白夜の炎

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ショーンKの詐称問題/IWJ・メルマガより

2016-03-18 15:09:24 | 報道
「 おはようございます!IWJで記者をしている佐々木隼也と申します。

 またしても「文春砲」が炸裂しました。一昨日発売の『週刊文春』で、イケメンのテレビコメンテーターとして活躍する自称・経営コンサルタントの「ショーンK」さんこと、ショーン・マクアードル川上さんの「学歴詐称」が暴かれたのです。テレビでもネットでも大騒ぎとなっており、このニュースがいくつも目に入ります。

 その「詐称」の中身を見て、久々に「え~!」と驚きました。「ハーバード大学院(MBA)卒」や「パリ大学留学」が嘘で、実際はオープン授業やオープンキャンパスに行っただけだった、というのは言うに及ばず、「テンプル大学卒」が嘘どころか、実際には大学に行ったこともなく、高卒だったのですから。ものすごい「盛り方」ですね。

 さらに肩書きの「経営コンサルタント」というのも嘘で、実際は実態のないペーパーカンパニーであり、その会社の共同経営者としてHPに掲載されていた「ジョン・G・マクガバン」なる人物も実在せず、無関係な人物の写真を無断使用していたそうです。「学歴」だけでなく「職歴」「経歴」もまるまる詐称しているわけです。これは…もはや「詐欺師」といってもよいレベルですね…。さらには、日本と米国とのハーフという出自も嘘なのでは…?甘いマスクも、実は整形なのでは…?との疑惑まで囁かれています。

 しかし、この15年間、名だたる企業経営者や経済関係者向けに講演活動などを行っていたショーンさん。よくバレなかったですよね…。財界人といえば、賢い人たちの集まりだと思われていますが、経済や金融の世界といっても案外、「薄っぺらな知識」と「演技力(表現力?)」、そして「整った見た目」さえあればコロッとだまされてしまう、ということなのでしょうか。

 学歴を詐称することは、れっきとした犯罪であると冨本弁護士が、弁護士ドットコムのサイトで書いています。軽犯罪法1条15号には「『学位』を詐称した者は『拘留または科料に処する』」と書いてあるそうです。一昨日、岩上さんがツィートしています(岩上さんのツイート:http://bit.ly/1WtZbLy)。

 しかし、そうすると学歴や履歴が怪しい人が政界にもいます。あの人とか、あの人とか…。そういう人はどうなんでしょうか。気になりますね。なりますが、その話はまたにします。この問題では、また、ショーンさんを起用してきたテレビ局側の「責任」も問われています。

 真に経済に精通している専門家よりも、発言内容の中身より視聴率の稼げる「甘い声」「甘いマスク」という「ルックスの良さ」を重視する、そして日本の抱える経済問題の根本を真面目に分析したり問題点を真剣に指摘する人よりも、政治権力やスポンサーの機嫌を損なわないように、「当たり障りのないコメント」をしてくれる人物を選ぶ--。そうした「無難」なチョイスの積み重ねが、学歴・経歴を詐称し、中身がすっからかんの人物を報道ステーションのような国民的報道番組に起用するという失態に至ったのではないでしょうか。

 報道ステーションが、「官邸の圧力」に屈して(迎合して?)、元経済官僚の古賀茂明氏をコメンテーターから降板させたのは、ちょうど一年前の3月末のことでした。同時期に同じくテレビ朝日の「モーニングバード」を降板した岩上さんは、古賀さんの最後の出演の日に、テレ朝を出てきた直後の古賀さんを、青山墓地の前でつかまえて直撃インタビューしています。今、見直すと非常に感慨深いものがありますよ。ぜひ、アーカイブで御覧下さい。

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・2015/03/27 【速報】「報道ステーション」終了直後の古賀茂明氏に岩上安身が緊急直撃インタビュー!降板の内幕を衝撃暴露
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/240770
・2015/04/02 渦中の人が「報道ステーション」降板の全真相を激白! 「I am not
ABE」発言の真意――そして、官邸からの圧力の実態とは?~岩上安身による元経産官僚・古賀茂明氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/241205
・2015/05/29 「官邸からみれば『報ステは抑えたから大丈夫』」 重要な審議も総理の暴言も報道されない!?
メディア介入強める安倍政権に古賀茂明氏が憤り~岩上安身インタビュー!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/247178
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 あれから一年。メインキャスターの古舘伊知郎さんもこの3月末に降板します。そしてこの「学歴・経歴詐称」コメンテーター騒動…。昨日、今日、立ち腐れが始まったのではない、ということが実によくわかりますね。この問題はこうした「テレビの劣化」を浮き彫りにし、と同時に、それを許容してきた僕ら「情報を受け取る側の劣化」の結果ではないでしょうか。また、メディアに傲然と「圧力」を加える安倍政権を許してしまってきた「主権者・国民の劣化」でもあります。

 IWJは昨日、こうした権力(とそれが作り出す空気)におもねるテレビの劣化ぶりを象徴する、ある「怒り」の会見の動画記事をアップしました。高市早苗総務大臣の「電波停止」発言に対し、鳥越俊太郎さんなどテレビ関係者が立ち上がり、抗議の声をあげた会見です。この会見の質疑では、高市発言で一番影響を受けるはずのテレビ局から、誰一人として手が上がりませんでした。

 駆けつけたテレビ局が一様に沈黙する、この「異様」な会見の模様はぜひ、以下の記事よりご覧ください!

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・2016/02/29「これは、政治権力とメディアの戦争だ!」
田原総一朗氏、鳥越俊太郎氏、金平茂紀氏、岸井成格氏、青木理氏、大谷昭宏氏らテレビ放送関係者が高市総務大臣「電波停止」発言に「怒り」の抗議会見!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/289637
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 さらに鳥越さん、この会見でIWJ記者の直撃取材に応え、「IWJは、いつも読んでいる」とおっしゃっていただき、岩上さんによるインタビューも快諾していただきました!

 ということで、「岩上安身によるジャーナリスト・鳥越俊太郎氏インタビュー」、3月23日の13時から、中継します!!!みなさま、ぜひぜひ、ご覧になってください!!!!

 本日の日刊IWJガイドは以下の内容でお届けします!まずは気になる、ジャーナリスト・安田純平氏がシリアで拘束が確認されたニュースについて、原佑介記者からお伝えします!!…とその前に、中継番組表をご覧ください!」


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