さて、西松建設の不法献金疑惑で民主党の小沢代表が窮地に立たされていますね。まあ元々自民党時代からその「豪腕」をふるって資金集めをしてきたわけですからその体質が引き続き残っているのは仕方ないとは思うのですが、旧世代?最後の大物現役政治家にも終焉の時が近づいてきたということでしょうか?
(写真は「新票田のトラクター」の単行本表紙)
以前ここでも取り上げたことがあるのですが、昔「ビッグコミックオリジナル」その後「週刊ポスト」で連載していた「票田のトラクター」シリーズというのがありまして、「票田のトラクター」「新票田のトラクター」「票田のトラクター 五輪見参」という3部作になるのですが、非常に面白く具体的なことを書きまくっていた政治漫画(特に「票田…」と「新票田…」の前半)でありまして、政界のマネーロンダリングのやり方(宗教法人を経由する方法、二束三文の絵画の贈答と売却など)から現金の動かし方(銀行の帯封はだめ、新聞紙で包んではだめ、風呂敷で1億ずつ包んで買い物袋に入れるとぴったりして持ち運びに便利など)非常に「役に立つ」漫画でした♪
本作は原作:ケニー鍋島氏、作画:前川つかさ氏で、政治ジャーナリストで小沢一郎現民主党代表に近かったケニー鍋島氏がその見聞きした事柄を盛り込んだ非常に真に迫った漫画です。実はこの漫画の主人公である「筒井五輪」という人物のモデルは小沢代表の元秘書であり、今の西松建設献金疑惑の中で、そのシステムを構築したとして舞台にだされつつあるある「元秘書」こと高橋嘉信元衆議院議員です。そしてその筒井五輪が仕えた代議士「稲山一郎」のモデルが小沢一郎なわけです。
本作の第1部ではまだ衆議院議員選に出馬前の稲山一郎が地元の中京市(架空)で地場を築くのに筒井五輪があの手この手で支持者を増やしていき当選に持っていく様が、「新票田…」では稲山の親分である昭和会の領袖中村茂幹事長(当然モデルは創世会の竹下登。ただし金丸元副総理もミックスしたような感じ)が中野康道元総理(当然、中曽根元総理)や宮原弘之総理(連載初期当時。当然モデルは宮沢元総理)らと丁々発止のやりとりを繰り広げて勢力を拡大し、そして疑惑の発覚、昭和会(経世会)分裂、新党「自由の風」立ち上げ、最後は新連立政権に向けて…というところ(ただし連載の中では小渕元総理モデルの政治家が自民党を分裂して新党を立ち上げる)までを描いています。連載では心臓の疾患を抱える稲山が五輪を後継者に推薦して終わります。最後の「…五輪見参」では議員になった五輪が活躍するのですが、こちらは私はほとんど読んでいません。
実際見ていると「新票田」の途中から実際の政治の動き(自民分裂から非自民連立政権成立)が早すぎて連載の中でかなりはしょられてしまったりしてリアル感が乏しくなってしまったのが残念なんですが、第1部と第2部(新)の前半は非常に読み応えがあります。昭和会分裂騒動のぎりぎりの票(議員頭数)読みのやりとりなどははらはらするところですね。そしてその中に五輪が地元の支持者を集め、パーティー券をくばり(そのやり方も初期と後期では異なったり)、支持者の要望にどう応えるか(秘書どまりにするか、議員に上げるか、さらにその先にあげるか、など)具体的事例を多く挙げています。
また秘書が「政治資金規正法」をそらんじれなければいけない(重要)とか、筒井五輪が筆頭秘書にのし上がるまでに、また国政にかかわる議員の秘書になった段階でのそれぞれの注意事項、集金方法、とか細かく書いてあります。そんな五輪のモデルだった高橋氏が作ったシステムで、ましてや「一般的」とは大きく異なる「政界の常識」を考えれば、小沢代表の発言にあるような、
>例えば、新たに献金の申し出があった場合、個人であれ、企業であれ、その方に対して、このお金はどういうお金ですか、違法の金、脱法行為の金じゃないでしょうね、というような詮索(せんさく)をすることは、普通あり得ないんじゃないかと。
こんなことがあるわけが 「 絶 対 」 にあるわけがないんですよ。「先生を守るために献金相手の素性の確認」なんてものは秘書としてのそれこそ「初歩中の初歩」ですよ。ただし、秘書が秘書で止めておいて先生に知らせない、ということはあるかも知れませんが、それは細かい案件の話で
大口案件で献金者の素性を代議士先生が知らないなんて100%ありえない
政治資金に必要な金は国から出るようになっているんだから、企業からの直接献金は禁止、となれば
迂回する、というのは普通に考えればでてくる話(汗)
だけれども、やはりシステムのどこかに綻びが出ると芋づる的にいっちゃうんですねえ… 昔も今もあまり変わりは無いか… まあ旧来の集金システムを現在の規制の中で動かそうとして考えたやり方なんでしょうが、完璧なやり方はない、ということですよね。
それにしても、これで小沢一郎代表が政界の表舞台から消えると、「経世会」=竹下派世代がやっと表舞台から引退してくれるか、ということになります。田中角栄の築いた田中を割ってその後の長い期間政界を牛耳ってきた旧竹下派人脈を代表する、竹下派七奉行(小沢一郎、羽田孜、渡部恒三、奥田敬和、小渕恵三、梶山静六、橋本龍太郎)のうち、自民党に残った小渕、梶山、橋本はすでに故人、民主党に移った奥田も故人。残る渡部、羽田は名誉職の最高顧問で、小沢一人が党首としてですが政治の最前線に残っていたのですが幕引きが近くなってきたようです。
もう「票田のトラクター」に見られるような集金や地元ネットワーク作り、刃を交える丁々発止のやりとりなんて見られなくなるんですかねぇ…
しかし政界も世代が新しくなるにつれどんどん「頼りなくなってきている」ので、それが困ったものです。
まあどこの国も同じなんですけどね…(特に先進国は…)
ではまた
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(写真は「新票田のトラクター」の単行本表紙)
以前ここでも取り上げたことがあるのですが、昔「ビッグコミックオリジナル」その後「週刊ポスト」で連載していた「票田のトラクター」シリーズというのがありまして、「票田のトラクター」「新票田のトラクター」「票田のトラクター 五輪見参」という3部作になるのですが、非常に面白く具体的なことを書きまくっていた政治漫画(特に「票田…」と「新票田…」の前半)でありまして、政界のマネーロンダリングのやり方(宗教法人を経由する方法、二束三文の絵画の贈答と売却など)から現金の動かし方(銀行の帯封はだめ、新聞紙で包んではだめ、風呂敷で1億ずつ包んで買い物袋に入れるとぴったりして持ち運びに便利など)非常に「役に立つ」漫画でした♪
本作は原作:ケニー鍋島氏、作画:前川つかさ氏で、政治ジャーナリストで小沢一郎現民主党代表に近かったケニー鍋島氏がその見聞きした事柄を盛り込んだ非常に真に迫った漫画です。実はこの漫画の主人公である「筒井五輪」という人物のモデルは小沢代表の元秘書であり、今の西松建設献金疑惑の中で、そのシステムを構築したとして舞台にだされつつあるある「元秘書」こと高橋嘉信元衆議院議員です。そしてその筒井五輪が仕えた代議士「稲山一郎」のモデルが小沢一郎なわけです。
本作の第1部ではまだ衆議院議員選に出馬前の稲山一郎が地元の中京市(架空)で地場を築くのに筒井五輪があの手この手で支持者を増やしていき当選に持っていく様が、「新票田…」では稲山の親分である昭和会の領袖中村茂幹事長(当然モデルは創世会の竹下登。ただし金丸元副総理もミックスしたような感じ)が中野康道元総理(当然、中曽根元総理)や宮原弘之総理(連載初期当時。当然モデルは宮沢元総理)らと丁々発止のやりとりを繰り広げて勢力を拡大し、そして疑惑の発覚、昭和会(経世会)分裂、新党「自由の風」立ち上げ、最後は新連立政権に向けて…というところ(ただし連載の中では小渕元総理モデルの政治家が自民党を分裂して新党を立ち上げる)までを描いています。連載では心臓の疾患を抱える稲山が五輪を後継者に推薦して終わります。最後の「…五輪見参」では議員になった五輪が活躍するのですが、こちらは私はほとんど読んでいません。
実際見ていると「新票田」の途中から実際の政治の動き(自民分裂から非自民連立政権成立)が早すぎて連載の中でかなりはしょられてしまったりしてリアル感が乏しくなってしまったのが残念なんですが、第1部と第2部(新)の前半は非常に読み応えがあります。昭和会分裂騒動のぎりぎりの票(議員頭数)読みのやりとりなどははらはらするところですね。そしてその中に五輪が地元の支持者を集め、パーティー券をくばり(そのやり方も初期と後期では異なったり)、支持者の要望にどう応えるか(秘書どまりにするか、議員に上げるか、さらにその先にあげるか、など)具体的事例を多く挙げています。
また秘書が「政治資金規正法」をそらんじれなければいけない(重要)とか、筒井五輪が筆頭秘書にのし上がるまでに、また国政にかかわる議員の秘書になった段階でのそれぞれの注意事項、集金方法、とか細かく書いてあります。そんな五輪のモデルだった高橋氏が作ったシステムで、ましてや「一般的」とは大きく異なる「政界の常識」を考えれば、小沢代表の発言にあるような、
>例えば、新たに献金の申し出があった場合、個人であれ、企業であれ、その方に対して、このお金はどういうお金ですか、違法の金、脱法行為の金じゃないでしょうね、というような詮索(せんさく)をすることは、普通あり得ないんじゃないかと。
こんなことがあるわけが 「 絶 対 」 にあるわけがないんですよ。「先生を守るために献金相手の素性の確認」なんてものは秘書としてのそれこそ「初歩中の初歩」ですよ。ただし、秘書が秘書で止めておいて先生に知らせない、ということはあるかも知れませんが、それは細かい案件の話で
大口案件で献金者の素性を代議士先生が知らないなんて100%ありえない
政治資金に必要な金は国から出るようになっているんだから、企業からの直接献金は禁止、となれば
迂回する、というのは普通に考えればでてくる話(汗)
だけれども、やはりシステムのどこかに綻びが出ると芋づる的にいっちゃうんですねえ… 昔も今もあまり変わりは無いか… まあ旧来の集金システムを現在の規制の中で動かそうとして考えたやり方なんでしょうが、完璧なやり方はない、ということですよね。
それにしても、これで小沢一郎代表が政界の表舞台から消えると、「経世会」=竹下派世代がやっと表舞台から引退してくれるか、ということになります。田中角栄の築いた田中を割ってその後の長い期間政界を牛耳ってきた旧竹下派人脈を代表する、竹下派七奉行(小沢一郎、羽田孜、渡部恒三、奥田敬和、小渕恵三、梶山静六、橋本龍太郎)のうち、自民党に残った小渕、梶山、橋本はすでに故人、民主党に移った奥田も故人。残る渡部、羽田は名誉職の最高顧問で、小沢一人が党首としてですが政治の最前線に残っていたのですが幕引きが近くなってきたようです。
もう「票田のトラクター」に見られるような集金や地元ネットワーク作り、刃を交える丁々発止のやりとりなんて見られなくなるんですかねぇ…
しかし政界も世代が新しくなるにつれどんどん「頼りなくなってきている」ので、それが困ったものです。
まあどこの国も同じなんですけどね…(特に先進国は…)
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しかし昔の55年体制化での野党との談合の方法、「強行採決」という「儀式」の意味、政治家用語の意味、など非常に勉強になりました。
あと自民党分裂以降の連立政権のところとかは本連載のページ数が少ないこともあって、完全に現実が大幅に前を行ってしまったため、せkっかく出した伏線をすべてすっ飛ばしてしまう(このため「新」では新進党などは出てこないし、自社さ政権の一瞬しか出てこない)ことになってしまったのがもったいなかったですね。
もっとあの頃の稲山=小沢の動き方・考え方の詳細がみたかったのに。
という感じです♪