カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

二作

2010-11-26 06:24:14 | Weblog
 朝、昨日が40回目の憂国忌だったことを唐突に思い出したので、しばらく私の偏愛する二つの作品のことをぼんやり思い返していました。そもそも、これまで氏の全作品に目を通してそれらを幾度も読み返すほどの熱心な信奉者ではありませんでしたし、実際、氏の作品中の有名なごくごく何作かを手に取ってきただけですが、この二作だけはどういうわけだか私の中で格別に印象深いのです。

 その二作とは、小説『英霊の聲』と戯曲『朱雀家の滅亡』です。


『英霊の聲 オリジナル版』(河出文庫)
http://www.amazon.co.jp/%E8%8B%B1%E9%9C%8A%E3%81%AE%E8%81%B2-%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%8A%E3%83%AB%E7%89%88-%E6%B2%B3%E5%87%BA%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%B8%89%E5%B3%B6-%E7%94%B1%E7%B4%80%E5%A4%AB/dp/4309407714/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1290746415&sr=8-1


『サド侯爵夫人・朱雀家の滅亡』(河出文庫)
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B5%E3%83%89%E4%BE%AF%E7%88%B5%E5%A4%AB%E4%BA%BA-%E6%9C%B1%E9%9B%80%E5%AE%B6%E3%81%AE%E6%BB%85%E4%BA%A1-%E6%B2%B3%E5%87%BA%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%B8%89%E5%B3%B6-%E7%94%B1%E7%B4%80%E5%A4%AB/dp/4309407722/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1290748485&sr=1-1


『英霊の聲』は不思議な石笛の音色の場面に惹かれて。


『朱雀家の滅亡』は有名な最後の部分に惹かれて。

璃津子:一番先に滅びるべきであったあなたが、まだそうして生き永らえていらっしゃるのは、何故?
経隆:………。
璃津子:滅びなさい。滅びなさい!今すぐこの場で滅びておしまいなさい。
経隆:(ゆっくり顔をあげ、璃津子を注視する。――間。)どうして私が滅びることができる。夙(と)うのむかしに滅んでいる私が。
(『朱雀家の滅亡』より)


 これらの場面にいつの日か音楽を付けてみたいです。


 ひとつの夢です。
コメント
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