中国の農産物があっちらこっちらですごいことになっているが、豚問題にくわえ、今度はウナギにも。福建、江西、安徽省などでウナギ蒲焼き製品などから発がん性のある化学物質「
マカライト マラカイトグリーン(Malachite green)」が検出されたため、当局は全国でウナギ製品の回収命令を出した。運送途中、輸出の通関中、未加工の生きたウナギも例外なく販売禁止。またこのニュースを受け、香港のスーパーマーケット「
ウェルカム(惠康超級市場)」では自主的にウナギ製品の販売一時中止を決定した。
ところで広東省産のウナギ製品は香港に大量に入ってきており、それは中国全土の活ウナギの総輸出の80%を占めているそうな。広東省ではウナギ製品から「
マカライト マラカイトグリーン」が検出されてはいないけれども、今回のお上の命令で、輸出は完全にストップされることになる。
マカライト マラカイトグリーンは金魚を飼ってる人にはおなじみの薬品で、殺菌効果があり水槽の中の観賞魚を長生きさせる薬。しかし人体には発がん性を呈する「毒薬」であり、世界的にみると多くの国で食用魚にこの薬品を使うことを禁止しているそうな。中国においては2002年に食用魚への
マカライト マラカイトグリーン使用を禁じる条例が発布されている。
香港政府当局は
マカライト マラカイトグリーンが検出された製品群が香港に輸出されたかどうか中国側と連絡をとり確認中。香港側でも活ウナギおよびウナギ製品の抜き取り検査を強化するが、現時点では「回収命令」は出さないという。
アバディーン(香港仔)漁業海鮮業者組合の主席である陳富明氏によると、香港には毎日約3トンの活ウナギが輸入されており、そのほとんどが広東省からであるそうな。また香港冷凍肉水産物卸売業者組合の顧問である顔美誌氏によれば、香港に入ってくる冷凍ウナギ製品のほとんどが福建ないし広東省からのものだという。
実は香港の条例では、活魚および魚類の輸入品に対しては衛生証明や検疫などの制度がないそうで、食品に含まれてはいけない7種の禁止物質および37種の使用制限化学物質の規定はあるものの、今回問題になっている
マカライト マラカイトグリーンは、香港の条例では抜き取り検査の対象になっていないそうな。
香港の地元スーパー、ウェルカムでは安全のために台湾や日本製もふくめすべてのウナギ製品(蒲焼き、切り身、ウナギ寿司など)を当面販売停止する。「
パークンショップ(百佳)」では卸業者と連絡を取り合い、香港政府の指導に従うとしている。日系スーパーの「
ジャスコ(吉之島)」は自主的に7月末にウナギ製品の抜き取り成分検査を行っており、結果同店で売られるウナギ製品は安全と証明されているとのこと。またこの検査で
マカライト マラカイトグリーンは検出されなかったそうな。