市庁舎現場レポート

市民のための市役所を、つくっています。

丘の施工が進んでいます。

2008年03月01日 23時40分16秒 | 西田
丘の仕上げ工事が進んでいます。
上の写真の曲線状に設置されている型枠は、レンガ・芝生の境界部の立ち上がりです。
このラインまでレンガが貼られます。
今まで図面や模型でしか見てこなかった仕上げのラインが、実際のスケールでつかめるようになりました。
なかなかわくわくどきどきです。


第2棟側はこんな感じです。


レンガと芝生の境界は、当初は「はけぼかし」といってレンガタイルをまばらにはり、芝生とぼかすような形にしていました。
はけぼかしのパターンをいくつもスタディしたり、モックアップで納まりや芝生の育成などの確認を行ってきました。

はけぼかしモックアップ。レンガをまばらにする案と、島状にレンガを抜き、芝生を貼る案の検証。

はけぼかし部のレンガと芝。

単独で貼られるタイルはどうしても強度が弱くなってしまう。足で蹴ったり、横からの力がかかったりするとすぐにこけてしまう。また、レンガの間の芝生は、細かく切って張れたとしても、その後どうしてもうまく育たない。レンガ一枚一枚に下地をつくるので、灌水パイプも適切なレベルに通すことができない。
グラフィックパターンとしてはきれいだけれども、実際は芝生の葉がレンガにかぶってきて見えたり、芝生が育たず土色がみえてしまったりと、あまりきれいではなかった。


これは島状にレンガを抜く案。

芝生の成長にはこちらの方がいいが、全体でみるとあまりぼけた感じがしなかった。白目地が入っていないレンガはまったく別の面に見えることもわかった。

あれこれ悩んだ結果、結局シンプルなデザインにすることにした。

レンガと芝生の範囲を明確に2分することに。レンガの強度や芝生の育成に対する懸念がなくなるということ。そして何より、丘全体で見たときに、これまで検討していたちょこまかした操作がはたして意味のあるものなのかと思ったから。
広々とした丘の空間、芝生やレンガの風合い等を考えると、シンプルで大らかなデザインの方が適していると思った。それに芝生が成長し、レンガの目地に入り込んで来れば、結果として当初イメージしていた「はけぼかし」に近い状態になると思う。



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