時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

あの有名な心霊スポット、「雄島」に渡ってみた

2016年09月22日 | 

ああ、ついに来てしまった。

あの「雄島」へ。

この島のことは、随分前から私は知っていた。ネットや本などで。

どういう表現でこの島が紹介されていたかというと、たいがいそれは「心霊スポット」としてだった。

それも、かなり強烈な心霊スポットとして。

東尋坊以上の心霊スポットとして。

 

 ↑ いきなり目の前に登場する、存在感たっぷりの「おしまばし」。

 

島に渡るには、陸から島に架けられている橋を歩いて渡らなければいけないのだが、夕方以後にこの橋には多数の霊が出るという。

なんでも、東尋坊で自殺した人の遺体は、潮の流れで、この島に流れ着くのだそうだ。

そのせいか、島に架かる橋の下にある海から多数の「手」が伸び、この橋に上がってこようとするのだそうだ。

 

これだけも恐ろしい。

だが、雄島には更なる心霊逸話がある。

それは・・

島に渡って、反時計まわりに島を一周すると、その人は死ぬ・・・と言われていることだ。

 

私には霊感はない。

どうやら霊とは波長が合わないようだ。

だが、上記の「予備知識」はあったので、念のために上記のポイントだけは心にとどめ、むやみにそれに逆らわないことにして、雄島に渡ってみることにした。

 

まず、行くのは昼間にする。

そして、島に渡って一周する際には、時計周りに島を周るということ。

 今回の私の来訪の目的は心霊に遭遇することでもなければ、心霊スポット探検という意味合いでもない。

あくまでも観光地として訪れることが目的。心霊ツアーではないのだ。

 

 

私を乗せたタクシーは、東尋坊を離れてほどなくして雄島に架かる橋の前に着いた。「おしまばし」だ。

目の前には、赤い橋が一直線に雄島に繋がっているのが見えた。なにやら、その「赤い色」がインパクトあった。これが噂の・・あの橋か・・。

店が立ち並ぶ東尋坊への道を歩いてた時、その風景はなんとなく「江の島」に似てるなと思ったが、ここ雄島とそこに繋がる橋を見ても、私は「江の島」を思い出した。

江の島もこんな感じで、陸から島に橋が架かっているから。

 

雄島に架かる橋は、心霊スポットとは思えないぐらい綺麗な橋だし、綺麗な風景に思えた。

この橋に、橋の下の海から無数の「手」が橋に上がろうとしてくるのか??・・少なくても昼間見た限りでは、そんな恐ろしい邪気や妖気は感じなかった。

 

 

 ↑ 陸地方面から対岸の雄島に架かる「おしまばし」。東尋坊で自殺した方の遺体は、潮の流れでこの雄島方面に流れ着くという。そして・・夜になると、自殺者の「手」が海からこの橋に登ってこようとするそうな・・。夜は近付かないほうが無難。というか、あかりががないので、夜は真っ暗闇で、相当怖いであろう。私はパス。

 

 

ともかく、私は橋の上を歩きだした。

なんとなく眼下の海を見てみるが、昼間だからなのか、「手」は見えないし、第一海はきれいだ。

ただ、波はけっこう立っている。

なんでも、橋の右側と左側で、波の動きは違うらしい。そんな話をタクシーの運転手から聞いたのを思い出しながら、私は一歩一歩島に近付いていく。

 

 

 ↑ おしまばしの途中から、東尋坊方面を見る。海はおだやかだった。

 

 ↑ おしまばしの途中から、雄島を見る。もうすぐ着く。

 

 

この時私は、怖さよりも、暑さによるしんどさの方が勝り、「怖い」と感じるゆとり(?)などなかった・・というのが正直なところだった。

ともかく・・暑かった。

 

 

 ↑ おしま橋から海を見る。海はきれいなのだが・・。

 

橋を歩き続け、やっと橋が終わる時がきた。

いよいよ雄島上陸となるわけだ。

すると、島の入り口みたいな場所に鳥居が立っていた。

 

 ↑ 雄島、到着。いきなり鳥居が来訪者を迎える。島の入り口に鳥居があるなんて、やはりこの島は神域なのだろうか。

 

 

橋の近くには記念碑みたいなものもあった。なんでも、橋が出来たことを記念して建てられた碑らしい。

 

 ↑ 記念碑。

 

 

鳥居をくぐって少し歩くと、階段が現れた。島の上の方に登っていく階段で、けっこう急だった。

 

 

 ↑ さあ、雄島に本格的に入ってゆく。この階段を登った先には・・・?

 

 やがて階段を昇り切ると、道が左右に別れていた。

ははあ、ここだな・・と思った私。

この左右の道を右のルートを選んで島を周るといけないのだな。

 

ルートを示す案内板みたいなものがある・・・と聞いていたのだが、それらしきものは見当たらなかった。もしや撤去されたのかな??と思って何気に右方面を見て見たら、ルートを示した看板みたいなものが倒れていたようだ。

自然に倒れたのか、あるいは何者かが倒したのか、それは分からない。

 

仮にその看板を見つけられなかったとしても、あるいは「反時計まわりはいけない」という通説を知らなかったとしても、階段を昇り切ってすぐ左側には鳥居があるので、普通の人は鳥居のある左周りで進むんじゃないだろうか。鳥居は「入り口」という感があるし。

 

ともかく、私は鳥居をくぐり、素直に「時計回り」で左側のルートに進み、歩き出した。

 

このルートの出だしの部分は日陰なので、ありがたかった。

日向と日陰ではだいぶ暑さは違うから。

 

少し進むと神社があった。

ちょっとさびれた神社であった。

 

 ↑ 念のため、神社そのものの写真は撮らなかった。神社は、この写真の右方向にあるが、アングルには入れていない。

 

 

神社の前には狭い展望ポイントみたいなものがあり、そこからは対岸の右方向に東尋坊方面が遠望で見えた。

 

あの東尋坊で飛び込み自殺した人の遺体が、潮の流れでこの島に流れ着くのだ・・。

そう思うと、少しゾクッ。

 

 ↑ 神社の真向かいにあった、展望台らしき場所。海の向こうに見えているのは東尋坊。タワーが識別できた。

 

その展望台でちょっと東尋坊を見たあと、私はすぐにルートを進み始めた。

すると、日陰が終わる時がきた。

いきなり炎天下の中のルートになった。

あっという間に暑さが復活した。

太陽の光と、暑さが容赦ない。吹きだす汗。

 

 

 ↑ 雄島のルートを進む。心霊スポットとは言われているが、昼間歩いてみると、怖さは感じなかった。

 

 だが、ルートそのものはおだやかに思えた。たまたま暑いからしんどいが、これが春や秋ならむしろ快適かもしれない。

島は静かで、道は良い散策路だ。海が広い。

 島の海沿いの部分は奇岩が並んでいて、中々壮観。

よく見ると、海には遊覧船らしき船が浮かんで、島を巡るように進んでいる。

遊覧船の乗客からは、この島を散策している私の姿が見えていることだろう。

 もしかしたら、島を散策している私の姿を見て、「島を散策している方がいますが、あのルートなら時計回りですから大丈夫ですね」とでも解説しているのかな??

 

 ↑ 少し下りのルート。視界が開けた。太陽の光がまぶしい。

 

 ↑ 海がキラキラ。

 ↑ 波や風の浸食なのか、奇岩が並ぶ。

 

 

 

 

 ↑ 島の縁取りのように続く奇岩。そこに波がやってきている。

 

 ルートを歩いていたら、先客がいた。きっと私と同じ「時計回り」で散策してるのだろうが、かなり寄り道しているらしく、私が通り過ぎた後にも中々ルート上に姿を見せなかった。普通に時計回りで散策してたのなら、私の後にその人も続いてくるはずなのに・・。

結局私の後にその人の姿は最後まで見えなかった。・・ということは?

もしかしたら、私と逆ルート・・「反時計まわり」で島を散策していたのだろうか?

 

 ↑ こうして昼間歩いてみると、いい散策コースなんだがなあ。ただ、夜は真っ暗闇だから、怖いはず。

まあ、夜に来る気は・・ないです。

 

 ↑ ときどき、こんな解説看板が。けっこう観光地している?

 ↑ これまた雄島で見かけた看板。

 

 

半分以上ルートを歩いたあたりで、道が枝分かれする箇所があった。

ん?

どちらを行けばいいのか?

 

一瞬迷ったが、一方の道は島中ほどを縦に横切る「近道」に思えた。

なので、ここまできたら私はおとなしく「時計まわり」のルートをこのまま踏破しようと思い、少し遠回りっぽいルートを選び、進んだ。

すると、しばらく行くと、元の地点に戻った。そう、この島の散策路に辿り着くために最初に登った階段のあたり。もちろん、そこは島をめぐるルートが左右二手に別れている分岐のところだ。つまり、この島を一周するのが終わったのだ。

だが、良く見ると、もうひとつルートがあるのがわかった。

それは先ほど見かけた「島を縦に横切る道」であった。

 

その時、、人の気配がした。階段を昇ってこちらに向かってくる足音だった。

2~3人いて、手には釣りざおを持っていた。

で、私の前を横切ったそのグループは、「島を縦に横切る、近道ルート」に迷いなく進んでいった。

 

この島には都合3種類のルートがあるのがはっきりした。

時計回りは大丈夫で、反時計まわりすると死ぬ・・という通説があるが、真ん中の近道コースはどうなんだろう。

釣り人が迷いなく真ん中の近道ルートを進んでいったことを考えると、真ん中ルートも大丈夫なのかな??

そのへんは私には何ともいえないが・・。

 

無事に雄島を時計回りに一周し終えた私は、元来た階段を下りて、おしま橋に向かった。

もちろん、陸地に帰るためだ。

 

 ↑ 島を時計周りに一周して、戻ってきた。

 ↑ 再び、近づく鳥居。さあ、あの橋を渡って陸に戻ろう。

 

ともかく、東尋坊を歩いて汗びっしょりになったうえに、さらに雄島まで歩いて一周したものだから、シャツに染み込んだ汗の量は相当なものだ。

肌も汗でベタベタして、どうにも不快。

こうなったら、早く宿に着いて、ともかく風呂に入りたい。

雄島を歩いて一周すると大体1時間くらいかかる・・と聞いていたが、私はそんなに時間はかからなかったように思う。

暑かったから、早く一周を終えたかったために少しペースが早かったのかもしれない。

 

 ↑ 雄島から、陸に架かる橋。雄島側から陸地方面を見る。

 

 

 ↑ 「おしまばし」。

 

雄島を時計回りのルートで歩いて一周している最中、そのルートを歩き始めたからには、もう戻ることは考えなかった。

なぜなら、戻る・・ということは、反時計回りにルートを進むことになってしまいそうな気がしたから。

なので、一度時計回りのルートで歩きだしたからには、もう大人しく(?)その時計回りルートを踏破するしかない気もしたし。

 

前述の通り、雄島は東尋坊以上の心霊スポットとして有名だ。

だが私は雄島に昼間行ったことや、時計回りに一周したこともあるのか、霊的なものを見かけることもなければ、感じることもなかった。

むしろ、おだやかで、きれいな風景だと思った。

決して恐ろしい場所には思えなかった。

 

霊に対しておちょくったり、ふざけたりせず、昼間来訪し、なおかつ島を一周するなら素直に時計回りに進めば、良い散策コースだと思った。

それが雄島を訪れた私の印象。

 

好きで自殺する人など、いないと思うし、自殺せざるを得なかったのには、その人にしか分からない事情もあったのだろう。

私は何もしてあげられないけれど、冥福だけは祈っておきたい。

 

この後私は雄島を離れ、近くの温泉「芦原温泉」に泊った。福井県にある温泉だ。

福井県は私がまだ泊ったことのない県で、今回芦原温泉に泊ることで、福井県にも無事に泊ったことになる。よし、これで福井県もクリア(笑)。

 

宿はかなり大きな宿で、館内施設も十分だった。

つげ義春先生ゆかりの「ひなびた宿」「ひなびた温泉」が好きな私にとっては、贅沢な宿だった。

窓からは、街が見えた。夜ともなれば、道を歩く人もいなければ、動いている車も見かけなかった。

 

 

 ↑ 宿の窓からの眺め。静かな町に思えた。

 


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