6-27 2022
今回は都合により明日に代えて1日早くアップさせていただく。
能美の里山の耕作放棄地では、残念ながらその数が近年減っているのが気がかりである日本最小のハッチョウトンボが、また、市の東側の小高い山地の蟹淵と呼ばれる水のきれいな湧水をたたえている池ではルリイトトンボが恋の季節を迎えた。
ハッチョウトンボ メス(左)、オス(右)
ハッチョウトンボ、オス
ハッチョウトンボのオスは小型のショウジョウトンボのよう、メスは茶色と黄色の縞模様を持つが、全体の数だけでなくメスの数が減っているのが心配である。
蟹淵に登る山道にはウリノキの花が咲き、最後の急坂を登るとコバルトブルーの池が見えてくる。
ウリノキの花
出迎えてくれるのはクロスジギンヤンマとモリアオガエルの卵である。
水面を周回するクロスジギンヤンマ(後方はルリイトトンボ)
モリアオガエルの卵
ヒツジグサなどの水草が生えている場所をよく見ると、多くのルリイトトンボが見えて来る。
ヒツジグサに止まるルリイトトンボ
ルリイトトンボは、交尾して休憩している時、オスとメスが連結して見出しのようにハート形を作り多くの若い女性の愛好者を惹きつけている。
ルリイトトンボのハート形連結
そもそもトンボが連結しているのは、少し無粋であるが、一般に授精には少し時間がかかり、メスを離してしまうと自分の精子が新しいオスによって掻き出され自分の子孫を残せなくなるのを防ぐために、オスがメスの首筋を掴んで離さず独占しようとするからである。
オスが草の葉に止まって、いやがるメスをぶら下げているとも見える。
葉に止まってメスをぶら下げるオス
ハラビロトンボやシオカラトンボも不完全なハート形をしている。
連結したハラビロトンボ
連結したシオカラトンボ
産卵行動時には、多くの場合通常の連結型であり、ハート形のまま産卵するわけではない。
産卵中のルリイトトンボ
ルリイトトンボ、アキアカネしかりであり、
連結したルリイトトンボ
ギンヤンマの連結飛行、産卵はよく見かける光景である。
ギンヤンマの連結飛行と産卵
ハッチョウトンボのようにメスが単独で産卵する場合もある。ミヤマカワトンボはメスが潜水して産卵することが知られている。
ミヤマカワトンボ、メス
いずれにしても、ルリイトトンボは、美しいルリ色と、ハート形の連結姿勢が人気を呼んでいる。