ボルネオ通信

特定非営利活動法人 ボルネオ保全トラスト・ジャパンのカジュアルなブログ。熱帯雨林やパーム油や生物多様性保全のはなし

"ボルネオへの恩返しプロジェクト" が再始動

2017-01-27 | プロジェクト
BCTJが手がけているプロジェクトは複数ありますが、2017年はそのなかでも「ボルネオへの恩返しプロジェクト」が前進しそうです。

ボルネオへの恩返しプロジェクトでは2014年にボルネオゾウの保護・飼育を目的とした施設をつくり、現地に寄贈しました。現地から支援の相談が来てから構想数年、支援金5000万円を活用して実現まで5年を要したその施設は当初「野生生物レスキューセンター」として、今では現地で「ボルネオ・エレファント・サンクチュアリ」の一角を占める施設として稼働しています。

その後は運営を見守りながら、いつでも協力できるように機会を伺っていたところ、ここにきて機が熟したようです。寄贈した頃から現地の状況も変化し、BCTJとして新たに支援を行う必要性を感じてきました。

BCTJ理事で旭山動物園園長を務める坂東元氏を中心に前回も活躍いただいた企業の方も再集結し、新しいプランを元にああでもないこうでもないと意見を交わしています。現在、現地の担当者とのミーティングを重ねて丁寧に説明し、現地の要望を汲み取りながら微調整し、ゾウの保護環境をより改善する方向で話をまとめているところです。

半年後までには結果を出したいと思っています。




新年明けましておめでとうございます。

2017-01-04 | 動物のこと
明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

ブログの更新頻度があまりにも少なくてこれでは「ボルネオ "通信"」とはとても言えない、と猛省。もう少しだけ頻度を挙げるようにしたいと思います。

2017年はとても悲しいニュースから始まりました。BCTJが活動するボルネオ島サバ州で、象牙を目的にゾウが2頭殺されたとのこと。

こちらがその報道です。

このゾウはボルネオゾウにしてはキバが長く、しかも普通とは逆の方向に反って生えているため珍しかったというのも狙われた原因かもしれません。

ボルネオゾウはアフリカゾウと違ってキバも小さいし森の中を移動するため追いかけにくく、密猟により大幅に数が減っているということはありませんでした。今回の事件をきっかけに密猟が増えるということも現実的には考えにくいです。

それでも、こういうことが起きてしまった以上現地では対策を講じなければなりません。すでに大臣がサバ州野生生物局に対して指示を出しているとのこと。サバ州野生生物局とは普段からよく一緒に仕事をしますが、ただでさえ人も予算もないのにきちんとした対応ができるのか心配です。

野生生物局へのバックアップも必要です。州政府がことの事態を重く見て動物保護予算の枠組みを考慮してくれると良いのですが。

なんとも居心地の悪い緊張感から始まった2017年ですが、やれること、やるべきことをしっかりとやっていくのみです。