カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

埴谷氏の「死霊」構想メモ発見

2007-10-03 09:52:04 | Weblog
 新聞記事からメモです。。。

 興味深いです。

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埴谷雄高氏の「死霊(しれい)」の構想メモ見つかる
(2007年10月02日21時11分朝日新聞記事)

画像:新しく見つかった「死霊」の構想メモ=2日午後、横浜市中区の神奈川近代文学館で

 戦後文学の代表作の一つ、作家埴谷雄高(1909~97)の大長編小説「死霊(しれい)」の構想メモが見つかった。神奈川近代文学館が2日、発表した。30年代後半に書かれたものと推定され、戦後に発表された小説とは異なる設定・人物造形がみられる。戦後の思想界にも大きな影響を与えた哲学小説の生々しい原形を示す貴重な資料だ。
 構想メモは、今年6月に遺族から同文学館に寄贈された資料の中から見つかった。B5判~A4判大の紙片30ページにわたり、主題、人物造形、四つの場面のスケッチなどが記されている。
 埴谷は32年に治安維持法違反容疑で豊多摩刑務所に収監され、獄中で「死霊」を着想した。今回のメモは33年に出獄して数年以内に書かれたものとみられる。
 「主題」と題したメモからは、当初から哲学と文学とを融合した作品を構想していたことがわかる。一方、人物造形メモからは、当初は主役の設定が異なり、主人公と活動家の2人がメーンだった。活動家がのちに実兄と異母兄とに分裂していったことがうかがえる。
 また、主人公の婚約者はエキセントリックな女性とされ、活動家と「強姦(ごうかん)」について語る場面の草稿も見つかったが、こうした場面は小説には出てこない。
 解析した鹿島徹・早大教授は「当初は労組活動を主要な舞台とし、死体の描写や性の問題も含むわいざつな要素もあったが、それがのちに観念小説に純化されていったことがわかる」と語る。
 構想メモは、6日から11月25日まで同文学館で開催される「無限大の宇宙――埴谷雄高『死霊』展」で展示される。また今月6日発売の文芸誌「群像」11月号に構想メモ全文と解題が掲載される。

 〈死霊〉
 4人の兄弟を中心に、人間存在や宇宙、無限大などについて哲学的な思弁が繰りひろげられ、「自分が自分であるとは何か」を追究した観念小説。46年から49年にかけて4章まで発表されたが、病気などのために中断。75年に5章が発表された時は「文学的事件」として反響を呼んだ。15章の構想もあったが95年に発表した9章で作者は「了」と記した。

http://www.asahi.com/culture/update/1002/TKY200710020509.html

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神奈川近代文学館・「無限大の宇宙――埴谷雄高『死霊』展」
http://www.kanabun.or.jp/te0158.html

 作家、評論家・埴谷雄高(はにや・ゆたか 1909~1997)は、小説「死霊(しれい)」を敗戦直後から87歳で亡くなるまで深化させ続けました。哲学、科学、神学などの境界を自在に飛び越え、自由な思索を積み重ねることによって無限の精神世界の構築をめざした「死霊」は、発表されるたびに同時代の人々の魂を揺さぶり、私小説中心の日本近代文学のなかで比類のない魅力を放ち続けています。
 当館では生前の埴谷から寄贈された「欧州紀行」などの原稿に加えて、ご遺族から2001年以降、「死霊」の原稿、創作メモ類、埴谷あて書簡など約13,000点を受贈しました。本展は埴谷の没後10年を記念し、これらの資料を基に壮大な思索者・埴谷雄高の足跡を「死霊」を中心に紹介する初の文学展です。

◇会  期
2007年(平成19年)10月6日(土)~11月25日(日)
休館日は月曜日(10/8は開館)
◇開館時間
午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
◇会  場
神奈川近代文学館展示室
◇観 覧 料
一般600円(400円)、20歳未満及び学生300円(200円)
高校生以下、65歳以上は入場無料
*(  )内は20名以上の団体料金
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