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イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【てつどう】奈良線18m車時代の生き残り 伊賀鉄道860系に乗りに行く

2009-10-23 | てつどう。


伊賀鉄道に行ってきました。


伊賀鉄道はもと近鉄伊賀線でしたが、施設は近鉄が保有したまま
運営・運行を伊賀鉄道に移した上下分離方式となって現在に至っています。
なので、実質的には近鉄の一部分のままと言えるでしょう。
出資比率は近鉄が98%、伊賀市が2%だそうです。



で。
伊賀鉄道には、伊賀線時代から近鉄860系が走っていたのですが、
これが残り数年で「ある電車」に置き換えられてしまう、という報が入り、
いてもたってもいられなくなって行ってきてしまったわけです。



置き換えられてしまう860系は、もとは奈良線用に昭和36年から製造された820系を
伊賀線用に改造して生まれた車両です。

さまざまな経緯で大近鉄になった近鉄ですが、
伊賀線は設立の経緯上1067mm幅の軌道なので、
1435mm幅軌道の本線系統とはゲージが合わず、
同じく狭軌路線だった南大阪線系で廃車になった6800系の台車で狭軌対応しています。


820系は、いまや近鉄でもここでしか見られない18m車体で、
その車体幅は狭く(なので、ステップがドア下に設けられている)、
しかも片側2扉なので、現在の近鉄一般車とは大きくかけ離れた形態を持っています。

これは、820系のベースともいえる奈良線特急用車800系(昭和30年登場)と同様に、
当時の奈良線の建築限界によるものでした
(1964年には新生駒トンネルが開業し、現在と同じ21m級4ドア車が走るようになった)。



鉄コレで出ていた800系...欲しい...。


800系は初めて近鉄マルーンで登場したり、初の高性能車であったりとエポック的な存在ですが、
さらに注目したいのは、その車体構造が欧州の軽量客車の技術をそのまま用いていたことです。

近鉄と言えばシュリーレン台車ですが、
800系は、車体もシュリーレン社との提携技術の「準張殻構造」だったのです。
この構造は、スイス国鉄向け軽量客車(=Leichtstahlwagen)に用いられた技術で、
国鉄の10系客車も技術的には同種だそうですが、10系は参考にしたうえで
独自開発だったのに対し、800系はシュリーレンの製法そのままだったらしい。
こういう「欧州技術そのまま」とかいう話にひかれてしまうんですねえ。


ってことは、その改良版たる820=860系もまた、欧州の客車と同じ作られ方を
しているということなのでしょうか。


とにもかくにも860系、近鉄・旧近鉄に残った唯一の18m車で、
しかも800系の系統をいまに残す貴重な電車なのでした。
それを味わいたくなったのでした。
10年以上前伊賀線時代に来たことはあったのですが...。


伊賀鉄道といえば、くのいち電車、忍者電車といった松本先生のイラストが
全面に押し出された編成が有名ですが、
それ以外にも、新近鉄一般色(マルーン+白)の編成がありました。
そのうちの2編成が最近(無くなる直前によくある傾向で)「リバイバル塗装」になったということもあり、
これもなんとか見ておきたかったのでした。


伊賀神戸で降り、しばし伊賀鉄道の電車を待っていたら、
やってきたのは広告編成。
なので、次がリバイバルだと賭けて、もう1本待つことにしました。




でもその次は忍者編成。
うーん、またリバイバルじゃないのね、と思いつつ、
820系の姿ほぼそのままの「存在」にはやはり感涙です。
だってこれ、奈良線の奈良市内併用軌道時代を経験してるんだよね...。
すごいなあ。



ということでこれに乗って、上野市へ向かいます。




高校生をいっぱい載せて、860系が走る。
関西の伝統、グローブ付き蛍光灯がいいね。




思ったよりも飛ばすのもあって、揺れが凄い...。
だけど、この沿線風景はすごく気に入りました。
のどかなだけではなく、何か心にしみる懐かしさのようなものがあります。


そんな景色と揺れ?を楽しんでいるうちに、上野市に到着。
上野市の駅には車庫があるし、ここから先に行く列車が
リバイバル編成であることを期待しましょう。


で、さっそくホームから車庫を見たら、近鉄新標準色の編成、くのいち編成が確認できました。




すると、車庫の中から、リバイバル編成の第2弾、グリーン編成が出てきました!
さっそく、パチパチ撮影です。



クラシカルな丸い車体には、この渋い色はよく似合いますね。
欲を言えば「ピカピカ過ぎる」のが気になるくらい(^^;





そしていよいよ上野市で折り返す伊賀上野行きが来ました...。
予想通り、マルーン1色+飾り帯付きの、いちばん見たかったリバイバル第一弾編成でした。
予想通りとしたのは、ここは所帯が小さいので、
自分が乗った忍者、途中で交換した広告列車、車庫にいる一般色、
くのいち編成、グリーン編成とくればもう、残りはわずかしかないw


飾り帯はシールなのでリアルではありませんが、でもマルーン1色の860系が
見られただけで満足です...。



車体幅が狭いので、ステップがドア下に設けられています。



バランサー付き1枚加工窓が欧州ぽいイメージですね。



とても50年近く前の電車には思えません...きれいだし、古くないです。


時間の都合でこのリバイバル編成(伊賀上野行)には乗らず、
上野市から伊賀神戸まで広告編成で帰りました。
ほんとは乗るだけじゃなくて撮影もしたかったなー。





>>で、この860系のかわりにやってくるのは、なんと東急の1000系!
ええー!伊賀鉄道に!?って、正直自分もびっくりしました。



>>なんで近鉄系の電車じゃないの、って思うんですが、
そう、よく考えると
18mで新し目の電車なんて、近鉄には無いんですねえ...。


>>1000系が伊賀の里を走るのか...違和感あるんでしょうね。
すくなくとも伊賀神戸で近鉄車と顔を合わせるその景色って前代未聞。
とても気になります(^^;
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2 コメント

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Unknown (Gu)
2009-10-24 03:45:45
あぁ~伊賀鉄道のリバイバル見に行かれたんですね!ボクでもまだなんですけど 笑。
やっぱり、このこってりとした単色の濃厚マルーンは良いですよねぇ。本線で走ったら鮮魚列車と間違えられそうです。ボクも近々行ってみます。

そうそう、東急車の話ですけど、「結局は沿線に馴染む」のが東急車のような気がします。水間に7000系が来た時も??でしたが、今ではすっかり・・ですしね。個人的には期待しています。
行ってきちゃいました(^^; (ie)
2009-10-26 13:36:08
Guさま>
しかしまあ関西の電車はいつもいつまでたってもきれいに使っていますね...感動しました。
>水間
うーむ、そうかもしれません。
はやく近鉄車と並ぶ姿を見たいものですね。

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