これから大空を飛び回るはずの蝉たち。
でもふ化に失敗して、その夢を叶えることなく息絶える者もいる。
我が家の周りに、そういう蝉たちを二匹見つけた。
一匹はどうしてここまで成功しているのに飛び立てなかったのか、
不思議なくらいの状態で道端に落ちていた。
強風にでも煽られてしまったのか。理由はわからない・・・。
生まれたての儚い命。
あともう少しで空を飛べたのに・・・。
本当に可哀そうだった。
そしてもう一匹は少し離れた場所でほぼ同じ状態で、
お腹を見せ横たわっていた。
蟻もたかり始めていて、このままにしておくと更に悲惨になる。
私は二匹をシャベルでそっとすくい、家の裏に埋めました。
もう一度生まれ変わって、また地上に出ておいで。
深く祈りました。
ふ化に成功して、無事飛んでいった蝉も目撃しています。
帰宅してバイクを止め、カバーをかけていた時に見つけました。
夜間に見た彼はまさに脱皮?の最中で、その体は真っ白く輝いている。
多分一晩かけて、命がけの旅に出る。
どうか、どうか無事に成功して。祈りながら、家に入りました。
そして明け方・・・。
まだ彼は外壁に引っ付いていた。
しかしながら飛び立つのは時間の問題だろう。
羽がしっかりしていたし、もう白っぽくなくりっぱな蝉の体だ。
頑張れ、頑張れ、頑張れ!
朝散歩から帰ってきたら、彼はいなかった。
飛んでいったんだね。
よかった・・・。
私、恥ずかしながら涙ぐんでしまいました・・・。
こんな身近な場所で起こる、命のドラマ。
厳しくも力強い。
私も強くなりたい。
そしてまだ見ぬ大空を飛ぶんだ。
今日は詩人になりました。
お仕事、頑張ってきます。