尹派八卦掌

知っている人は知っている秘伝-中国伝統武術

京劇との縁。

2009-03-23 22:57:55 | Weblog
王尚智老師のご家系は北京市の京劇劇場「広和楼」の持ち主だと前のブログで書きました。
王家と京劇とのご縁はそれだけではありません。
建国後、王敷師爺は自己財産を費やして、中国初めての私立京劇学校を設立しました。


先日、王先生から尹派八卦掌の資料を送って下さいました。
京劇に関わる話:
 由于尹氏八卦掌具有舒展大方、刚柔相济的技艺特点,京剧艺术大师梅兰芳也向尹氏传人学习其要领,并运用到其名剧《贵妃醉酒》中的“剑舞”一段,使该剧的“舞蹈”熠熠生辉,为其色不少,由此也体现了八卦掌的审美价值和艺术价值。

「梅蘭芳」(1894ー1961)は中国で知らない人はいない「人間国宝」級の芸術家です。(今年のベルリン国際映画祭で、中国の出品作は『梅蘭芳』。陳凱歌(チンガイカー)監督、チャンツーイー主演)
 いうまでもなく梅氏は中国で格別に尊敬される存在です。そんな芸術大家は、王家に集会や用事があるとき、しばしば呼ばれていたそうです。電話もない時代なので、梅宅に駆けつけてるお使いの役は、たいてい幼少王尚智です。
 少年王尚智に対して、梅氏はいつも「東家来了、我得去!」(大家さんが来た、行かなきゃ)とさっさと仕度して、出かけてくれたとのこと。王家は並でないお家柄を改めて認識されますね。
 そして、今回の資料で分かったのは、梅蘭芳の代表作に、尹派の剣を参考したということです! 納得するところがあります。というのは昔の京劇俳優はたいてい武術に精通していました。武術と京劇との訓練法は共通するところも覆いのです。
 もしかしたら、梅蘭芳の剣舞は私の習った「文剣」とも似てる動作があるのでは!それを思うと、胸がドキドキしてきますね!
 余談ですが王尚智師も小さいとき京劇俳優を目指してたが、父に反対されたようです。