花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

先輩へのオマージュを込めて本邦初公開 !

2025年02月09日 | 環境システム科
環境系の全国大会がとうとう始まりました。
内容は「乾燥地の緑化を支援するデュアルシステムの開発」。
乾燥地の緑化を推進するのに足りない水と栄養分を
富栄養化池沼とグレイウォーター(生活雑排水)から調達する研究です。
キーワードは無焼成バーミキュライトと三和土フィルター。
一般に保肥性、保水性を高めるために焼成するのが当たり前のバーミキュライト。
しかし無焼成の方がもっと高い吸着力があることを発見した研究は
専門家も業者も驚かれました。FLORAの女子たちが4年かけて取り組んだ成果です。
三和土フィルターは2020年から継続している三和土研究の成果。
この2年間は野球部の男子が職人となり研究を継続し、三和土フィルターで
グレイウォーターを除菌浄化しつつ、リン酸などの栄養分は残すというアイデアは
科学コンクールで常に高い評価をえてきました。
また実証試験では樹木ではなく、遊牧民のニーズに答える話題の飼料作物を採用。
生育が早く、樹木より地表を被覆するので水の蒸発や砂の動きを止められます。
環境班最後の発表会ではこの2つを組み合わせた「デュアルシステム」として披露。
まさに環境班の先輩方から受け継いできた長年の研究成果を
最後の大会で初公開したことになります。
発表は発表力の高い男子2名にストックホルムで国際大会の場を踏んでいる
2名を加わえた強化フォワード。質疑応答を受けるのは、
この研究を2年間続けてきた2名の主任研究員とAQUAの代表。
FLORAのシンクタンクが対応します。これが発表風景。
どの学校も選択しないえんじ色の壁紙は2019年に環境班存続の危機を救った
Bubble Boysが唯一用いたもの。敬意を表して最後の発表で再登場させました。
すべてが先輩へのオマージュが詰まった発表は大きな拍手をいただきました。
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水墨画!

2025年02月09日 | 学校
ここは冬の第1農場。
名農で最も広い農場で、たくさんの果樹などが栽培されています。
手前に見える骨組みはサクランボハウスのもの。
サクランボは収穫時期に雨に会うと、水を吸いすぎて
果実が膨らみ割れてしまいます。割れたサクランボは商品価値ゼロ。
そのためこのような大きなハウスを建て
梅雨の時期が近づくと天井だけを透明フィルムで覆うのです。
まるでビニール傘。でも安いものではありません。
そこで長持ちさせたいので、収穫が終わったら取り外します。
高いところに上がって張ったりはがしたりと農家は大変です。
また中央に立っているのは防霜扇。
空気を攪拌し、春先の霜害を防ぐものです。
人工授粉やマルチングなどが収量を増やす攻めの技術だとすれば
このビニールハウスの使い方や防霜扇、農薬などは守りの技術。
農業にはいろいろな技術が開発されていますが
いったいどちらが多いのでしょう。
今までこのような視点でものを見ることはありませんでした。
作物別に書き出してみると、それぞれの特徴が見えてくるかもしれません。
さて冬の農場風景で圧巻なのが名久井岳。
雪が降ったので水墨画のようです。
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