カントニ

ネットの毎日新聞ニュースに、コンビニでのおでん売り上げベスト３が紹介されていた。

１位　だいこん
２位　卵
３位　シラタキ

の順らしい。
私的には、

１位　卵
２位　だいこん
３位　すじ肉

となる。

子供の頃、住んでいた町が港町だったので、魚市場の近くに巡航船乗り場があり、その横に小さな店があった。
そこで食べたおでんの中に、すじ肉が入っていた時はカルチャーショックだった。
自分の家の鍋には、絶対に入っていない具を発見した小学生は、しばらくはその味がやみつきになり、毎日のように10円玉を握りしめて走ったものだ。

そして、小学校も高学年になった時、またしてもわが町におでんの革命がおとずれた。
お好み焼きや、焼きそばを鉄板で焼いて売っていた小さなお店で、おでんを売り始めたのだ。
そこのおでん、なんと鍋の真ん中にもうひとつ壷のような物が入っていて、その壷の中には甘い味噌が入っていたのである。
そして串にさした卵やちくわなどをその味噌の壷にどっぷりと付けて頂くのだ。
これも家族ではまり、よく買いに行かされたものだ。

あの頃、おでんとは呼ばず、「カントニ」と言っていた。
たぶん、「広東煮」からきていると思うのだが、今でも串に刺したおでんを見ると「カントニ」と心の中でつぶやくことがある。

でも、あの時代にはごちそうだった。特に卵は値段も高く高級感があり、「カントニ」の王様だったのである。