
『ラブ&ピース』をTOHOシネマズ渋谷で見ました。
(1)『新宿スワン』がとてもよかった園子温監督の作品ということで映画館に行ってきました。
本作(注1)の冒頭は、「朝まで生テレビ」の場面。“東京オリンピック2020”を議論していて、田原総一朗が「何を象徴するものになるのか?」と議論を提起したり、茂木健一郎が「脳科学的にはドーパミンが出るのです」と相変わらずのコメントを言ったりしている時に、田原が「ただ一人取り残された男、鈴木良一がいる!」と叫ぶと、それが映っているTVの前で寝ている男が映し出されます。
その男が、主役の鈴木良一(長谷川博己)。
朝になると、良一は、勤め先の楽器の部品会社に出かけます。
電車の中では皆の目が気になり、腹が痛み出してトイレに駆け込んだりします。
さらに、ようやく辿り着いた会社の入口でもたついていると、皆から「おいバカ早く来いよ」と言われ、会社の中では、上司の課長(マキタスポーツ)から「君は必要な部品でもなく、かけらですらない」とバカにされて、まわりじゅうから笑われてしまいます。
ただ、腹痛で苦しむ良一に対して、寺島裕子(麻生久美子)が、「お腹がいたいのなら、この薬をどうぞ」と錠剤を渡してくれます。

次いで、デパートの屋上の場面。
良一は、一人で昼食のパンを口にしています。フト前を見ると、ミドリガメを売っている男が。
彼は、衝動的にその亀を買ってしまいます。

今度は、良一の部屋。
TVから「原爆が投下されて70年」などの音声が聞こえます。良一は、ミドリガメに向かって、「これが本当の僕なんだ」と言って、ギターを弾きながら歌います。
ちょうどTVでは「ピカドンとはどういう意味?」「怪獣?」と喋っていて、それを耳にした良一は、ミドリガメを「ピカドン」と名付けます。
そして、ピカドンに向かって「日本スタジアムでライブできるくらい俺はビッグになる」と言います。
さあ、果たして良一はビッグになるでしょうか、………?
本作のメインのストーリーは、会社ではうだつが上がらず皆にバカにされている男が、ロックシンガーとしてビッグになるという夢を実現しようとするもの。その話が、ミドリガメを通して、廃品のおもちゃなどを拾い集めて再生する男の話と結びつけられ、さらに全体がラブストーリーになっている破天荒なファンタジーであり、あまり一般受けはしないかもしれませんが、主演の長谷川博己の熱演や西田敏行の味のある演技などもあって、クマネズミはまずまず面白く感じました(注2)。
(2)もう少し丁寧に見てみましょう(様々にネタバレしてしまいますので、ご注意ください)。
本作では、一方に、良一の“ビッグになりたい”という彼の夢がギリギリまで膨らんで、東京オリンピックのために建設された「日本スタジアム」でのライブまで漕ぎ着けたところで、バブルが弾けるように消えてしまうというお話があります。
また、もう一方に、廃棄されたフランス人形・マリア(声:中川翔子)やロボット(声:星野源)、猫人形・スネ公(声:犬山イヌコ)などや、飼い主に捨てられたペットを集めてきて、下水道の片隅で暮らしているホームレスの老人(西田敏行)を巡る話があります。

彼は、クリスマスイブになると、壊れた人形などを元通りに修理して、それらを子どもたちに配るべく、サンタクロースになってトナカイが曳くソリに乗り込むのです。
この二つの話が、最後は怪獣クラスの超“ビッグ”な大きさになってはじけ飛んでしまうミドリガメの「ピカドン」によって結び付けられています。
ごく皮相的な解釈に過ぎませんが、本作全体で、バブル期以降の日本の姿(一方で、土地神話に基づき起きたバブルが弾けて「失われた20年」に陥った日本経済。他方で、新品同様の物がどんどん捨てられる日本社会の環境問題)を譬えているように思えるところです(注3)。
ただ、そんなことを言ってみても、本作の枠組みについて少々撫でたにすぎず、何も始まりません。もう少し入り込むと、本作には、3つの面白さがあるように思いました。
一つは音楽。
もう一つはメルヘンチックな下水道でのお話。
そして、怪獣の出現。
音楽について言えば、映画の中で何度も流れる「ラブ&ピース」(園子温監督が作詞・作曲)がとても素敵であり(注4)、それにもまして、ラストの忌野清志郎の「スローバラード」がすごく感動的です(注5)。
なにしろ、舞台衣装を脱ぎ捨てて、独り、雪が舞う商店街を泣きながら歩く良一の場面で、「昨日は車の中で寝た/あの娘と手をつないで……」の歌詞が流れるのですから(注6)!
また、西田敏行扮する老人を巡る下水道でのお話には、人形や動物がいくつも登場し、随分とメルヘンチックですが、そればかりではありません。フランス人形・マリアが、自分が陳列されていた店のショーウインドウの前にいると、自分を捨てた女の子が別の新しいフランス人形を母親(神楽坂恵)に買ってもらっているという厳しい目に遭遇しますし、猫人形・スネ公も、サンタクロースになった老人に、「こうやって新しくして子どもたちに配っても、またすぐに捨てられてしまい、ここに戻ってきてしまうのさ」と毒づきます。
廃品の回収・再生といっても、プラスの面ばかりでなく、マイナスの面があることに目が向けられているのでしょう。
さらに、映画に登場するミドリガメの怪獣については、特撮技術が随分と駆使されていますが、目が大きくとても可愛らしい外観であり(注7)、また、ゴジラのように東京の市街を破壊しながら「日本スタジアム」に向かうとはいえ、人が誰も死なないことが強調されたりしていて(注8)、これまでの怪獣映画とは一味違った面白さになっていると思いました(注9)。
そうして、これらを基本的なファクターとして出来上がっているのが、良一と裕子を巡るラブストーリーであり、最後の最後に裕子が良一の部屋の近くまで来ているところで、本作の幕となります。
それにしても、裕子役の麻生久美子は、本作のヒロインと言うには、最初から最後まで本当に地味な存在として描かれていました(注10)!
(3)渡まち子氏は、「笑えて泣けて最後に感動…と言いたいところだが、特撮怪獣モノのノリにのれなければ、最後まで置いてけぼりなので、要注意だ」として50点をつけています。
前田有一氏は、「この映画、音楽がとてもいいので、相当ヘンな映画だがなかなか見せる。それでもたとえば「リアル鬼ごっこ」(7月11日公開)にくらべると、突き抜け感が圧倒的に足りず中途半端な印象」として60点をつけています。
村山匡一郎氏は、「さまざまな手法やジャンルを混ぜ合わせ、謎を秘めながら何が飛び出してくるかわからない予測不可能な物語展開の妙味は、まさに園子温監督ならではの映画的エネルギーと魅力に溢れていて大いに楽しめる」として★4つ(「見逃せない」)をつけています。
(注1)本作は、園子温監督が25年前に書いた脚本にほぼ従っているとのこと(劇場用パンフレット掲載のインタビューで、同監督は、「95%くらいは当時の脚本を忠実に再現しています」と述べています)。
(注2)出演者の内、最近では、長谷川博己は『地獄でなぜ悪い』、麻生久美子は『小野寺の弟・小野寺の姉』、西田敏行は『マエストロ!』、良一のマネージャー役の渋川清彦は『深夜食堂』、マキタスポーツは『苦役列車』で、それぞれ見ました。
(注3)大きく膨らんだミドリガメの怪獣が、以前、良一が口にしていた「ビッグになります」とか、「僕は寺島裕子さんが大好き。彼女と付き合いたい」などと喋った後(良一の本心を怪獣が代弁してくれた感じです)、泡が弾けるように空から消えてしまいます。そして、まるで、不動産自体にそんなにすごい価値はないのだと人々が気づいた途端に、バブルがはじけてしまったのと同じように。
(注4)映画で歌われる「ピカドン」や「絆」も園監督が作詞・作曲しています。
(注5)4年ほど前に見た『ナニワ・サリバン・ショー 感度サイコー!!!』でもこの歌が歌われ、物凄く印象的でした。
(注6)そして、部屋に戻った良一が窓辺であのミドリガメがいるのを見つける場面で、「ぼくら夢を見たのさ/とってもよく似た夢を」との歌詞が流れるのです!
なお、良一が商店街を歩いて行くシーンは、『地獄でなぜ悪い』のラストで、長谷川博己扮する平田が現場から引き上げるシーンを思い起こさせます(尤も、同作で平田は走っていましたが)。
(注7)劇場用パンフレット掲載のインタビューで、園監督は、「この映画はたくさんの子どもたちに観てもらいたいと思ってる」ので(?!)、「もの凄くかわいい怪獣にしたいと思いました」と述べています。
(注8)劇場用パンフレット掲載のインタビューで、園監督は、「今回はそこが大事かなと思って。「全員無事です」ってわざわざセリフで言わせてるんです」と述べています(「怪獣の歩みが遅いため、全員が避難できている模様」といったレポーターの声が入ります)。
(注9)怪獣となったピカドンが日本スタジアムに進んでいく際には、ベートーヴェンの第9交響曲第4楽章の行進曲風のところが流れます。
〔園監督の『気球クラブ、その後』の中で、気球が空に上った時などに、クラシック・ギター曲「モーツァルトの魔笛の主題による変奏曲(F・ソル作曲)が何度も流れることを思い出させます〕
(注10)でも、ライブ会場で、裕子だけが周りと同じように踊っていなかったりしているために、逆に目立ってしまうのですが!
なお、劇場用パンフレット掲載のインタビューで、園監督は、「いままでの役柄を把握した上で、そこからちょっと出てもらうイメージです。メイクも汚い感じにして、なるべく地味な人になってもらいたいなって。それでもかわいかったですけどね」と述べています。
★★★☆☆☆
象のロケット:ラブ&ピース
(1)『新宿スワン』がとてもよかった園子温監督の作品ということで映画館に行ってきました。
本作(注1)の冒頭は、「朝まで生テレビ」の場面。“東京オリンピック2020”を議論していて、田原総一朗が「何を象徴するものになるのか?」と議論を提起したり、茂木健一郎が「脳科学的にはドーパミンが出るのです」と相変わらずのコメントを言ったりしている時に、田原が「ただ一人取り残された男、鈴木良一がいる!」と叫ぶと、それが映っているTVの前で寝ている男が映し出されます。
その男が、主役の鈴木良一(長谷川博己)。
朝になると、良一は、勤め先の楽器の部品会社に出かけます。
電車の中では皆の目が気になり、腹が痛み出してトイレに駆け込んだりします。
さらに、ようやく辿り着いた会社の入口でもたついていると、皆から「おいバカ早く来いよ」と言われ、会社の中では、上司の課長(マキタスポーツ)から「君は必要な部品でもなく、かけらですらない」とバカにされて、まわりじゅうから笑われてしまいます。
ただ、腹痛で苦しむ良一に対して、寺島裕子(麻生久美子)が、「お腹がいたいのなら、この薬をどうぞ」と錠剤を渡してくれます。

次いで、デパートの屋上の場面。
良一は、一人で昼食のパンを口にしています。フト前を見ると、ミドリガメを売っている男が。
彼は、衝動的にその亀を買ってしまいます。

今度は、良一の部屋。
TVから「原爆が投下されて70年」などの音声が聞こえます。良一は、ミドリガメに向かって、「これが本当の僕なんだ」と言って、ギターを弾きながら歌います。
ちょうどTVでは「ピカドンとはどういう意味?」「怪獣?」と喋っていて、それを耳にした良一は、ミドリガメを「ピカドン」と名付けます。
そして、ピカドンに向かって「日本スタジアムでライブできるくらい俺はビッグになる」と言います。
さあ、果たして良一はビッグになるでしょうか、………?
本作のメインのストーリーは、会社ではうだつが上がらず皆にバカにされている男が、ロックシンガーとしてビッグになるという夢を実現しようとするもの。その話が、ミドリガメを通して、廃品のおもちゃなどを拾い集めて再生する男の話と結びつけられ、さらに全体がラブストーリーになっている破天荒なファンタジーであり、あまり一般受けはしないかもしれませんが、主演の長谷川博己の熱演や西田敏行の味のある演技などもあって、クマネズミはまずまず面白く感じました(注2)。
(2)もう少し丁寧に見てみましょう(様々にネタバレしてしまいますので、ご注意ください)。
本作では、一方に、良一の“ビッグになりたい”という彼の夢がギリギリまで膨らんで、東京オリンピックのために建設された「日本スタジアム」でのライブまで漕ぎ着けたところで、バブルが弾けるように消えてしまうというお話があります。
また、もう一方に、廃棄されたフランス人形・マリア(声:中川翔子)やロボット(声:星野源)、猫人形・スネ公(声:犬山イヌコ)などや、飼い主に捨てられたペットを集めてきて、下水道の片隅で暮らしているホームレスの老人(西田敏行)を巡る話があります。

彼は、クリスマスイブになると、壊れた人形などを元通りに修理して、それらを子どもたちに配るべく、サンタクロースになってトナカイが曳くソリに乗り込むのです。
この二つの話が、最後は怪獣クラスの超“ビッグ”な大きさになってはじけ飛んでしまうミドリガメの「ピカドン」によって結び付けられています。
ごく皮相的な解釈に過ぎませんが、本作全体で、バブル期以降の日本の姿(一方で、土地神話に基づき起きたバブルが弾けて「失われた20年」に陥った日本経済。他方で、新品同様の物がどんどん捨てられる日本社会の環境問題)を譬えているように思えるところです(注3)。
ただ、そんなことを言ってみても、本作の枠組みについて少々撫でたにすぎず、何も始まりません。もう少し入り込むと、本作には、3つの面白さがあるように思いました。
一つは音楽。
もう一つはメルヘンチックな下水道でのお話。
そして、怪獣の出現。
音楽について言えば、映画の中で何度も流れる「ラブ&ピース」(園子温監督が作詞・作曲)がとても素敵であり(注4)、それにもまして、ラストの忌野清志郎の「スローバラード」がすごく感動的です(注5)。
なにしろ、舞台衣装を脱ぎ捨てて、独り、雪が舞う商店街を泣きながら歩く良一の場面で、「昨日は車の中で寝た/あの娘と手をつないで……」の歌詞が流れるのですから(注6)!
また、西田敏行扮する老人を巡る下水道でのお話には、人形や動物がいくつも登場し、随分とメルヘンチックですが、そればかりではありません。フランス人形・マリアが、自分が陳列されていた店のショーウインドウの前にいると、自分を捨てた女の子が別の新しいフランス人形を母親(神楽坂恵)に買ってもらっているという厳しい目に遭遇しますし、猫人形・スネ公も、サンタクロースになった老人に、「こうやって新しくして子どもたちに配っても、またすぐに捨てられてしまい、ここに戻ってきてしまうのさ」と毒づきます。
廃品の回収・再生といっても、プラスの面ばかりでなく、マイナスの面があることに目が向けられているのでしょう。
さらに、映画に登場するミドリガメの怪獣については、特撮技術が随分と駆使されていますが、目が大きくとても可愛らしい外観であり(注7)、また、ゴジラのように東京の市街を破壊しながら「日本スタジアム」に向かうとはいえ、人が誰も死なないことが強調されたりしていて(注8)、これまでの怪獣映画とは一味違った面白さになっていると思いました(注9)。
そうして、これらを基本的なファクターとして出来上がっているのが、良一と裕子を巡るラブストーリーであり、最後の最後に裕子が良一の部屋の近くまで来ているところで、本作の幕となります。
それにしても、裕子役の麻生久美子は、本作のヒロインと言うには、最初から最後まで本当に地味な存在として描かれていました(注10)!
(3)渡まち子氏は、「笑えて泣けて最後に感動…と言いたいところだが、特撮怪獣モノのノリにのれなければ、最後まで置いてけぼりなので、要注意だ」として50点をつけています。
前田有一氏は、「この映画、音楽がとてもいいので、相当ヘンな映画だがなかなか見せる。それでもたとえば「リアル鬼ごっこ」(7月11日公開)にくらべると、突き抜け感が圧倒的に足りず中途半端な印象」として60点をつけています。
村山匡一郎氏は、「さまざまな手法やジャンルを混ぜ合わせ、謎を秘めながら何が飛び出してくるかわからない予測不可能な物語展開の妙味は、まさに園子温監督ならではの映画的エネルギーと魅力に溢れていて大いに楽しめる」として★4つ(「見逃せない」)をつけています。
(注1)本作は、園子温監督が25年前に書いた脚本にほぼ従っているとのこと(劇場用パンフレット掲載のインタビューで、同監督は、「95%くらいは当時の脚本を忠実に再現しています」と述べています)。
(注2)出演者の内、最近では、長谷川博己は『地獄でなぜ悪い』、麻生久美子は『小野寺の弟・小野寺の姉』、西田敏行は『マエストロ!』、良一のマネージャー役の渋川清彦は『深夜食堂』、マキタスポーツは『苦役列車』で、それぞれ見ました。
(注3)大きく膨らんだミドリガメの怪獣が、以前、良一が口にしていた「ビッグになります」とか、「僕は寺島裕子さんが大好き。彼女と付き合いたい」などと喋った後(良一の本心を怪獣が代弁してくれた感じです)、泡が弾けるように空から消えてしまいます。そして、まるで、不動産自体にそんなにすごい価値はないのだと人々が気づいた途端に、バブルがはじけてしまったのと同じように。
(注4)映画で歌われる「ピカドン」や「絆」も園監督が作詞・作曲しています。
(注5)4年ほど前に見た『ナニワ・サリバン・ショー 感度サイコー!!!』でもこの歌が歌われ、物凄く印象的でした。
(注6)そして、部屋に戻った良一が窓辺であのミドリガメがいるのを見つける場面で、「ぼくら夢を見たのさ/とってもよく似た夢を」との歌詞が流れるのです!
なお、良一が商店街を歩いて行くシーンは、『地獄でなぜ悪い』のラストで、長谷川博己扮する平田が現場から引き上げるシーンを思い起こさせます(尤も、同作で平田は走っていましたが)。
(注7)劇場用パンフレット掲載のインタビューで、園監督は、「この映画はたくさんの子どもたちに観てもらいたいと思ってる」ので(?!)、「もの凄くかわいい怪獣にしたいと思いました」と述べています。
(注8)劇場用パンフレット掲載のインタビューで、園監督は、「今回はそこが大事かなと思って。「全員無事です」ってわざわざセリフで言わせてるんです」と述べています(「怪獣の歩みが遅いため、全員が避難できている模様」といったレポーターの声が入ります)。
(注9)怪獣となったピカドンが日本スタジアムに進んでいく際には、ベートーヴェンの第9交響曲第4楽章の行進曲風のところが流れます。
〔園監督の『気球クラブ、その後』の中で、気球が空に上った時などに、クラシック・ギター曲「モーツァルトの魔笛の主題による変奏曲(F・ソル作曲)が何度も流れることを思い出させます〕
(注10)でも、ライブ会場で、裕子だけが周りと同じように踊っていなかったりしているために、逆に目立ってしまうのですが!
なお、劇場用パンフレット掲載のインタビューで、園監督は、「いままでの役柄を把握した上で、そこからちょっと出てもらうイメージです。メイクも汚い感じにして、なるべく地味な人になってもらいたいなって。それでもかわいかったですけどね」と述べています。
★★★☆☆☆
象のロケット:ラブ&ピース
地味でも麻生久美子様であるのだから、それは美人には違いないのだけど、妙にモサっとさせる事で、油断するとヒゲとか生えてきそうとか、何か、漬物の匂いとか漂ってきそう、と思わせる作りにまで仕上げてたのは流石です。
おっしゃるように、本作の麻生久美子には、「油断するとヒゲとか生えてきそうとか、何か、漬物の匂いとか漂ってきそう」な雰囲気が漂っていました。