力→回転→電気→回転→関節

なんだか妙に経路が多い。
経路が多いということは、変換損失が発生しやすいということだ。
変換損失が多いということは、燃費が悪いということでもある。
原発の質量→電気までの効率は30%くらいだと言われているのでこれと同じだとし、モーターの効率が85%, 減速機の効率が90%だとすると、トータルでは23%しかない。
1Wつかうのに3.35Wは捨てている換算になる。
とってもムダだ。

ところが!

これだけではない。
原発を見てみるといい。
原発では、発生させた蒸気を冷やすのにめちゃくちゃ大量の水を使う。
宇宙空間では水がないどころか、空気もない。
輻射によって冷やすしかない。
水冷にくらべたら輻射によって冷える分なんて、ほんのわずかなものだ。
だから変換損失が多いということは、冷却構造に苦しむということだ。

ザクのなかでいちばん温度に対する耐久性が低い部品は搭乗員だ。
しかも搭乗員の耐熱性を高めるのはムリである。
どうしても冷やせなければ、出力を下げるか巨大な放熱羽をつけるしかない。
どちらにしても兵器としての性能は大きく低下する。

ではどうすれば?

ひとつの解法として、電気を介さないということが挙げられる。
関節の動力を油圧にするということだ。
そうするとエネルギーの流れはこうなる。

質量→圧力→関節

経路が減った。
変換効率はかなり改善したに違いあるまい。
これなら放熱に苦しむ度合いがだいぶ軽減したのではなかろうか。
だからザクのパイプは油圧が通っているのだろう。

それに、油圧ならば部品点数が少ないので壊れにくく修理しやすいだろう。
ザクのような量産前提の兵器にはもってこいだ。

もちろん油圧で動かすのではなく電気で動かすことにもメリットがある。

油圧動力では、条件に応じていろんなやりかたで制御するように作るのが難しい。
しかし電気ならば、コンピュータにつないでやれば少々複雑でもどうにでも制御できる。

これは自動車でもそうだ。
たとえば今まではパワステなどいろんな動力は油圧で動いていた。
それに対し、もっと複雑な制御をして性能改善したいという技術的要求があり、だんだん電動に変わってきている。
それと同じようなものだ。
(パワステの専門家のダチがいるので、あまり細かいこと書くとボロが出そうだからこれくらいにしとく)

いろんな技術的問題がクリアできるならば、本来ならば電動のほうが望ましいかもしれない。

ザクより後の世代であるガンダムは電動の可能性もある。
だからガンダムにはパイプがないのかも。
ザクとは違うのだよ、ザクとは。

ついでに言うと、ガンダムの関節ってハーモニックドライブ(※1)なのかなー、とか勝手に妄想しているがどうだろう(笑)。



【※1 ハーモニックドライブ】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96
↑こんなやつ。

http://www.hds.co.jp/
↑このハーモニック・ドライブ・システムズ(証券コード:6324)という会社の製品が有名。
ちなみにわたしは1株もっている。