言葉の旅人

葉🌿を形どって、綾なす色彩に耽溺です。

いくさ・戦争(7)

2010年03月22日 | Weblog
 「軍」は訓読みとして「つわもの」とも読む。
「つわもの」とは「強+者」の合成語なのだが、つわものにあてる漢字としては「兵」も又それにあたる。
 この「兵」という漢字の組成は、上部に斧・斤などの武器相当の部分に左右にそれを持つ手を添えた形から成っている。
 手に手に武器を手に持って、並べ合わせて敵に向かう兵隊の事なのだ。だから、当然のこととして強くなくてはならない。強い兵の群が軍ならばまさに言葉の響きに頷く感触はある。強くてこそ「軍」なのだ。

 それは、名を変えてやむを得ず“自衛”の為の“隊”という、言葉としては何とも心細い名称にせざるを得なかった現在の日本の軍事組織は何と表現すれば妥当なのだろうか?
 又、明らかに「軍事的な存在」と誰もが認識して居ながらも、市民的な視点や国民的な支えを何処でどのように受け止められているのかという問いには些かも答えようのない存在とは一体何なのか?
 
 広義の「いくさ」は人の集団にとっては欠く事の出来ないものであったし、おそらく存在し続ける限りに於いては無くならないというか、無くしてはならない筈である。
 さて、話が佳境に入らんとして…。