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ブリジット・ジョーンズの日記3

2016年11月22日 | 洋画(16年)
 『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』を新宿ピカデリーで見ました。

(1)予告編を見て面白そうだったので、女性客ばかりの映画館に行ってきました。

 本作(注1)の冒頭は、5月9日のロンドン。43歳の誕生日を迎えた主人公のブリジット・ジョーンズレニー・ゼルウィガー)が、独りで居間のソファーに座り、一本のローソクが立てられたケーキを見つめ、「なんでまたこれなの?」と呟き、ワインを飲みます。そして、一人カラオケをしたり、踊り出したりします。



 次いで、「12時間前」の字幕。
 携帯が鳴ったのでブリジットが取り上げると、「ダーリン、誕生日おめでとう、ママよ」の声が。
 ママ(ジェマ・ジョーンズ)の顔が映って、さらに「43年前にお前を産んだ。出産は23時間かかったの。奇跡よ」と言った後、今度は、パパ(ジム・ブロードベント)が「おめでとう」と言います。

 それから、ブリジットは葬儀が行われている教会に入ります。その葬儀は、かつてブリジットの上司であり飛行機事故のために亡くなったダニエル・クリーバー(注2)のもの。
 牧師が、「ダニエルの思い出を語ってください」と促すと、ブリジットは、進んで前に出て「ダニエルは、大勢の人と触れ合いました。私もその一人。あなたを忘れない。皆同じよ」と語ります。

 教会の外に出てきたブリジットは、同じように葬儀に参列していた元カレで弁護士のマーク・ダーシーコリン・ファース)と遭遇します。
 マークは、連れ立っている女性(アグニ・スコット)を「カミラだ」と言ってブリジットに紹介します。
 ですが、うまく会話が弾まず、マークとカミラは立ち去ります。
 ブリジットは、「これが彼と別れた理由かも。彼の前ではうまくしゃべれない」と呟きます。

 ブリジットが、仕事場のTV局に出勤すると、皆が誕生日を祝ってくれます。

 こんなところから、ブリジットを巡る物語が始まりますが、さあどのように展開するのでしょうか、………?

 本作はシリーズの第3作ながら、これまでの作品を見なくとも十分に楽しめます。43歳で独身のTV局の敏腕プロデューサーが主人公。ひょんなことからIT企業の社長で大金持ちの男と出会い、また離婚協議中の元カレとも遭遇し、主人公はその二人と親密な関係になって、なんと妊娠までしてしまうのです(注3)。このテンヤワンヤを面白く描いていて、誠に他愛ない話ながらも、気分転換するにはまずまず向いているように思いました。

(2)これまでの作品のあらすじをネットで調べてみると、ごく大雑把には次のようです。
 第1作の『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年)では、主人公のブリジットは32歳(後半では33歳)の独身で、出版社に勤務(後にTV局に移ります)。母親のクリスマスパーティーで出会った弁護士のマークと、勤務先の上司のダニエルとの間で気持ちが揺らぎます。
 第2作の『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』(2004年)でも、ブリジットはマークとダニエルに翻弄されますが、最後にはマークがブリジットにプロポーズします。

 それで本作ですが、第2作の公開から12年経過し、ブリジットも43歳になっているものの、相変わらず独身のままTV局勤務を続けているという設定になっています。
 ただ、第2作で、マークがブリジットにプロポーズしたはずです。にもかかわらず、本作のブリジットはなぜか独身のままであり(注4)、なおかつマークはカミラと結婚しているようなのです(離婚協議中ということがすぐにわかりますが)。
 それに、前2作で活躍するダニエルは、本作には一切登場せずに、代わりに、アメリカ人でIT企業の社長・ジャックパトリック・デンプシー)が新規に登場し、ブリジットを巡ってマークと争うことになります。



 43歳の女性を巡って身分も金もある2人の男性が競うのですから、まさに邦題が言うように「最後のモテ期」なのでしょう。

 こんなところから、むしろ、前2作を知らないままに本作を見た方が、返って楽しめるのかもしれません(注5)。

 とはいえ、本作がいくらファンタスティックなラブストーリーとしても、話の展開がかなり強引であり、もうすこし筋立てに工夫が必要なのではと思いました(注6)。
 それでも、プロデューサーのブリジットが、プライベートなことを話しているつもりにもかかわらず、それをイヤホンで聞いたキャスターで仲良しのミランダサラ・ソルマーニ)は、指示事項だと勘違いして、そのままインタビュー相手にぶつけてしまい、相手が当惑するシーン(注7)など、笑わせるところがかなりあって、まあ、つまらないことを言い募っても仕方がないようにも思えてきます(注8)。

(3)渡まち子氏は、「主演のレニー・ゼルウィガーの劣化ぶりがあまりにヒド」く、「今回のブリジットの行動にはまったく共感できないのだが、このラスト、もしかして次もあるの?!これ以上老けたブリジットはかんべんしてほしい」として50点を付けています。
 前田有一氏は、「深刻さがないのが救いで、よって本作の笑える度は非常に高い。コメディとしては優秀である」として80点を付けています。
 秦早穂子氏は、「目くじらたてるは野暮の骨頂。手を叩き大口開けて笑うのも単純すぎる。イギリス式二重底の皮肉の裏をニンマリ楽しもう。女、40代、人生、ようやく半ば。ピンチは、これからである。全体を刈り込めば、ユーモアとスパイスは一層、利いたであろう」と述べています。
 毎日新聞の細谷美香氏は、「ブリジットらしい自虐の利いたユーモアと、思わず応援したくなるうそのないキャラクターはそのままに、正反対の男性が自分を巡ってケンカするという、女性にとってのファンタジーを巧みに織り込んだ脚本が秀逸」と述べています。



(注1)監督は、シャロン・マグワイア
 原題は『Bridget Jones's Baby』。
 原作者のヘレン・フィールディング氏が脚本に加わっています。

 ただ、第1作と第2作は、ヘレン・フィールディング氏の『ブリジット・ジョーンズの日記』(角川文庫)、及び『ブリジット・ジョーンズの日記 キレそうなわたしの12か月』(角川文庫)が原作なのでしょう。ですが、本作の原作が『ブリジット・ジョーンズの日記 恋に仕事にSNSにてんやわんやの12か月』(角川文庫)といえるのか疑問に思われます。というのも、同書についてamazonの「内容紹介」では、「幼なじみのマークと結ばれ、二人の子供に恵まれたブリジット・ジョーンズ。ところがマークが急逝」などと記載されていて、それは、本作の内容とは全く異なっているからです(これは、ありうるかもしれない第4作目の内容となるのでしょうか?)。

 なお、出演者の内、最近では、コリン・ファースは『キングスマン』、パトリック・デンプシーは『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』、ジム・ブロードベントは『ブルックリン』、ジェマ・ジョーンズは『恋のロンドン狂騒曲』、エマ・トンプソンは『ウォルト・ディズニーの約束』で、それぞれ見ました。

(注2)ダニエルは、第1作と第2作に登場し、ヒュー・グラントが演じています。
 ヒュー・グラントが本作に出演しない理由については、こちらの記事が参考になります。
 なお、本作においてダニエルは、飛行機事故で亡くなったとされていますが、飛行機は見つかったものの、遺体は見つかっていないとされています。

(注3)原題からすれば、本作ではブリジットが子供を生むのかなと予め予測がつきますが、邦題ではそんなことはわかりませんし、予告編もそのことを明示していませんから、クマネズミは、本作の後半の展開の仕方には少々驚きました。

(注4)ただ、ブリジットは、「あなたとは何年も付き合ったが、結局は別れた。二人で夢見たことと現実は違った。結局あなたは仕事だったし、私は独りで孤独だった」とつぶやく場面がありますが。

(注5)これまでの作品を知っていれば、ラストがどうなるのか、容易に想像がついてしまうでしょうし!

(注6)ブリジットがジャックとベッドインするにしても、何もわからずにジャックのベッドに入り込んでいて、そこにジャックが戻ってくるというのでは、策がなさすぎます。
 また、ブリジットが、ほぼ同じ日にマークと会ってベッドインしてしまうというのも、もう少し因縁話めいた背景が必要なのではないでしょうか?

(注7)同じようなシーンは、ジャックに対するインタビューでも見られます。まだ、ブリジットが妊娠していることを知らないジャックに対し、ミランダは、テーマのジャックの書いた本のことはそっちのけにして、「子供についてどう思うか」とか「家族に病気持ちの人は?」などと、ジャックが当惑する質問をします。

(注8)つまらないことですが、新宿ピカデリーの売店で尋ねたら、本作の劇場用パンフレットが作成されていないとのこと。もしかしたら、配給会社は、本作の公開にあまり期待していないのかもしれません。



★★★☆☆☆



象のロケット:ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期

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