花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

2年ぶりの登場

2024年11月06日 | 環境システム科
名農は昨日から明日まで文化祭の代休でお休み中です。
さて、これが何だかわかりますか?
ケースの大きさはタバコの箱の半分ぐらい。
実はこんなに小さくてもサーモグラフィー。
スマートフォンに装着して撮影するものです。
かつて真冬に養液を加温して栽培する露天風呂水耕栽培に挑戦した
初代FLORA HUNTERSが使ったものです。
面白いことに加温したら作物の体もあたたかくなっていることを発見しました。
今年2年ぶりに登場させたのは2代目FLORA HUNTERS。
水冷水耕栽培、愛称「水風呂栽培」の効果を確認するためです。
彼らが開発に取り組んだのはペットボトルで自作したに栽培容器を
水を入れたプールに約3分の2ほど浸けて栽培する方法。
周辺の水を使って間接的に冷却し、気温40度を越す中でも
栽培を可能にするかなり挑戦的な栽培法です。
ペットボトルは逆さにして使いますが、
空気を取り入れるために底はありません。
でもこれだと40度にもなった暑い空気が上から流れ込むかもしれません。
果たして周辺を冷やすだけでボトル内の気温を適温に保てるのでしょうか。
簡易実験を行った結果を次に紹介しますので、ご覧ください。
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容器、冷えてます

2024年11月06日 | 環境システム科
これはサーモグラフィーで撮影したボトルの温度。
左は何の工夫もしていないボトル。
右は約3分の2まで水の入ったプールに浸けたボトル。
周辺が青く冷やされているのがわかります。
気温は40度弱。定温器で実験を行いました。
普通の作物なら栽培どころか、水耕栽培を行っても
数日で水分を失い、ドライフラワー状態になってしまう過酷な環境です。
さて彼らの結果をご覧ください。左の気温は33.7度と表示されています。
丸く見えるのはボトルを上から覗いているから。
つまり気温はボトル内の温度です。ところが水冷水風呂栽培の右は25度。
これはほとんどの作物の生育適温範囲です。
これにより周辺を水で冷やすとボトルも冷え、
容器内の気温上昇を抑えられるという仮説を証明できました。
計算してみると温室内全体を冷暖房するよりも低コスト。
露天風呂栽培も水風呂栽培も、比熱が大きく
温まりにくく、冷めにくいという水の性質を利用したものです。
夏は猛暑で栽培休止、冬はエネルギー高騰のためやはり休止。
FLORAが借用している馴化温室も学校設定科目「起業チャレンジ」で使っている
温室も数千万円もする施設。これが夏と冬に使えないとはもったいない話です。
この水を使った2つの栽培法の成果は
京都大学で開催される科学アイデアコンテストで披露される予定です。
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まもなく千秋楽

2024年11月06日 | 環境システム科
ここは名農の大型水耕栽培温室。
2024年はこの場所でミスト栽培の実用化試験を行いました。
ストックホルムでの発表、テレビ番組の取材なども終わり
今は最後の栽培に取り組んでいます。
振り返って思い出すのは夏の暑さ。汗をかきながら管理したものです。
しかし今は夏と違って萎れる心配がないので、ご覧の通り元気に育っています。
外は雪がちらつく寒さ。でもこの温室は加温機によって
今も15℃程度に保たれています。
理由は後ろに見えるトマト。さすがは水耕栽培です。
今なお果実が実り続けています。
情報によると、名農はまもなく長い冬休みに入るため
12月中旬には栽培をやめるとのこと。
そうなると加温機も止まるので、
ミスト栽培もここらで千秋楽となりそうです。
現在の予定ではミスト栽培装置の完全撤去は12日。
2年生は修学旅行でいないので、3年生だけで
隣の馴化温室に移動させたいと考えています。
予備日などないので、もし雪が降っても決行です。
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