番朝FU

The Ban Dynasty FU

【香港:社会】たばこ吸えない体なのに「吸い殻ポイ捨て違反」えん罪

2005-10-08 01:36:40 | 【香港:衛生】
ゴミのポイ捨てを取り締まる香港政府機関「食環署」がまた「えん罪」をやったという。新界・屯門でもと肺病患者の女性が当局に「煙草の吸い殻を投げ捨てた」と違反切符をきられた。この女性は「私は煙草をすったこともないのに!」と抗議したが、聴く耳をもたれず。この女性はマスコミに向かって「これはえん罪です!」と涙ながらに主張、自殺をもって身の潔白を証明しようとしている。また、その吸い殻を化学分析すれば、自分が吸ったものではないことが分かる筈だと訴えている。



この女性は胡さん(42歳)。2年前に香港へ移民してきた。香港人の男性と結婚し、七歳の子どもがいる。胡さんによると、1996年に故郷で父親の肺病がうつり、結核となった。薬のアレルギーもあって中国では治らず、往復ビザをとって香港の病院で治療をうけた。完治はしたが、再発の心配があるので、定期検診は欠かさず、まして煙草など吸いもしない、という。

さる9月23日月の朝、子どもを学校に送った後、病院へ行ってから11時を回ったころ、帰宅途中で疲れたので、屯門時代廣場の花壇のヘリに腰掛けて休んでいた。ほどなくしてドッコイショと立ち上がり、帰ろうとしたところ、制服をきた食環署の男女職員が前に立ちふさがった。

彼らが言うことには「あなたが煙草の吸い殻を地面に捨てるのを見た」という。さらに右足でもみ消しているではないかという。違反切符を切るから身分証を出せと要求された。
胡さんは「確かに足下に吸い殻があるけれども、わたしゃ肺病患者なんですよ、煙草なんて吸ったこともない」と反論したが、食環署の職員はがんとして聞き入れず、違反切符を切ろうとした。そのため胡さんは夫に電話して助けを求めた。

夫から警察へ連絡がいき、巡回の警官が現場にやってきた。胡さんは「婦警さんにわたしの身体検査をしてもらい、煙草やライターをもっているかどうか確認して貰いましょう」と申し出た。そこで、婦人警官がボディチェックをしたのだが、胡さんの身の回りのものには煙草もライターも発見されなかった。

しかし「それでも違反切符はうけなさい」と言われたので理不尽だ!と胡さんは激怒。食環署職員は「ゴミのポイ捨て罰金:1500ドル」の違反切符をわたしてサッサと立ち去った。胡さんは激しく怒り泣き、その吸い殻を拾って帰宅し、夫と相談した後に、当局のえん罪を訴え出ようと決めた。

胡さんによると、5日に当局(食環署)から書面で「違反切符は有効」との回答を受け取り、ぶち切れた。かーっとなって飛び降り自殺をしてやろうとまでおもったという。しかし子どものことを思って、早まるまいと自分を抑えているのだという。

香港ではゴミのポイ捨ては罰金を科されることは胡さんもよく知っており、子どもにもそう躾けているのに、今回の「えん罪」で、「新移民の自分が軽く見られて、差別されているんだ」ということを実感したという。また、問題の「吸い殻」は保管してあるから、いつでも検査できると言っている。

一方の食環署スポークスマンは、個別の問題についてはノーコメント。しかし当局は決して個人攻撃を目的とした検挙はしないと述べている。処置に不服があればいつでも書簡にて受け付けるとコメントしている。

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