番朝FU

The Ban Dynasty FU

【香港:社会】9/16チャイナケム遺産相続:未亡人が逆転勝訴

2005-09-16 15:54:14 | 【香港:社会】
 香港のコングロマリット、チャイナケム・グループ(Chinachem Group:華懋集團)の前会長、テディ・ワン(王輝:本人失踪のまま97年に裁判で死亡と認定)の遺産をめぐって行われている裁判で、16日、最高裁は、故・王氏の未亡人で「香港の大屋政子」ことニーナ・ワン(龔如心)さんの上訴を妥当として受け入れ、3人の裁判官の評決3:0のストレートで、「ニーナさんが主張する、90年に書かれた遺言状」は正式なものと認められる、と決定した。
 これによりこれまで高等裁判所および上訴法廷が下した判決・命令はすべて撤回されることになる。


■16日の最高裁判決を受け、喜びの勝利宣言をするニーナさんの弁護士


■敗訴した実父側の弁護士「非常に残念だ」とコメント



 この裁判は90年に誘拐されたまま行方不明のテディさん(王輝)について、97年に実父が裁判にて「法律上死去したものとみなす」という決定を受けてから、その遺産の分配をめぐってテディさんの実父と、未亡人のニーナさんの間で訴訟問題になっていたもの。お互いに「自分が預かった遺言状では、遺産を100%自分に譲る、と書いてある」と違う日付の遺言状を持ち出して争った。



 高等裁判所で172日という香港の民事訴訟では最長時間の記録となった裁判では、「実父の王廷歆さんが主張する、68年に書かれた息子の遺言状が正当で、その内容に基づきすべての財産は実父に相続される。また未亡人の持ち出した90年版の遺言状は偽造」という高裁判決が下った。
 冗談じゃないわ!とニーナさんはこれを不服として上訴法廷に訴えた。3名の裁判官の評決では2:1で高裁判決を覆すことができず、ニーナさんは最高裁に持ち込んだもの。

 陳兆凱裁判官は、「ニーナさんが主張する90年版の遺言状には、謝炳炎(故人)という証人がおり、生前この人ははっきりとよどみなく、テディ(王輝)さんが90年にこの遺言状に署名したのに立ち会っていると証言したのは重要な証拠であり、この立会人の証言を認めない理由はひとつもない」と述べた。

 もう一人、李義裁判官は「この証人である謝炳炎氏の書面による声明は、法定声明とみなされ、正式なものとして処理されるべきであり、高裁および上訴法定が判決に引用した証言・声明の基準は不適当であった」と判決理由を述べた。

 これにて、400億香港ドル(日本円にして約5600億円)という巨額の遺産相続を巡る「舅と嫁」の民事訴訟バトルが大逆転で終結した。
 一方で未亡人のニーナさんはこれまでに刑事事件としての「遺言状の偽造」「公務執行妨害」など3件で起訴されている(5500万ドルの保釈金で保釈されている状態)が、「民事訴訟では90年の遺言状は正しい」と最終決定したものを「刑事訴訟では偽造だ」と起訴するのは矛盾が発生する。
 今回の判決を受け、検察はニーナさんの刑事罪状3件を取り消すか否かを検討中だとスポークスマンは語った。


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■関連記事リンク:
http://hk.news.yahoo.com/050916/12/1gpgj.html


<RTHK2005-09-16>番朝訳・補足

★中秋の満月は18日(日)の22:01 雨になるかも

2005-09-16 14:22:10 | 【香港:娯楽】
 香港の気象台は、中秋の月は日曜日の18:40に出て、満月は22:01、月没は月曜の07:06(※いずれも香港時間)だと発表した。

 肝心の天気は、中秋日(18日の日曜)はくもりで、時々にわか雨と強風になり、局地的に雷が発生すると予測されている。このため、気象台では「一番月がきれいに見えるのは今夜16日(金)の夜で、これを逃すと中秋の月は見られない恐れがある」と述べている。

<RTHK2005-09-16>番朝訳

【香港:政治】9/16工連会が日本総領事館へデモ:軍国主義反対

2005-09-16 14:14:02 | 【香港:政治】
 16日、工聯會のメンバー二十数名がセントラルの郵便総局前から在香港日本国総領事館までデモ行進した。日本の軍国主義復活に抗議して。
 メンバーのひとり、王國興さんは「日本の小泉首相は二重人格だ。戦時中の中国侵略に謝罪しながらも、靖国神社への参拝を辞めない。軍事力の拡大や憲法を変えようとする動き、右翼団体による教科書の改ざんを許している。」と批判した。

 また、日本がこのまま軍国主義活動を続けるなら、アジアの平和と安全が脅かされると語った。

<RTHK2005-09-16 HKT 11:53>番朝訳

【香港:娯楽】9/15モー娘。来港で一悶着:「公共の場で撮影」は違法か

2005-09-16 11:53:18 | 【香港:娯楽】
 日本のアイドルグループ「モーニング娘。」メンバーとスタッフが香港へ来港。これは「ファンと行く香港ツアー」の企画のため。お忍びで早めに到着したにもかかわらずマスコミに追跡され、スタッフと記者の間で一悶着おきた。

 モーニング娘。の公式ホームページでは、9月にファンといっしょに香港へ行くツアー「モーニング娘。ファンクラブツアーin香港」(2泊3日)が発表されていた。ファンの到着は16日だが、メンバー10名とスタッフはその一日前に香港入りした。

 15日午後1時ごろ、30名ほどの団体が空港から出てきた。ジャケットを着た男性が先頭に立ち、その後につばのある帽子を目深にかぶった女の子10名がコソコソと追従。どこからどうみても「あやしい」のは一目瞭然。空港にいたマスコミ関係者がパチリと写真をとったところ、スタッフが慌ててメンバーに「かおをかくせ!」と指示を出した。前列にいた久住小春さん、小川麻琴さんはすぐに「そっぽを向いて」撮影されないようにし、田中れいなさんは顔を手で覆ったそうな。




 またスタッフは撮影者にクレームをつけ、「同意もなく写真を撮るのは不当行為だ」としてフィルムを出すように要求した。香港の記者は「ここは公共の場所なのだから、写真を撮るのは自由だお」と反論し、フィルムを渡そうとしなかった。モーニング娘。の事務所側は納得せず、「弁護士を連れてきているぞ」と抗議したが、香港の記者達はかまわず「公共の場所」で「自由に写真撮影」を続けた。

 騒ぎは収まらず、空港警備の警官が仲裁にやってきた。カンカンに怒っているスタッフは警官から「香港の法律では、公共の場所での撮影は違法には当たらないですよ( 公眾地方拍照無觸犯法例 ) 」と説明されてしまった。
 一行はその後、用意していた車にサッサと乗り込んでその場を離れたそうな。

【香港:社会】9/15女富豪の弟、暴漢に襲われるも忠犬が命がけで主人護りとおす

2005-09-16 10:07:43 | 【香港:社会】
 香港のコングロマリット、チャイナケム・グループ(Chinachem Group:華懋集團)の会長、ニーナ・ワン(龔如心)の実弟で、医師の龔仁心さん(62)が15日夜19:30ごろ、仕事場の診療所近くで棍棒を持った暴漢数名に突然襲われた。龔さんが連れていた飼い犬が暴漢と必死に戦い、龔さんは怪我をしながらもショッピングモールの管理事務所へ「誘拐されそうになった!」と助けを求めた。チュンワンの公立病院「仁濟醫院」に送られ手当を受けている。



 無論、一匹で4名の暴漢と戦って救ってくれた愛犬への恩義を忘れず、友人へ電話し、うちの犬を助けてやってくれと依頼。
 暴漢に袋だたきにされつつも主人を逃がした忠犬は瀕死の重傷を負った。モンコックにある動物病院へ収容され、手当を受けているが危険な状態。
 暴漢は帽子を深くかぶった40代ぐらいの男達。警察では龔さんの生活パターンをよく知る者の、計画的な犯行とみて捜査している。

  龔医師は香港島に豪邸を構えるが、仕事場は郊外のチンロンタウ(青龍頭)にあるマンション「豪景花園」に隣接したショッピングアーケード内に診療所を構え、そこで開業している。仕事の後、愛犬と附近を散歩するのが日課となっていた。

■暴漢に襲われた現場の検証中


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 さて、何故突然お医者が街頭で袋だたきにされたのか?という問題だが、これには家族関係を軸にした、複雑な事情が絡んでいると見られている。

 襲われた龔さんの姉は、「香港の大屋政子」ことニーナ・ワン(龔如心)さん。彼女は経済雑誌「フォーブス」で紹介された「世界の大富豪」でランキング第123位、中国地区では第8位、香港では「香港で最も金持ちの女性」「イギリスで最も金持ちの女性」ダブルで堂々の第一位である資産家。彼女の奇抜なファッションと、少女のようなおさげ髪、口元に笑みを絶やさないことも注目の的で、「キャンディキャンディ(Little Sweetie:小甜甜)」という可愛らしいニックネームをつけられており、香港人で彼女を知らないものはいない。



 上海出身で1937年生まれのニーナさんは、18歳のとき幼なじみの社長御曹司、テディ・ワン(Teddy Wang:王輝)さんと結婚。もともと化学薬品の貿易会社だった同社は、多角経営で成功し、急成長していくが、2歳年上の王輝氏は家業・チャイナケムの社長になった後、身代金目当てで2度誘拐され、1990年の誘拐事件を最後に消息不明になってしまった。その後逮捕された誘拐犯グループの容疑者1名は「王社長は海に沈めた」と供述している。遺体が見つからないまま、ニーナさんは「夫はもう亡くなった」と判断、誘拐直前に夫が
遺した1990年の遺言書を根拠に、財産を相続し、とうとうチャイナケムグループの会長になった。


 さてニーナさんの義父(チャイナケムの創設者で、夫の実父)が8年前に裁判を起こした。それは「息子(輝さん)の、その遺言書とやらは"偽造"ではないか?」というもの。それからというもの、400億香港ドル(日本円にして約5600億円)という巨額の遺産相続を巡る「舅と嫁」のバトルが繰り広げされている。ニーナさんは「財産を乗っ取ったインチキ女」の疑いを掛けられて何年も裁判で戦ってきているわけである。また、ニーナさんを狙う脅迫や数々のいやがらせも後を絶たないという。

 こんなわけで大金持ちの「お家騒動」は裁判のみならず、テロリズムが横行する、ヤクザな世界なのであった。くだんの「遺言状偽造疑惑裁判」の最高裁判決が16日に下される直前、「裁判関係者」、龔仁心医師(ニーナさんの末の弟)が襲われた。龔仁心医師はニーナさん4兄弟の中で、唯一の男子。長女のニーナさんは仁心さんに優しく、中国医師免許をもった彼が香港に移住して香港の医師免許をとるための協力をし、現在の豪邸もチャイナケムグループの資産を、たったの月額1香港ドル(14円)で貸して貰っており、診療所もチャイナケムグループが管理するショッピングモール内。この医師が襲われたのも、結局は「巨額遺産」に絡む事件であることは部外者の目にも明白である。

<9/16星島日報報道>番朝訳+補足