言の葉収集

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安馬

2006-09-21 19:05:42 | 出来事
またまた大相撲の話題。
秋場所も大詰め、平幕の安馬が白鵬に破れ2敗となり、栃東を退けた1敗の朝青龍が今場所も賜杯を手にする確率が高くなってきた。

ところで昨日の安馬の相撲について。
取組は観ていないのだが、新鋭の稀勢の里との一番で、立会いに変化した安馬が勝利したという。
本人は大いに反省したといい、今日の白鵬との一番には安馬らしい真っ直ぐな立会いをした。
そもそも相撲は、柔道やボクシングとは違い、重さによる階級制限がない。従って大きな力士ほど有利なことは言うまでもない。
立会いに両者が思い切り当たれば、大きくて重いほうが勝る。しかしルール上変化は認められるので、相手は考えなくてはならなくなり、そこで駆け引きが生まれる。
安馬という力士は、「お客様に喜んでもらえる相撲を取りたい」と口ぐせのように言い、事実そんな相撲が彼の持ち味となっている。
ただ、昨日は違った。苦し紛れに「こっちの立場も解って…」とインタビューに答えたという。
確かにこの磐石な横綱に早い段階で1差を付けらると、観ている方もつまらない。だから「何が何でも勝たなくてはならない」という安馬の姿勢も大きな意味での「サービス精神」かもしれない。
しかし、花道を引き上げる際、観客から「立会いに変化するな」の野次が飛び、へこんでいたらしい。

そして思い出した人がいる。
昭和の名大関、初代貴ノ花その人だ。

貴ノ花もまだ平幕時代。立会いに変化して勝った。そして花道を引き上げる際、「俺は貴ノ花の変化を観に来たんじゃない」という野次を背に受けた。
そして彼はそれからほとんど立会いに変化することはなかった。真っ向勝負で大きな相手に立ち向かっていった。そして大関にまで昇りつめ、大関在位50場所は歴代1位だ。

安馬のこれからの土俵に期待する。

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